発見文書 No.049
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発見文書 No.049
種別:MD書き起こし
記録者:阿部(記者)・K
日付:2000年8月13日 後半
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MD書き起こし 2000.08.13(後半)
【エラーループ終了後、録音再開。推定時刻:正午過ぎ】
【音声の質が前半と変わっている。室内の蝉の声が聞こえない。完全な静寂】
K: (続けるように) 時計塔に雷が落ちた瞬間、時間が円になりました。
阿部: (静かに) 円に。
K: 終点が始点につながった。川が環になった。だから1987年の8月13日は終わらない。毎年この日に重なってくる。
阿部: あなたたちは閉じ込められているんですか。
K: (少し考えてから) 閉じ込められている、という言い方は少し違います。ここにいることにした、と言う方が近い。
阿部: 「することにした」?
K: 先生は子供たちを一人にしたくなかった。子供たちも先生といたかった。両方の気持ちが重なって、夏が終わらなくなった。
阿部: それは——選んだのですか。
K: 選んだのか、選ばされたのか。あやちゃんの日記にも、千秋ちゃんの日記にも、その問いがありましたね。答えは——まだ出ていません。
阿部: 子供たちは今もそこにいるんですか。
K: いますよ。翔太くんも、美咲ちゃんも、大輝くんも。愛ちゃんも、拓也くんも、さやかちゃんも。みんないます。
阿部: 今、ここに?
K: 今、ここに。
阿部: (長い間) ……私には見えません。
K: 見えなくても、いますよ。
【ここで室外から「ドーン」という低い音が再び録音されている】
【阿部の息を呑む音】
K: (静かに) ほら。
阿部: ……何の音ですか。今のは——
K: チリン。
【風鈴の音が一回だけ。窓は閉まっている】
K: あやちゃんが日記を書き終えました。
阿部: 今、ですか。
K: 今。1987年の今。2000年の今。同じ今です。
阿部: (何も言えない。約二十秒の沈黙。阿部の呼吸だけ)
K: 阿部さん。
阿部: ……はい。
K: ここまで来てくれてありがとう。
阿部: (声が少しかすれている) ……取材ですから。
K: (静かに笑って) そうですね。
【録音終了】
フィールドノート 2000年8月13日 午後(断片)
録音を止めた後、しばらくKの部屋にいた。
時計はまだ3時33分を指していた。
俺の腕時計は動いていた。午後2時17分。正常に動いている。施設の時計だけが止まっている。
外が少し暗くなった気がして窓を見た。
空は青かった。
でも太陽が——
(ここで記述が途切れている)




