第8話:ホワイト組合との最強同盟、そしてしりとり村の宣戦布告
「社畜町」の勢いは、もはや誰にも止められなかった。
カフェインの『脳内覚醒』で24時間フル稼働し、ビタミンの『完全栄養回復』で肉体の限界を完全に無視する。この狂気的な超近代都市の噂を聞きつけ、ついに隣の巨大勢力が動き出した。
「初めまして、カフェイン殿。私は隣村のギルド、通称【ホワイト組合】の代表だ」
最高級オフィスにやってきたのは、いかにも育ちの良さそうな、清潔感溢れるスーツを着た男だった。
「我が組合は、労働者の人権を保護する福利厚生の魔導具開発、および完全週休二日制の導入を進めている。ぜひ、あなたの『カフェイン飲料』を我が組合の流通網に乗せ、共同事業を組ませていただきたい!」
「ホワイト組合」との共闘――。
それは、社畜たちの圧倒的な作業効率に「最高の労働環境」というバフが加わる、まさに無敵の同盟の締結だった。
だが、このメガヒットビジネスの誕生を、あの無能たちが黙って見ているはずがなかった。
◇
「何がホワイト組合だ! 何が共同事業だァァァッ!!」
王都のギルド室。ギルド長【パンツ】は、あまりの怒りに高級な絹のローブを破り捨てんばかりに激怒していた。
「辺境のゴミめ! 我々を差し置いて、そんな巨大な利権を独占するなど言語道断! あのカフェインの富も、ホワイト組合の流通網も、すべて我が中央ギルドが管理すべきものだ!」
「ギルド長!」
部屋の扉を押し開け、血走った目のゴリラが飛び込んできた。
「俺に兵(遠征軍)を率いさせてください! あの『社畜町』を武力で踏みつぶし、カフェインを力ずくで引きずり戻して、利権をすべて奪い取りましょう!」
「よし、許可する!」
パンツギルド長が不敵に笑う。
「しりとり国の正規兵をすべて貴様に預ける。文字の繋がりすら守れない辺境の無法者どもに、王都の、そして『しりとりルール』の恐ろしさを骨の髄まで教えてやるのだ!」
こうして、しりとり国は「社畜町」へ向けて、正規軍の進軍を開始した。
国を揺るがす大戦争の火蓋が、ついに切って落とされたのである。




