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魔力『1』から始まる異世界ライフ  作者: さぐろ
一章 異世界

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第七話 告白

 テルさんの助言もあり、俺は今日の夜、父さんと母さんに魔法のことを打ち明けることに決めた。


「あのさ、父さん……今夜、母さんと三人で話がしたいんだけど」

「ん? 構わんが、どうかしたのか?」

「いや、悪いことじゃないんだけど……」

「そうか。なら母さんには俺から言っておく。それまでしっかり剣術の練習に集中しなさい」


父さんと母さんは、どんな反応をするのだろうか。喜んでくれるだろうか、それとも不気味がられてしまうのだろうか。


「――こら、稽古中に考え事なんかするんじゃない」

「ご、ごめんなさい!」

「ハッ、話が何であろうと、俺と母さんはいつだってお前の味方だからな」

父さんは本当に優しい。不安を吹き飛ばすためにも、今は稽古に集中しよう。


稽古を終えて夕飯を食べ、ついにその時がやってきた。


「ロイ、そろそろ話を聞かせてくれるか?」

父さんに促され、俺は意を決して頷いた。


「父さん、母さん……実は僕、魔法を使えるんだ」


静寂が室内を包む。ほんの数秒の沈黙が、果てしなく長く感じられた。


「……やっぱりそうだったか」

父さんは驚く風もなく、落ち着いた声で言った。

「え……気づいてたの?」

「なんとなくな。なぁ、母さん?」

隣の母さんも、優しく微笑みながら頷いた。


「リロちゃんと練習しているところを見た時、ロイの手から小さな光が漏れてるのを見かけていたのよ。お父さんと相談して、ロイが自分の口から話してくれるまで待とうねって決めていたの」

そう言って、母さんは俺の手を温かく握りしめてくれた。


「なんで……聞かなかったの?」

「私たちが家族だからよ」

「親ってのはな、息子が小さな隠し事をしていても愛するものなんだ。だから何も追及しなかった。それだけさ」


「隠してて……ごめんなさい」

「謝ることなんてない。それに、魔法が使えるなんて最高の知らせじゃないか!」

父さんたちの温かい言葉に、偽りは一切なかった。胸の奥が熱くなる。


「はいはい! こんな辛気臭い空気は終わりにしましょ! おめでたいことなんだから、パッと明るく行きましょ!」

「そうだな! ロイ、使える魔法を何か見せてくれないか?」

父さんたちの期待に応えるため、俺は小さな炎を掌に浮かべた。


「ファイヤーボール」

「まあ、すごいわロイ!」

「よくやった!」

二人は俺の頭をこれでもかと撫で回してくれた。


⭐︎


両親に打ち明けてから一週間が経った。

俺の生活は大きく変わることもなく、穏やかな日常が続いていた。


朝は相変わらずリロに起こされ、二人で大木の広場へ向かう。

この一週間、テルさんに言われた通り「最後まで強く成功をイメージすること」を意識してヒールの練習を重ねていた。


「今日こそ、完璧に成功させたいな……」

意気込んで、枯れた一輪の花に手をかざす。


「――ヒール」


(イメージ、意識、集中……最後まで切らすな!)

脳裏に咲き誇る花の姿を鮮明に描き続ける。

すると数秒後、茶色く萎びていた花が瑞々しい緑を取り戻し、綺麗な大輪の花を咲かせた!


「で、できた……!」

「えぇっ!? すごいよロイ! パパに教わってすぐにできるようになっちゃうなんて!」

自分以上に、リロがピョンピョン跳ねて喜んでくれた。

よし、この感覚を忘れないうちに、もっと早く発動できるように特訓だ!


「ヒール!」


これで三十回目。発動速度はまだ遅いけれど、明確なコツは掴めてきた。


「どうやら、すっかりコツを掴んだみたいだね」

「うわぁっ!?」

びっくりした……。テルさんは本当に足音もなく静かに現れる。

「はい! テルさんのおかげで、ちゃんと治せるようになりました!」

「よかったよかった。それじゃあ次は、回復魔法以外の新しい魔法を教えてあげようか」

「本当ですか! お願いします!」

「いい返事だね。ロイ君は、どんな魔法が使いたいかい?」


異世界ファンタジーと言ったら、やっぱりあの魔法一択だろう!


「ものを自由に出し入れできるような魔法って、あったりしますか?」

「ものを出し入れする魔法、か……」


テルさんはあごに手を当て、深く考え込んでしまった。この世界には存在しないのだろうか?


「……あ、なかったら全然大丈夫なんですけど」

「いや、『アイテムボックス』と呼ばれる空間魔法ならあるにはあるんだ。ただ……あれは構造が複雑で、習得が相当難しいんだよ。一人で扱えるようになるまで、最低でも一年はかかる。ロイ君にできるかどうか……」


やっぱりあるんだ、アイテムボックス!

一年か……一見長く思えるが、空間収納の便利さを考えれば一年の修行なんて安いものだ。

「教えてほしいです! 頑張ります!」

「決まりだね。それじゃあ、練習は明日から始めよう。ロイ君用のメニューを考えてくるよ」

テルさんは優しく笑うと、家の方へと戻っていった。


「もー! ロイ、お話長ーい! 最近全然リロと遊んでくれないじゃん!」

放置されていたリロが、ぷくっと頬を膨らませて腕を組んでいた。

「ごめんごめん! これからの練習の話をしてたんだよ」

「これからは、忙しくても絶対にリロとお話ししてよねー!」

「わかった、わかったから」


その後の練習の合間、怒るリロとたくさん話をした。リロはすぐに機嫌を直し、満面の笑みを見せてくれた。


……ちなみに、リロも最近ヒールの練習を始めたのだが。

彼女は驚異的なセンスを発揮し、なんとたった二日でヒールを完全にマスターしてしまった。

俺の一週間の努力は一体……。


一方、父さんとの剣術稽古も着実に進んでいた。

指導された通り瞑想を繰り返すうちに、体の中を流れる気の感覚が感覚的に掴めるようになってきたのだ。

父さんのように目にも留まらぬ一撃はまだ打てないが、以前よりも遥かに鋭く、重い剣が振れるようになってきている。


魔法も、剣術も、少しずつできることが増えていく。

俺は異世界での成長に、確かな手応えと充実感を得ていた。

お読み頂きありがとうございます!アドバイス等ありましたら、お書きいただけると喜びます。

ついに家族に打ち明けたロイは、新たな魔法を習得しようとしています。「アイテムボックス」これがこっちの世界にもあれば相当楽になりそうですよね……欲しい

次の話もぜひお読みください!

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