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転生監査機関RAC  作者: ぽんにむ
第二章「輪廻庁」2-1「ゥルル編」
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CASE.102「一難去ってまた一難?」

ご覧いただきありがとうございます。


※本作はカクヨム、noteにも掲載しています。

設定資料をご覧になりたい方はぜひnoteに訪れてみて下さい!!

https://note.com/ponym/m/mc8c9ad24eef6

「!!」

「隊”長”ーッ」


 三爪傷(スカーズ)の残る2人が、バルカンの吹き飛んだ方向へ走り去る。

 問題児が消え、その場に残ったのは、KNOWS(ノーズ)が放った小型レーザーの名残である桃色の粒子と、口をあんぐりと開けて佇む観衆だった。


「わぁーKNOWS(ノーズ)、やりすぎだよぉ~! ちょっと吹き飛ばすだけでよかったの~」

「( ・∇・)?」

「“?”じゃないよ!」


 想定よりもバルカンが大きく吹き飛んだため、アンはおろおろと慌てている。

 するとそこへ、1人分の拍手が聞こえてきた。


「アンねーちゃん、すご~い!!」


 ゥルルであった。

 両手をぶんぶんと大きく打ち鳴らしながら、全力の拍手でアンを称えている。


 観衆は互いに顔を見合わせると、ゥルルにつられるように拍手を始めた。


「すごいぞ、アンちゃーん!」

「やるじゃねーか嬢ちゃん!! 後で俺の店に寄ってくれよな!!」

「あ、テメエずるいぞ!? アンちゃん、俺の店にも来てくれや!」


 拍手の中へ歓声や指笛も混じり始め、やがて昨晩と同じ規模の人だかりから、アンを称える声が一斉に上がる。

 アンは頬を赤くし、「えへへ……」と照れの混じった笑顔を浮かべた。


 頃合いと見たのか、先ほどまですっかり引っ込んでいたヘロメロスが、ここぞとばかりにアンへすり寄り始める。


「いやー参った。まさかアンちゃんが、ここまで強ぇーとは……! へへへ……」

「強いのは、わ、私じゃなくてシスターズです……」

「(✧≖‿ゝ≖)」「(✧≖‿ゝ≖)」「(✧≖‿ゝ≖)」


 シスターズはドヤ顔で、アンの周囲を浮遊する。

 その3体を、ゥルルや、特に鍛冶師などの技術職人たちが、興味津々に目で追っていた。


「いやいや、お見それしました! んでよ、アンちゃん」

「?」

「ここだけの話、俺と組まねえか?」

「???」


 ヘロメロスは、周囲に聞こえないようアンへ囁く。

 だが近くでシスターズを眺めていた大衆の1人が、それを聞きつけた。


「おい、ヘロメロス!! お前、アンちゃんを使ってなんか企んでんだろ!」

「チッ、地獄耳が……べ、別に何もねーよ!!」

「嬢ちゃん、これアンタの使い魔かい?」

「こんなモンスター、見たことねぇ。というか、生き物かコレ?」


「(¯•ω•¯)」「(¯•ω•¯)」「(¯•ω•¯)」

「ふ、ふええ……?!」


 次々と、シスターズと彼女らが見せたバリアやビームについて、クルキブリの職人たちが矢継ぎ早に尋ね始める。

 アンは四方を人に囲まれ、たまらずSOSのハンドサインを作戦室へ送った。


「アンちゃん、一応言っておきますけど、こっちの装備の詳細とか言っちゃダメッスからねぇ~」

「……」


 アンはこくこくと顔を縦に振り、了解の意を示す。


 とはいえ、これまでにも何度か口を滑らせている。

 そもそも戦闘前に、自分が「基底界(インタースペース)人」であることを、勢いに任せて口走ってしまったばかりなので、全く信用できない。

 ミラは少々アンが心配になり、それと同時に、自分よりもポンコツな人物がいたことで、少しだけ先輩らしく振る舞えていることに満足していた。


「アンねーちゃん、そろそろ行こ~」

「あ、そうだった。“ギルド”に行くんだった……」

「そうか、2人はギルドに行く途中だったのか……そりゃ、えらい面倒事に巻き込まれたな。どれどれ……せっかくなら、俺が案内を――」


「――その必要はない、ヘロメロス」


 聞き慣れぬ、胸の内にまで響くような低い声。

 甲冑越しに発しているかのように、やや籠もっていながらも、確かな貫禄を宿した声だった。


 ヘロメロスは表情を一変させ、ばっと振り返る。


「げっ、オメエは!」

「フン……随分と今日は稼いだようだな。相変わらず惚れ惚れする金魚の糞っぷりだ」


