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転生監査機関RAC  作者: ぽんにむ
第二章「輪廻庁」2-1「ゥルル編」
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67/124

CASE.065「FREYA-AR《フローラル》」

ご覧いただきありがとうございます。


※本作はカクヨム、noteにも掲載しています。

設定資料をご覧になりたい方はぜひnoteに訪れてみて下さい!!

https://note.com/ponym/m/mc8c9ad24eef6

「私たち、離れ離れってことですか……?」

「理解が早くて助かるわ。もっと言うと、今、現在地と通信の両方を把握できているのはあなただけなのよ」

「えぇ!?」


 カイ曰く、現状、作戦室で現在地まで把握できているのはアンのみらしい。

 それ以外――ドゥーを筆頭とした執行官たちは、軒並み音信不通。

 所在も不明なのだ。


「でも、その異世界にいることだけは確かね。バイタルだけは確認できるし、全員正常だもの」

「そうなのですか……よかった……」


 全員のバイタルは至って正常。

 そもそも同じ世界線上にいなければ、バイタルそのものが表示されない。


 つまり表示されている時点で、彼らはこの世界のどこかにいるということなのだ。

 それを知ったアンは、心底安堵する。


「ちょっとは落ち着いたかしら?」

「うへぇ……私、へっぽこですから……」

「(それは否定できないけど……)でも大丈夫。今のあなたにはヘパー&ルールーお手製の最新型FREYAがあるわ。ちょっとルールーに代わるわね」


 カイの声が遠ざかる。

 カイがヘパーを説明役として選ばなかったのは、彼の説明が下手糞というのもあるが、何より一々言葉の圧が強いからだ。

 そこで、まだマシなルールーが抜擢された。


 すると今度は、この状況にもかかわらず、テンションが異様に高いギャルの声が聞こえてきた。


「ちわーす、第五のアイドル技術官ルールーでぇ~す。アンちゃん元気ー?」

「は、はい! 元気です!」

「今からアンちゃんの特製FREYAの説明するんでぇ~、マジよく聞いててね」


 ルールーはアンにも理解できるよう、専門用語を噛み砕いて説明を始める。


 ということで、今さらながら皆が気になっているであろうアンの装備を紹介しよう。


 ――FREYA-AR(アンカー・レプリカ)。


 通称『FREYAR(フローラル)』。


 ベーススーツは、黒寄りの灰色。

 頭部はフルフェイスではなく、アンの可愛らしい顔を前面に出すための、視界の広い半透明バイザー。


 装甲は薄く、彼女のような非力な女の子でも全速力で走れるほどの軽量化が施されている。

 これはルールーの手腕によるもので、アン本人も大層気に入っていた。


 そして背中、マントの下には、花弁のように展開する浮遊ポッド接続基部が綺麗に折りたたまれて装着されている。

 これこそが、本装備において何より特筆すべき部分である。


 ――自律式浮遊補助ポッド、通称《トリリウムシスターズ》。


 ボタンひとつで3基のポッドを射出。

 それぞれが自律して稼働する、万能浮遊ポッドである。


 その機能は、大きく3つ。


 1つ目――探索。


 各ポッドがミラの探索における新たな観測基準点となることで、通常よりも遥かに広範囲を探知できる。

 さらに一般的な索敵だけでなく、緊急時には応急処置用の医療ポッドとしても使用可能。


 2つ目――防御。


 かなり強固なバリアを展開することができる。

 最大出力で3基が同時展開すれば、ドゥーの素の「罰劾(ばっがい)」ですらビクともしないほどの盾となる。


 そして最後――攻撃。


 アンの意識に呼応し、レーザービームを射出する。

 ただし通常威力はそこそこ。

 あくまで牽制用である。


 探索、防御、攻撃。


 3つの性能を兼ね備えた超ハイテクデバイスにして、ヘパーの自信作だ。


 ちなみに元々は、超長距離対物ライフルでも持たせて、遠距離から援護させる予定だったらしい。

 だが最終的には、ドゥーの案――というより、あの拙い絵に描かれていたアンらしき棒人間の周囲に浮いていた“何か”から着想を得たとのこと。


 つまるところ、FREYARはヘパーとルールー、そしてほんのちょっぴりドゥーの合作なのである。


 武装は以上。

 特に重いものは持たせず、あとは医療用キットとサバイバルグッズを装備。

 完全な後方支援に特化させたのが、アン専用のフル装備だ。


 ちなみに3つのポッドには、それぞれ名前がある。


