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変わった趣味を持つ人々を紹介する番組!「カワシュミの館」  作者: 末紀世(まつきよ)


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12/26

駅の改札で必ず敬礼をする男

世の中には、理解できない趣味を持つ人々が存在する。

 理解されたいのか。

 はたまた、理解されたくないのか。

 それとも、ただ見てほしいだけなのか。


 ここは——

 変わった趣味を持つ者たちが集う場所。


 『カワシュミの館』


「司会は私、館主の——」


黒岩ぐろいわです!」


「そしてアシスタントの——」


「はい!!

** それではぁあ?(川口ともうしまs**




…ボキッ!!



** 次のカワシュミはコイツ!」


 男が現れる。


 背筋が異様に伸びている。

 歩幅が一定。

 目が真面目すぎる。


海府かいふ 希雄(まれお) 27歳。

** アルバイトです。

** ご苦労様です。」


 すでに面倒くさい。


「んでわぁ?

 あなたのー?

 変わった趣味、ワッツ!?」


 男、

 姿勢を正す。


 一拍。


 右手が上がる。


 そして——


「そーんじょそこらのっ!!」


 ビシッ。


 敬礼。


 スタジオ、ざわつく。


「……はぁ??」






 黒岩、

 素の声。




海府「改札を通るたびに

 敬礼するのが趣味です。

 ご苦労様です。」


「誰に?」


「改札にです。

 ご苦労様です。」


「……」


「毎回?」


「毎回です。

 ご苦労様です。」


「混んでても?」


「混んでてもです。

 ご苦労様です。」


「急いでても?」


「急いでてもです。

 ご苦労様です。」


 黒岩、

 もう疲れている。


「理由は?ご苦労さんwぶっwww」


 男、

 胸を張る。


「そんじょそこらの機械じゃないからです。

** ご苦労様です。」


 沈黙。


 ……


 ……


 黒岩、

 ゆっくりカメラを見る。


 ……


 ……


「……かはぁーーっ……」


 かなり深い。


「川口」


「はい」


「つまみ出せ」


「どうぞ!!」


 川口が、

 縮まないニラチヂミ

 を差し出す。


 まだ熱い。


 湯気が出ている。


 黒岩、

 それを見て言う。


「……」


 一拍。


「本当に縮まないな。」


「つまみだせと……」


「うまそうだが今じゃない!!!」


 海府 希雄(かいふまれお)

 静かに出口へ向かう。


 扉の前で立ち止まる。


 一拍。


 振り返る。


 姿勢を正す。


 そして——


「そーんじょそこらのっ!!」


 ビシッ。


 敬礼。


 扉に向かって。


「ご苦労様です。」


 ——ここでCMが入る。


 *


 CM明け。


 川口の口に靴がねじ込まれている。




「えぇ、いかがだったでしょうか?」


 黒岩、

 かなり疲れた顔。


 カンペを見る。


「次回は——」


 一拍。


「郵便ポストに毎回謝る女」


「おおおお!!」


「楽しみですなーー!!」


「また来週!!」


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