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変わった趣味を持つ人々を紹介する番組!「カワシュミの館」  作者: 末紀世(まつきよ)


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日傘男(魔王)

世の中には、理解できない趣味を持つ人々が存在する。

 理解されたいのか。

 はたまた、理解されたくないのか。

 それとも、ただ見てほしいだけなのか。


 ここは——

 変わった趣味を持つ者たちが集う場所。


 『カワシュミの館』


「司会は私、館主の——」


黒岩ぐろいわです!」


「そしてアシスタントの——」


「はい!!

** …言わせないぞw絶対!!アシスタントのくせにでしゃばるなw**



** 次のカワシュミはコイツ!」


 男が現れる。


 黒い服。

 黒いマント。

 そして——


 日傘。


 堂々と差している。


闇影やみかげ 魔王次郎と申します。

** 46歳。」


 黒岩、

 すでに眉間にしわ。


「……」


「まず聞くけど」


「それ」


「日傘だよね?」


 男、

 ゆっくりうなずく。


「はい」


「闇を生み出すための装置です。」


 沈黙。


 ……


 ……


 黒岩、

 カメラを見る。


「ちょっと何言ってるかわからないw」


 スタジオ、

 ざわつく。


「では」


 男、

 日傘を高く掲げる。


 照明の下。


 床に——


 くっきりした影。


 男、

 その影を指差し


 声を張り上げる。


「我こそは暗黒の魔王だ!!」


「ぶわははははは!!」


 スタジオ、

 一瞬静まる。


 黒岩、

 腕を組む。


「……」


「それで?」


 男、

 ポケットから取り出す。


 コーラ。


 2リットル。


「この影を使い」


「アリどもに」


 一拍。


「恐怖を与えます。」


 黒岩、

 顔をしかめる。


「どうやって?」


 男、

 胸を張る。


「巣に流し込みます。」


 スタジオ、

 静まり返る。


「年間」


 一拍。


「500リットルほど。」


 沈黙。


 ……


 ……


 黒岩、

 完全に呆れる。


「……」


「ちょっと」


「何言ってるかわからない」


 今回は

 ゆっくり2回目。


 男、

 誇らしげ。


「アリが慌てて出てくるんです」


「その時」


 日傘を広げて——


 影を大きくする。


「魔王が来たぞ!!

** ぶわははははは!!**」


 黒岩、

 天を仰ぐ。


「……」


 一拍。


「楽しいの?」


 男、

 即答。


「非常に。」


 黒岩、

 ゆっくりカメラを見る。


 ……


 ……


「……かはぁーーっ……」


 今回は

 呆れと疲労。


「川口」


「はい」


「つまみ出せ」


「どうぞ!!」


 川口が、

 やっこ(冷奴)

 を差し出す。


 ネギがのっている。

 しょうがも添えてある。


 黒岩、

 それを見る。


 一拍。


「……」


「冷えてんな」


「つまみだせと……」


「豆腐は好きだが今じゃない!!!」


 その時——


 スタジオの床に


 照明の影。


 男、

 素早く日傘を差す。


 影が大きくなる。


 そして——


「我こそは暗黒の魔王だ!!」


 スタッフの足元に向かって


 ペットボトルを傾ける。


「おい!!」


 黒岩、

 慌てて止める。


「スタジオでやるな!!」


 ——ここでCMが入る。


 *


 CM明け。


 川口が

 なぜか

 日傘を差している。


「えぇ、いかがだったでしょうか?」


 黒岩、

 疲れた顔。


 カンペを見る。


「次回は——」


 一拍。


「自分の影に自己紹介する男」


「おおおお!!」


「楽しみですなーー!!」


「また来週!!」


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