 大衆が道を開ける。

 その先には、重厚なフルプレートを纏った集団が並んでいた。

 そして中央には、ひときわ異質な存在感を放つ者が立っている。


 ヘロメロスは、先ほどのアンとバルカンの決闘で勝ち取った掛け金を、いそいそとポケットへ詰め込んだ。


「ク、『クストーディス』……なんでこんなところにいやがるんだ。オメエはドクの旦那のお付きだろうが」

「お前に説明する筋合いはない。そして、“ドクの旦那”ではない。ギルド長と呼べ」

「ケッ!!」


 ヘロメロスは、クストーディスの足元へ唾を吐く。

 一方、彼は意にも介さず、ヘロメロスの横を何事もなかったかのように通り過ぎ、歩を進める。


 向かう先は、アンとゥルル。


 改めて見ると、傷だらけのフルプレートであり、身体のあちこちに装備や武器を、幾重にも巻いたベルトで携帯している。

 まさに、狩人(スレイヤー)を象徴するかのような姿である。


「ほわわ……」

「あー、クストーディスさん!」


 その巨体と装いによる威圧感に、アンは怖気づいてしまう。

 一方、ゥルルはぴょんぴょんと跳ねながら、クストーディスの方へ走っていった。


「息災で何よりだ、ゥルル殿」

「元気だよー!! わあ、また武器増えたね!」

「フ……これもクルキブリを守るためだ」


 重装備の大男と、小さな子供。

 見た目のあまりの温度差に風邪を引きそうになるが、2人は他愛のない世間話を交わしている。


「あ、そうだそうだ。紹介するね。この人はアンねーちゃんだよ!」

「ほう……」

「あ、あああアンですゥ!! 特殊第六執行部隊のアンです!!」

「ほ、ほう……?」


「(´-ω-`)」「(´-ω-`)」「(´-ω-`)」

「アンちゃん~~~~ッッ!!」


 アンは敬礼し、びしっと姿勢を正す。

 盛大に身分を暴露され、作戦室では全員が、漫才のようにどっとずっこけた。


「貴殿か。バルカンを吹き飛ばしたのは……」

「えっ!? ごごごごめんなさい!!」

「いや、案ずるな。あの程度の落下で死ぬほど、我ら狩人は軟ではない」


 クストーディスが指を差す。

 その方向には、彼が率いてきた団員の2人が、バルカンを抱えていた。

 すっかりぐったりと伸びており、おろおろと三爪傷(スカーズ)の残る2人が治療に当たっている。


「アンねーちゃんにも紹介するね! この人はクストーディスさん。クルキブリで、ロンおじちゃんの次に強い狩人だよ!!」

「ほへぇ……は、初めまして……」

「うむ……いずれ私も、ロンショウ殿と肩を並べたいものだな。精進あるのみだ」


 クストーディスは顎を擦り、照れているのか悔しがっているのか、よく分からない仕草を見せる。

 そこへ、団員の1人が近づいてきた。


「団長、そろそろ……」

「ああ、そうだな。ご苦労」


 団員が去ると、「ン”ン”」とクストーディスが咳払いする。

 そして、モードが切り替わったかのように、低く響く声で宣言した。


「アン殿」

「は、はい!」

「ギルド長、及び長老がお呼びだ。ご同行願おうか」


 ちょうど良かったと喜ぶゥルル。

 ヘロメロスも案内役のお株まで奪われ、大きくため息をついた。


 周囲の人々も、アンがギルドの最高位に呼ばれたことに、良い意味で驚いているようだ。

 だがアンは、少しだけこの展開に不安を覚える。


 なぜなら彼女の異能が、クストーディスの心中に潜む――“野心”にも似た、妙に熱を帯びた感情を拾っていたからだ。

【今回の用語まとめ】


■クストーディス

重厚なフルプレートと多数の武装を身につけた狩人(スレイヤー)。

クルキブリではロンショウに次ぐ実力者とされ、部下からは「団長」と呼ばれている。ゥルルとも旧知の仲。



――――――――――――――――――――――――――――



ここまでお読みいただきありがとうございます('ω')ノ



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※AIの利用について:

・本作ではChatGPTとclaudeを、誤字脱字の確認、前話との整合性確認、アイデア整理、世界観管理の補助として一部使用しています。

・作品本文および物語の主要構成は、すべて作者自身が執筆・最終決定しています。

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