異世界生物怪奇譚26:イカ
ここは異世界、ナイラーヘイムル。
日は東から昇るし月は一つだが、生き物は現実世界と少し違う。
そんな世界。の少し変わった生き物のお話。
カモメに見送られ、新世界へと波に揺られて半時ほど。
港とカモメの姿がだんだんと小さくなり、ほとんど見えなくなってくると、私は甲板から船室へと戻っていった。
大海を渡る船だけあってかなり大きく、船員を含めて百名近くが乗船しており、私たち以外にもいくつかの交易のグループが乗っている。
幾層かに分かれた広い船室へ入っていくと、なにやら騒がしい。
騒がしいとは言っても、喧噪というよりは何かで盛り上がっているような。
声のする方へ進んでいくと、大きな人だかりが出来ていた。
人の隙間から、それを覗き込むと。
「よっしゃー!つぎー!ウチに挑戦するヤツはおらんかー!」
ナギが自身の倍はあろうかという、角付きの大男を腕相撲で倒していた。
あぁ、もう、ナギったらすぐにそうやって、遊びだすんだから・・・
適当なところで、収拾つけさせないとなぁと思いながら見ていると、人だかりの奥からひと際大きな獣人が出てきた。
「あっ!ポールさん?」
思ってもなかった再会に、私は声をあげてしまっていた。
その声に気付いたポールは、こちらを向いて笑みを浮かべる。
「おぉ!ヤメェダじゃないか。お前も新大陸へ行くのか?」
そうして、久しぶりの再会に挨拶をしていると、ナギが割ってきた。
「なになに?ポールさん???お兄やんの知り合いなん?」
手短に紹介すると、本題の腕相撲が始まる。
ポールが大きすぎることもあって、机いっぱいに肘を置き、窮屈そうにセットする。
さすがにいくらナギとはいえ、ポールさんには勝てないだろう。
そう思っていると、セットを手伝っていた角付きが試合のゴングを鳴らす。
「レディ・・・。ゴー!!!」
ピシィ!
聞いたことがないような、甲高い軋む音が聞こえる。机はなんとか耐えたようで、まだ四本の足の上に天板を保持していた。
押したり引いたりするかと思ったが、拳は中央からピクリとも動かない。
そして、五秒か十秒か。
均衡が崩れたのか、ナギが押し出した。ポールも手首を返そうとするが、ナギが顔を真っ赤にしながら、その手を机の上へと押し込んだ。
ひと際大きな歓声が上がると、ポールがナギの手を取って、高く掲げる。
そうすると、また歓声が上がり、拍手やら口笛やらがあちこちから飛んでくる。
その歓声が収まると、ポールにも勝ったナギに挑戦する者はなく、腕相撲大会はお開きとなった。
パラパラと人だかりが溶け、各々自分の部屋へと戻っていく。
ナギが残った何名かと話をしている中、まだ広い船室に残っていたポールに声を掛けた。
「ポールさん。わざと負けたでしょ?」
ニヤッと問いかけると、ふふんと鼻を鳴らしてポールが答える。
「わざとじゃねぇよ。ナギ嬢の美貌に負けたんだよ。」
もう、このおじさんたらお上手なんだから。
まぁ、クレバーなポールさんの事だから、船内の把握と、適当にバランスを取りに来たんだろう。
全く。ポールさんには敵わない。
そこから数日が経ち、航海は順調に進んでいた。
時折、波が荒くなるたびに、サエグサは船酔いで床に伏し、ナギはそれを楽しんで揺れる舳先へ走り出し。
ツバキは高いところに登る性質でもあるんだろうか?船員に混じって、見張り台に登っていたり、マストの絡みを直しにいったり。
エルザは他所のグループのカードゲームに混ざろうとするのを、首根っこ捕まえると、手持ち無沙汰だったのか食事の準備などを手伝っていた。
そんな中、私は専ら、ポールさんとお互いの再会するまでの話をしていた。
「魔王か。ふむ・・・。」
珍しく、ポールが神妙な顔で何かを考え込む。
しばらくすると、考えが纏まったのか、こちらを見て口を開いた。
「よし。依頼主には詫びを入れて、お前らに付いていこう。そっちの方が面白そうだ。」
嬉しい申し出ではあったが、そんな義理もないし、金も無いわけではないが既に5人分の長期間の旅費。
旧大陸へ行った時とは事情も違うので、慌てて断ろうとすると。
「俺が行きたいって言ってるんだよ。まさか、断るなんて言わないよな?」
そういうと、丸太のような太い腕で私の肩を抱いてくる。
嬉しいやら困ったやらと、冷や汗を流していると、何やら甲板の方が騒がしい。
急いで甲板に上がると、巨大な白い触腕が船の縁に手を掛けていた。
イカ!?クラーケン!?
ポールはそれを一瞥すると、また船室へと駆け出して行った。武器を取りに戻ったのかもしれない。
船員がそれを引きはがそうとするが、別の触腕に薙ぎ払われる。
ナギも船員に加勢しようとするが、素手ではなかなか上手くいかない。
なら、魔法で時間を稼げればと詠唱を始めると、イカが巨大な胴体を水上に持ち上げ墨を吐いてきた。
たまたま、その■■にいた■はその■を■■に浴びた。
くそっ!■が見えない。
■に■がもがいていると、■■の方から重たい■■が聞こえてくる。
その■■から■をつんざくような■■が響く。
「おいっ!危ないから、離れてろ!」
そして、■■か■を裂くような■が聞こえると、大きな■■■が聞こえ、■■が収まる。
あぁ、■■■■■が追い払ってくれたのか。
そう、■■していると、■■が近寄ってきて、■に■を掛ける。
「■■■!大丈夫!?すぐに■を持ってくるから。」
この■が鳴るような■は■■■だろうか。このまま■の■■になるかと思ったが、■■に■■を得るとは■■■か。
そうして、□を掛けてもらったが、まだ□はほとんど見えない。
□と□□で□□ベタベタになりながら、□を引かれ□□へと歩いていく。
□の□がおかしい?□が見えないんだからしょうがない。
そうして、□□に戻り、□を着替えたがまだ□□は戻らない。
□を擦っていると、□□な□と□□な□が聞こえてくる。
「□□□□□ぁ。□□□ですかぁ?□□をお持ちいたしましょうかぁ?」
これは□□□か。
「□□□□□。これはまた、□□□□だねwww」
こっちは□□□□だな。□□してないで、□□□□しろ。
しばらくすると、□□□が□□を持ってきてくれて、□を□□で洗う。
ジョジョにではあったが、なんとかメが見えてきた。
アブナイアブナイ。コノママだと、ハイシンジコになるトコロだったじゃないか。
センシツでナンドかメを洗っていると、トを叩かれ呼ばれた。
巨大なショクワンのキュウバン。
ショクワン自体はミズっぽくて、美味しくなかったので、刻んでウミに捨てたらしい。
キュウバンだけでも、ミンナで食べられるくらいの量があったようで、ソクセキで焼かれたソレを振舞ってもらった。
コリコリとハゴタエがあって、ほんのりとカイソウのカオリが漂ってきて美味しい。
少しタコっぽいカンジもあるようで、クチに入れるとウマミが広がる。
サイナンだったが、思わぬウミのサチを食べられて、これもタビのダイゴミというか。
ブンショウが戻るかって?ツギのワでは戻っている、はず。




