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能ある夫は爪を隠す  作者: 神月いろは


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41.おじいちゃん

母の再婚に息子の反応が気になるが…

母の言葉に少し考えた永人。戸惑い情緒不安定になってしまうのではないかと心配すると…


「おばあちゃんと結婚するの?」

「したいと思っているけど、皆が嫌だったら…」


母がそう言うと永人は母の手を握り真剣な顔で


「父さんとママも大好き同士だから結婚しているの。おばあちゃんもそのおじさんが好きなら結婚しないと」


そう言い母に微笑んだ。そして少しはにかみながら先生に母と結婚を勧めた。そして先生が永人に視線を合わせ


「永人君のおばあちゃんは僕が幸せにするよ。だから応援してくれる?」

「うん。僕たちが沢山遊びに行けないから寂しいと思ってたけど、おじさんが一緒ならおばあちゃんは寂しくないね」


永人の言葉で色んな大人の事情がどうでもよく感じた。要は本人達の気持が大切なのだと7歳の息子に教えられた。とは言えここ(日本)を去ってしまう私は、再婚するまでに色々確認しておきたい事がある。

でも前向きに母の再婚を応援したくなった。母の再婚話に興奮気味の永人は少し考えて


「おじさんとおばあちゃんが結婚したら…えっと…おじさんは…おじいちゃんになるの?」


永人が遠慮気味にそう言うと、先生は頷き永人の頭を撫でた。すると素直な永人は先生をおじいちゃんと呼び喜んだ。どうやら永人のおじいちゃんフィーバーはまだ続いたいたようだ。和気藹々としていたらレストランの店員が入店するのか聞いた来た。慌てて5人で入店し楽しい朝食をいただく。


「僕たちは仕事があるからこの後帰るよ。昨晩3人で色々話したんだが、もし香里さんが良ければ来月の3連休にウチに来てくれないだろうか。息子にも会って欲しいし眞理子の介護施設も見て欲しいんだ」


本格的に動き出した先生。もう反対する気は無いが、今後の事は詰めて話したいから夫と相談し返事する事にした。食後のお茶を飲みなら先生と母の間で沢山話をし嬉しそうな永人を見て、自分の中の何かが変わり初めているのを感じる。それは嫌なものでは無く新たな道を進む感じ?だと思う。


こうして先生と娘さん…眞理子さんと食事をしホテルで分かれた。そして母を乗せて一旦家に帰る途中に井鷺氏から着信があった。恐らく夫の事だろう。こちらもちゃんと話し合わないと…


「永人。宿題と通信の課題を終わらせて来なさい」


そう言い永人を部屋に上げ母と話をする事にした。そして昨日聞けなかった笹川先生との再婚の経緯と、作成した結婚契約書と遺書の内容を聞く。聞いた感じ母に不利な条件は無く、常識的なない様で胸を撫でおろす。そして母は


「お父さんが亡くなってからは、強がりでもなんでもなく独りでいいと思っていたの。でもね大病をし誰にも頼れないと思った時に先生が寄り添ってくれてね。初めは同情からだと思っていたけど、真剣な思いを真っ直ぐに向けてくれてね。独りは嫌だと思ったのよ」


そう言い先生との事を話す母の顔がとても綺麗で、愛を感じるとこんな綺麗になるんだと感動した。そして母は先生が先に逝っても眞理子さんが最後まで一緒に居てくれると言い、全幅の信頼を置いていると話した。この言葉に安心半分と実の娘としては少しやきもちを妬いてしまった。

こうして母の本当の想いを知り私は母の再婚を受け入れた。でも…


「やっぱり笹川先生の息子さんが気になるから、ちゃんと会って話がしたいわ。だから来月の連休にそっりに行く。だから息子さんと会えるように調整して欲しいの」

「ありがとう。眞理子ちゃんに頼んでおくわ」


こうして来月の連休にまた田舎に帰る事が決まった。この後直ぐに課題を終えた永人がリビングに来て、田舎へ帰省が決まったと聞き、リビングで飛び跳ね騒がしくなり、母のその様子を微笑ましく眺めていた。

お読みいただき、ありがとうございます。

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