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能ある夫は爪を隠す  作者: 神月いろは


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48.花嫁衣装

実家に戻り休む前にお茶を飲みながら話をし…

「ガチガチに身構えて損した。いい人達だったね」


母の淹れたほうじ茶を飲みながらそう言うと、とても嬉しそうに微笑む母。夫は先生がいい人で安心だと言い目線は父親だ。

色々話しながら2人がここで住む為にリフォームが必要になると話し、3人で意見を出し合う。

そして夫が小腹が空いたと言うと、母が冷凍おにぎりを温めてくれ私も一つ食べる。母は冷蔵庫からお漬物を出しながら


「香里は直樹君と話してから、スッキリした顔をしてるわね。吹っ切れたのかしら」

「うん。正直娘としては寂しいけどね、お母さんの新しい家族を見て私の家族の幸せを考えたの」


そう言うと夫の瞳から涙が溢れた。私はハンカチで涙を拭ってあげる。そして視線を合わせて


「私の条件は撤回する。家族皆んなでクラトスカに行こう」

「香里さん…」


子供の様に私に抱き付き声を殺して泣く夫。私は大きな夫を抱きしめる。母と目が合うと母も目を赤くし泣いていた。

そんな2人を見ながら気持ちが定まった私は、これからやらなければならない事を考えていた。


『まずは一番に今まで迷惑をかけた井鷺氏に連絡だなぁ…』


そう思いながら夫と母を宥めていた。一頻り泣いた2人はスッキリした顔をしている。ここで永人が起きてきて、私が食べ残したおにぎり食べ


「皆んな明日早いんだよ。大人でも早く寝ないと」


7歳児に注意され夫と私は順番お風呂に入り休んだ。


翌朝。起きるとまだ7時なのに先生が来ていた。先生は私達と少しでも話がしたい様でさっき来た様だ。母はご機嫌で朝食の準備をし、先生が配膳をしている。そして起きてきた永人も着席し皆んなで朝ごはんを食べる。

食べ終わると永人は朝の教育番組を観るためにリビングに行き、私は先生に夫の故郷行きを決めたと話した。先生は穏やかな表情で私の話を聞き


「雅ちゃんから引っ越すには準備に時間がかかると聞いている。出来れば引っ越すまでにまた遊びにおいで」

「はい。また調整して来ます」


そう言うと先生はとりあえず年末の披露宴に来て欲しいと言い、招待状を送ってくれるそうだ。

先生が話していると母は母を染め先生を見つめる。もー甘々な二人にこっちが恥ずかしくなる。本当に幸せなんだなぁ…そう思っていて


「お母さん。ウェディングドレスは着ないの?」

「こんなおばあちゃんが着たら笑われるわ」

「僕も着て欲しいと言っているんだけどね」


そう言い渋る母にドレス着用を勧め、ネットでシニア向けのドレスを探す。こうしている間に帰る時間になり慌てて帰り支度をする。


「また来るね」


そう言い駅まで別れを惜しむと、母が私に抱き付き


「香里…ありがとう。香里も幸せになりなさい」

「うん。お母さんに負けない位幸せになるわ」


こうして笑顔で別れ、1日かけて自宅に戻った。


そして翌日…ノートPCと睨めっこして…



お読みいただき、ありがとうございます。

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