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第七話 攻防

 「フレイヤさん……」


 フィルもフレイヤの動きに合わせて戦闘態勢を整え構える。

 笑みを浮かべながら構えるフレイヤに対し、フィルは額に汗を浮かべながら構える。

 その姿は対照的であった。それもそのはず。

 フィルはサイレントフォース時代において、フレイヤとの模擬戦では一度も勝てた事がない。

 サイレントフォースを去ってからもフィルは魔物狩りや自分で訓練を行ってきたが、それでも到底フレイヤには及ばないと思っていた。


 「なんだ? そっちが動かないならこっちからいく……ぞ!」


 フレイヤが言葉を発した瞬間にフレイヤがいた場所から姿が消える。

 その光景を見て何が起こったのか分からずにキョロキョロとしているセラと対照的に、フィルは全神経を集中させ五感を働かせる。


 「!?」


 次の瞬間、フィルの後方から現れ拳を突き出してきたフレイヤの攻撃をフィルは振り返り身体を右に逸らす事で間一髪避ける。


 「ほぅ、まだ腕はなまってないようだ、なっ!」


 フレイヤはすかさず自分の能力である雷をフィルの上空から放つ。

 しかし、危険を察知していたフィルはフレイヤの拳を避けた瞬間に後方へ飛び雷を避けた。


 「まぁまぁだな、フィーーおっ!?」


 完全に主導権を握っていたと思っていたフレイヤの後方から炎が襲ってきた。

 しかし、それもまたフレイヤには当たらず両者の能力はお互いにダメージを与える事はなかった。


 「やるねぇ! 最初の攻撃を避けた時に能力を放って死角から狙うとは! ちょっと前より戦い慣れたんじゃねぇか?」


 フレイヤのいう通り、フィルは魔物達を多数同時に相手する事により戦い慣れていた。

 戦い慣れたというより、本能で感じとりいかに相手の行動を読み先をいくかというの自然と戦いの中で学んでいったのだ。

 そうでなければ能力者と言えど多数の魔物相手に容易に勝つ事は出来ない。

 フィルはそういった中で経験を積んでいたのだ。


 「フレイヤさんこそ。普通なら……いや、普通じゃないですもんね……」

 「ん? まぁな! ……もう少し相手してもらうぜ?」


 そうして二人は最初と同じような形で構えた。

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