 『EYE(アイ)』。

 『EAR(イヤ)』。

 『KNOWS(ノーズ)』。


 ちゃんと顔――「(╹◡╹)」まで表示されるので、アンは早々にペットのような愛着を持っていた。


「てことで、右手のガントレットのボタン押してみー?」

「こ、これですか?」

「それそれ」


 アンがボタンを押すと、背中の花弁が開き、3基のポッドが射出された。

 ふわふわとアンの周囲を浮遊し始め、まるで主である彼女の指示を仰いでいるかのようだ。


「あとはさっきの説明通りだから~。じゃ、しっつれい~♪」


 そう言うとルールーの声が遠ざかり、代わってカイの声が戻ってきた。


「お試しで、シスターズの探索機能を起動してくれないかしら? ってミラが言ってるわ」

「はい! トリちゃん、探索モード起動します!」


 するとポッドの表情が「(╹◡╹)」から「(╹▽╹)」へ変わる。


 3基は一度アンの頭上へ集まり、花弁のような陣形を組んで同期。

 直後、それぞれが別方向へふわりと散開していった。


「ミラ、どう?」

「凄いッス!! いつもの2倍くらい効率良いですよ、これ!!」

「ドゥーたちは確認できるかしら?」

「…………うーむ。これだけやっても、まだ見つからんッスねぇ~」


 ミラの通常探知は、執行官を基準点として最大半径約5キロを1秒に一度走査する、レーダーに近い仕組みだ。


 だがトリリウムシスターズを接続すれば、3基それぞれを新たな観測基準点として利用できる。

 これにより有効探知範囲はその倍――最大半径約10キロまで拡張。

 さらに走査間隔も大幅に短縮され、ほぼリアルタイムに近い高頻度で周囲を探知できるようになる。


 ただし、他のモードへ移行すると探索機能は停止する。

 探索、防御、攻撃を同時には使えないという、大きな欠点もあるので注意が必要だ。


 そんでもって、シスターズの探知機能をもってしてもドゥーらの反応はない。


 つまり少なくとも、アンを中心とした半径10キロ圏内にはいないということだ。


「アンちゃん、左手のデバイスにマップ送ったんで、それを参考に探索してくださいッス~」

「りょ、了解!」


「アン、よく聞いて」


 カイの声音が、少しだけ真剣なものへ移り変わる。


「これからあなたは単独行動になるわ。でも安心なさい。私たちがいつでも見張っているし、何よりシスターズが自動で迎撃してくれる。あなたはとりあえず歩いて周囲を探索してちょうだい。分かったかしら?」

「了解! 頑張りますっ!!」


 アンがピシッと敬礼する。

 シスターズも彼女の意気込みに呼応するように、「(`・ω・´)キリッ」という表情になった。


 初っ端から非常事態に陥った6.4合同執行部隊。

 かくして、唯一現在地まで特定でき、作戦室との通信も確保できたアンは、はぐれた執行官たちを探すため、前代未聞――初任務にして単独行動へ挑むことになった。


 相棒は、3つの小さな自律式ポッド――トリリウムシスターズ。


 彼女たちを引き連れ、アンの冒険が始まる。


「皆さん……待っててくださいね!」


【今回の用語まとめ】


■FREYA-AR《アンカー・レプリカ》

アン専用に開発された特殊仕様FREYA。通称『FREYAR(フローラル)』。

軽量化された灰黒色のベーススーツと半透明バイザーを採用し、アンの身体能力でも扱いやすい後方支援特化型として設計されている。

ヘパーとルールーが共同開発し、アン本人の特性に合わせて機動性と支援性能を重視している。背部には花弁状に展開するトリリウムシスターズの接続基部を備える。


■トリリウムシスターズ

FREYARに搭載された3基の自律式浮遊補助ポッド。

探索・防御・攻撃の3モードを持ち、アンの単独行動を補助する。ドゥーが描いたFREYA案の「周囲に浮く装備」も、着想の一部となった。


■EYE《アイ》

(╹◡╹)


■EAR《イヤ》

(╹◡╹)


■KNOWS《ノーズ》

(╹◡╹)ヨロシク


――――――――――――――――――――――――――――



ここまでお読みいただきありがとうございます('ω')ノ



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※AIの利用について:

・本作ではChatGPTとclaudeを、誤字脱字の確認、前話との整合性確認、アイデア整理、世界観管理の補助として一部使用しています。

・作品本文および物語の主要構成は、すべて作者自身が執筆・最終決定しています。

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