第二十三話 競技大会②
「「カルフの戦闘不能を確認! 勝者、ジャミ!」」
「「「おぉーーっ!」」」
客席にいるクラスメイトたちから、盛大な歓声と拍手が巻き起こった。
「や……やったぁ! 僕、勝ったよ!」
満面の笑みを浮かべたジャミが、駆け足で俺たちのもとへ戻ってきた。
「さすがだな、ジャミ」
「えぇ、自信を持って正解だったでしょう?」
「えへへ……」
俺たちから褒められたジャミは、頭の後ろに手をやりながら照れくさそうに笑った。
「「続きまして、次の試合を行います! 該当選手はステージへお上がりください!」」
「じゃあ、行ってくるわ」
クリスは自信に満ちあふれた表情で席を立った。
「頑張れよ」
「言われなくても勝ってくるわ」
木刀を手にしたクリスは、迷いのない足取りでステージへと歩き出した。
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数分後、何食わぬ顔でクリスが控え室へと戻ってきた。
結果は、クリスの圧倒的勝利。開始の合図と同時に間合いを詰め、一撃のもとに相手を沈めてみせたのだ。
「まさか、一撃で倒すとはな……」
「相手が弱かっただけよ。貴方にだってできるでしょう?」
さも当然と言いたげな顔で、クリスが俺を振り返る。
「あはは……」
返す言葉もなく、俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。
ジャミとクリスが連勝したことで、一試合目は俺たちの勝利で確定した。つまり、三試合目である俺の出番はない。
そして次は、アルドリヒたちの『Bチーム』の番だ。
「「それでは次の試合に移ります! 続いては——」」
俺たちは彼らの戦いを見るため、観客席へと急いだ。
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「「今回の勝負、四組の勝利です!」」
ラジュとイラが圧倒的な実力を見せつけ、アルドリヒたちの試合はあっという間に決着がついた。
「強いわね、あの二人」
腕を組みながら、クリスが呟く。
「あぁ、無駄のない洗練された技だったな」
二人の踏み込みと打突には、一切の迷いがなかった。
「アルドリヒの試合は見られませんでしたね……」
ジャミがどこか残念そうに肩を落とす。
「そうね。アルドリヒ……一体どのくらい強いのかしら」
クリスが顎に手を当て、思案するように呟いた。
アルドリヒは普段の実技授業にも出席しているが、素振りと筋トレを黙々としている。
その素振りから分かることと言えば、俺やクリスと同等以上の威力を秘めた鋭い剣を振るう、ということくらいだ。
選抜模擬戦の時も勝ち抜いてはいたが、とても本気を出しているようには見えなかった。いや、あれは……戦いづらそうだったか。
「「さぁ! 続きまして第二試合、二組と三組の対抗戦です! 該当選手はステージへとお進みくださーい!」」
俺たち平民クラスとは違う、高価そうな身なりをした生徒たちが控え室から姿を現した。
——————
「「よーい……始め!」」
貴族クラスの第一試合が始まった。
どちらの選手も隙がなく、美しい構えをとっている。
「はっ!」
基本に忠実な剣技。この学院で叩き込まれた知識を、最大限に活かした戦い方だ。
試合は譲歩のない白熱した展開を見せていた。
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とはいえ、貴族と言っても所詮は同年代の子供ということもあり、誰もが手も足も出ないほど強いわけではない。
それでも、俺たちのクラスで勝てる者は限られるだろう。
だが、二組のあの男——チェスノムの強さは別格だった。
同じ貴族クラスである三組の対戦相手を、いとも簡単に叩き潰してしまった。
「チェスノム……まさかあそこまでやるとはね」
クリスが不機嫌そうに腕を組む。
「あいつ、ただ態度がデカいだけじゃなかったんだな」
チェスノムは入学初日にジャミのカリーを横取りした男だ。入学してからの数ヶ月間、学院内でも良くない噂を何度も耳にしていた。
「そうだね……」
ジャミは思い出したように身を縮こまらせ、小声で呟いた。
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「「続きまして……休憩も兼ねまして、教員による一対一の模範試合を行います!」」
「「生徒の皆さんはその場で待機し、出場される先生方は控え室へ移動してください!」」
ウスター先生が興奮気味に魔道具へ声を張り上げた。
ブツッと通信が切れると同時に、客席の生徒たちが一斉にざわめき出した。
このイベントについて俺が知らなかっただけかとも思ったが、周囲の動揺を見る限り、どうやら生徒たちにとっては完全に想定外の出来事のようだ。至るところから驚きの声が上がっている。
しかし、隣のクリスだけは澄ました顔で平然としていた。
「……あの、もしかして知ってたんですか?」
「えぇ、勿論」
即座に返ってきた。
「貴族なら皆知っているわ。私もお父様から事前に聞いていたもの」
確かに、よく見ると困惑しているのは平民クラスの生徒ばかりだ。
教師同士の真剣勝負か……学べるものが山ほどありそうだな。
クリスとは反対側に座るジャミも、目を輝かせている。
「よし! しっかり見て、たくさん学ぶぞ!」
「うん!」
お読み頂きありがとうございます!
今回は短くなってしまって申し訳ないです……
次回は多めに書くようにします(希望)




