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変わった趣味を持つ人々を紹介する番組!「カワシュミの館」  作者: 末紀世(まつきよ)


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17/26

小石に名前を付ける男

世の中には、理解できない趣味を持つ人々が存在する。

 理解されたいのか。

 はたまた、理解されたくないのか。

 それとも、ただ見てほしいだけなのか。


 ここは——

 変わった趣味を持つ者たちが集う場所。


 『カワシュミの館』


「司会は私、館主の——」


黒岩ぐろいわです!」


「そしてアシスタントの——」


「はい!!

** それではぁあ?(川口っd**




ふぼっ!!シュッ!!

ババっ!シュッ!!



** 次のカワシュミはコイツ!」


 男が現れる。


 胸元に

 小さなポーチ。


 とても大事そうに

 抱えている。


石守いしまもり 守男(しゅなん)と申します。

** 52歳。」


 黒岩、

 ポーチを指さす。


「それ何?」


 男、

 優しく微笑む。


「きへへw家族です。」


 沈黙。


 ……


 ……


「……はぁ?」


 男、

 ゆっくりポーチを開ける。


 中には——


 小石。


 丸い。

 少し白い。

 どこにでもありそう。


 男、

 愛おしそうに言う。


「この子は」


 一拍。


「きへへwタケシです。」


 スタジオ、

 静まり返る。


「で、こっちが」


 別の石を取り出す。


「けっほほwユミ。」


 さらにもう一つ。


「ゴンザレス。」


 黒岩、

 完全に固まる。


「……」


「名前つけてるの?」


「はい」


「毎日話しかけてます」


「何て?」


 男、

 優しい声で言う。


「今日もいい石だね」


 スタジオ、

 ざわつく。


「外にも連れて行きます」


「旅行も?」


「はい」


「温泉も?」


「はい」


 一拍。


「露天風呂は喜びます。」


 黒岩、

 天を仰ぐ。


「……」


 一拍。


「逃げたりしない?」


「しません」


「文句言わない?」


「言いません」


「飯も食わない?」


「食べません」


 黒岩、

 ゆっくりカメラを見る。


 ……


 ……


「……かはぁーーっ……」


 今回は

 半分ため息、半分優しさ。


「川口」


「はい」


「つまみ出せ」


「どうぞ!!」


 川口が、

 カツオ藁焼き

 を差し出す。


 黒岩、

 それを見る。


 一拍。


「ワラビーか!おれは!(嬉しくて)意味不明


「つまみだせと……」


「好きだけど今じゃない!!!」


 男、

 小石を

 そっとポーチに戻す。


 そして

 出口へ向かう。


 ドアの前で

 立ち止まる。


 ポーチに向かって

 小さく言う。


「行こう、タケシ。」(タケシじゃないヤツに)


 ——ここでCMが入る。


 *


 CM明け。


 川口のポケットから

 小石が一つ

 転がり落ちる。(タケシ)


「えぇ、いかがだったでしょうか?」


 黒岩、

 少しだけ静かな声。


 カンペを見る。


「次回は——」


 一拍。(タケシーーー!!!)




「喋る時喉をチョップしながら喋る男」


「おおおお!!」


「楽しみですなーー!!」


「また来週!!」






(タケシーーーー)


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