↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/11

第9話:泥を啜るゴリラの決意と、崩壊したパーティーの末路(ゴリラ視点)

「……お願いよゴリラ、もうやめて!」


遠征軍の出陣式を明日に控えた夜、王都の薄暗い自宅で【リンゴ】が俺に泣きついてきた。その顔は完全に生気を失い、かつて俺を魅了した瑞々しさは微塵もない。


「社畜町と戦うなんて無茶よ! あそこにはカフェインがいるのよ!? 昔の輝いていた、私たちのヒーローだったあいつが……! 今のボロボロなあんたじゃ、勝てるわけないじゃない!」


「うるせええええええええッ!!」

俺はリンゴを突き飛ばした。


「どいつもこいつもカフェイン、カフェインって、あいつの味方をしやがって! 俺を見ろ! 俺は王都最強の『しりとり』のリーダー、ゴリラだぞ! あんな『ン』の付く一発アウトのゴミに、この俺が負けるわけねえだろうが!」


突き飛ばされたリンゴは、床に伏せたまま、もう俺を見ようともしなかった。その目は完全に冷めきっており、心はとっくにあの『社畜町』へ飛んでいるのが分かった。


(あいつさえ……あいつさえいなくなれば、すべて元通りになるんだ)


翌朝、俺はきらびやかな鎧に身を包んだ新メンバーの【ラッパ】と共に、中央ギルド正規軍の先頭に立った。

パンツギルド長から預かった兵は三千。対する社畜町は、ただの労働者の集まりだ。数の上でも、武力の上でも、俺たちが圧倒している。


「いくぞ野郎ども! 辺境のゴミどもを踏みつぶし、カフェインを五体投地させて利権を強奪するぞ!」


「おおおおお……」


……兵たちの地鳴りのような勝鬨。

しかし、その声にはなぜか覇気がなかった。兵たちの顔は一様に青白く、あくびを噛み殺している。


だが、狂気に取り憑かれた俺の目には、そんな異常など見えていなかった。

待ってろよカフェイン。今度こそお前を歴史から消し去り、俺が世界の王になってやる!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。