発見文書 No.033-補
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発見文書 No.033-補
種別:養護教諭による保健だより原稿(未発行)
日付:昭和62年8月20日(推定)
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祢古小学校 保健だより 夏休み臨時号(下書き)
※本文書は養護教諭・関根の机の中から発見された。 印刷・配布された記録はない。下書きのまま放置されていた。 赤ペンで一箇所だけ訂正が入っている(後述)。
保護者の皆さまへ
夏休み、いかがお過ごしでしょうか。
このところ、複数のご家庭から以下のようなご相談をお電話でいただいております。
・「子どもの食欲が落ちた。味がわからないと言う」
・「毎日同じ公園に行きたがる。理由を聞いても答えない」
・「夕方帰ってきても、何をしたか話さない」
・「友達の名前を聞いても『みんな』としか言わない」
・「夜中に起きて何かを書いている。見せてくれない」
いずれも夏バテの症状として説明がつくものですが、念のため以下の点にご留意ください。
一、水分補給をこまめに行ってください。
二、十分な睡眠時間を確保してください。
三、食事は本人の好きなものを中心に、無理なく。
四、お子さんの話をよく聞いてあげてください。
なお、6年1組担任の北村先生は、8月13日より体調不良のため休んでおります。先生の代わりに、教頭の渡辺がご相談を承りますので、お気軽に——
【ここで文書が途切れている。 「お気軽に」の後に続く文字はない。 ペンのインクが切れたのか、書くのをやめたのか、判断できない】
【赤ペンの訂正箇所】
「いずれも夏バテの症状として説明がつくものですが」の横に、赤ペンで
「説明がつきません」
と書かれている。筆跡は北村ひろみのものと一致した。
北村は8月13日から「体調不良のため休んで」いた。休んでいた教師の赤ペンが、学校に残っている養護教諭の原稿に入っている。
【浅川静・編集注】
保護者からの相談の内容が、子どもたちの日記の変化と完全に一致する。「食欲が落ちた。味がわからない」は食事描写の消失。「友達の名前を聞いても『みんな』としか言わない」は主語の均質化。「夜中に起きて何かを書いている」は日記を書いていたのだろう。
保護者は気づいていた。気づいていて、「夏バテ」だと思おうとしていた。養護教諭も「説明がつく」と書こうとしていた。
赤ペンが「説明がつきません」と訂正した。




