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能ある夫は爪を隠す  作者: 神月いろは


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45.不審者?

実家に不審者?

「いらっしゃい」

「おじいちゃん!おばあちゃん!」


最寄駅に着くと先生と母が出迎えてくれる。永人は母に駆け寄り抱きついた。嬉しそうな母を見つめる先生の眼差しは甘く側で見ているこっちが恥ずかしくなる。


「雅ちゃん皆んな移動で疲れているから行こう」


こうして先生が運転する高級外車で実家に向かう。実家着くと食事が用意されており、先生も一緒に食事をする。永人は食べるより母と先生とのおしゃべりに夢中。先生はお孫さんが思春期で話しをしてくれなくなり、寂しく思っていたそうだ。だから永人と話すのが楽しくて仕方ないみたい。

先生と母が聞いてくれるから饒舌な永人は学校の事を話し出し…


「副担の先生がお休みになって、かっこいい男の先生になったんだ」

「「!」」


内緒と言っていたのに自ら暴露してしまった永人。夫が空気を変える。微笑みを私に向け聞いてないと言い耳元で


『夜に香里さんの体に聞くよ』

「!」


不敵に微笑む夫に苦笑いすると、気付いた永人が焦った顔をして私を見る。私は微笑んで大丈夫だと言うと、必死に夫に別の話題を振る永人。

そして何かを察した母がデザートの果物を出し、やっと夫が穏やかになり無事?食事を終えた。


「移動で疲れたでしょう。早く休んでくださいね。明日9時ごろ迎えに来るよ」


先生はそう言い帰って行った。こうしていつもより早い時間に休む事にした。

そして翌朝母と朝食の準備をしながら色々話していると母が


「さっき新聞を取りに行ったら、門扉前に若い男の人がいて驚いたの。見た事ない人でこの辺の人じゃないと思うの。不審者かしら…怖いわ」


そう言い怖がっていた。その不審者の特徴を聞き、空港でぶつかった男性を思い出した。でもそんな訳ないと思いながらも嫌な予感に身慄いすると、起きてきて永人が後ろから抱きつく。


『空港であった人が同じ地で会うなんてゼロに等しい…よね!』


気にしない様にと母に言い朝食をテーブルに並べる。


あっという間に9時になり先生が迎えに来てくれ先生の自宅へ向かう。緊張MAXの私に気付いた先生が


「息子はぶっきらぼうで口調は冷たく感じますが、根は情深い子なので大丈夫ですよ」


そう言い気楽にしてくれと言う。そんな言葉で気が楽になる訳もなく、緊張した私を抱きしめる夫と私の手を握る息子。こうして緊張したまま先生の自宅に着くと真理子さんが迎えてくれた。

挨拶をし部屋に案内されると、先生によく似た息子さんが居て挨拶をしてくれる。挨拶を返そうとしたら


「親父。雅子さん。先に香里さんと話をしたい」


そう言い他の人は別室で待ってほしいと言い、先生と真理子さんが慌てる。すると息子さんは2人の事はもう認めていると言い、(私と)争う事はしないと約束した。


挨拶をして直ぐ2人きりで話なんて罰ゲームでしかない。私の不安が伝播した様で夫が同席すると言ったが、息子さんは許可しなかった。そして真っ直ぐ私を見据えて


「父と雅子さんの今後の為にも、香里さんとちゃんと話をしておきたい」


そう言い再度皆んなの退室とお願いした。その真剣な表情に緊張が解け、向き合うべきなのだと感じた。渋る夫を宥め永人に夫を任せ息子さんと対峙する。


お読みいただき、ありがとうございます。

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