第二十四話 競技大会③
「「準備が整いましたので、教員による特別試合を開始します!」」
「「最初の試合は、一学年四組担当サリム先生と、五組担当のダリス先生です!」」
「「両者、ステージへお上がりください!」」
「サリム先生も出るんだね!」
ジャミが目を輝かせてそう言った。
「そうみたいだな」
気づけば、さっきまで後ろにいたはずのサリム先生の姿が消えていた。
「……四年前の大会では、サリム先生が準優勝だったみたいよ」
「二位……さすがサリム先生だな」
日頃のスパルタ指導から察してはいたが、やはり教師陣の中でも屈指の強者らしい。
「ちなみに、一位は誰だったんだ?」
「学院長よ」
「え!? 学院長も出るの!?」
ジャミが驚きの声を上げた。
「えぇ、毎年出場しているみたいよ」
俺たちがそんな話をしていると、サリム先生とダリス先生がステージへと上がり、木刀を手にして向かい合った。
「「それでは……よーい、始め!」」
試合が始まったものの、二人は互いに距離を保ったまま、じっと相手の隙を探っている。
「……意外と動かないんだね」
ジャミが呟いた数十秒後、ダリス先生が動いた。一気に踏み込み、サリム先生に向かって剣を振り下ろす。
しかし、その一撃はあっさりと防がれてしまった。
「すごいわね、ダリス先生のあの剣……すごく速いわ」
「それを難なく止めるサリム先生もさすがだな……」
目にも留まらぬ速さで振り下ろされた木刀を、サリム先生は最小限の動きで受け止めていた。
ダリス先生がサッと距離を取ると、二人は再び動きを止め、何やら言葉を交わしているようだ。
「何か話してるのかな……?」
ジャミが首を傾げる。
観客席からでは、二人が何を話しているのかまでは聞き取れなかった。
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〜熟練教師と新人教師〜
「「それでは……よーい、始め!」」
試合開始の合図とともに、両者は一定の間隔を保ち、静かに互いを牽制し合う。
タッタッタッ——
先に静寂を破ったのは、ダリスだった。
バシッ!
木刀と木刀が激しくぶつかり合う。
「っ——!?」
渾身の一撃を簡単に防がれたダリスは、即座にバックステップを踏んで間合いを取る。
「流石ですね、サリム先生。自分としては、かなり良い筋の打突が決まったと思ってたんですけどね……」
「……いい剣だったぞ。相手が悪かっただけだ」
「あはは、ありがとうございます。……それじゃあ、いきますね!」
ダリスは構えを直し、サリムに向かって素早く木刀を繰り出した。
「は!」
速さを重視した鋭い連撃がサリムを襲う。
「……軽いな」
サリムはポツリと呟くだけで、その怒涛の連撃をすべて完璧に防ぎきってみせた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
連打を浴びせたダリスの息が乱れ、肩が上下する。
「今度は俺からいくぞ。しっかりと防御しろ」
サリムが木刀を構えた。それは普段、授業で生徒たちに教えている基本の構えだった。
ドッ——!
重い足音と共に、サリムが豪快に踏み込む。
「はぁ!」
正面から放たれたシンプルな振り下ろし。その動作は極限まで無駄がなく、あまりの速さにダリスは反応こそできたものの、防御の体制をつくるのが精一杯だった。
衝撃を殺しきれず、ダリスは体勢を崩してその場に腰をつく。
尻餅をついたダリスを見下ろし、サリムは静かに口を開いた。
「速さは十分だが、少し威力が足りていないな。もっと筋肉をつけ、重い一撃を打ち込めるよう鍛錬しなさい」
サリムはすっと手を差し伸べ、言葉を続けた。
「しかし、素晴らしい試合だった。ありがとう」
「……あ、ありがとうございました!」
ダリスはその手を取り、恐縮しながら立ち上がった。
「「勝者、サリム!」」
「「白熱した見事な試合をありがとうございました!」」
「「「おぉーーっ!」」」
大競技場全体に、割れんばかりの歓声と拍手が響き渡った。
お読み頂きありがとうございました。
今回も少なくて申し訳ないです……明日もこのくらい投稿するので許してください……ごめんなさい。
まぁこの話は置いといて(?)、先生同士の試合、なんかいいですよね。学生の時にも先生が一緒にテスト解いてくれたり長距離を走ってくれたりしたら、なんだか楽しかった思い出があります。自分だけなんでしょうか……
まだまだ大会は続きますので、ぜひ次回もお読みください!




