第八話 成長
次の瞬間、フレイヤは雷の能力を発動させフィル目ががけて放つ。
しかし、フィルは本能的に攻撃を感じ取りその雷を後方に飛び躱す。
「いいねいいね!! サイレントフォースにいた時より成長したんじゃないか?」
フレイヤはフィルが成長している事を喜ぶように声を上げる。
「お誉めの言葉ありがとうございます……でも、油断しないでくださいよ!」
そう言った瞬間、フレイヤを囲むように四方から炎が迫る。
「おっ!?」
まさか、自分が気付かないうちにフィルの能力によって囲まれると思っていなかったフレイヤは驚きの声を上げる。
「危ない危ない」
しかし、サイレントフォースの副リーダーであるフレイヤはその状況にも関わらず、冷静に自分のスピードを持って炎が迫る前にその間を縫って炎の包囲網を脱出する。
「まだまだぁぁあああ!!!」
フィルの方もそれくらいでフレイヤを倒せるとは思っておらず、予め作っておいた隙間からフレイヤが脱出するのを予想しその進路へ迫る。
「……成長したな、フィル」
迫るフィルの右の拳よりも早くフレイヤの拳がフィルを捉えるかと思った瞬間、フィルの右の拳から炎の刃が伸びフレイヤとフィルの拳が交差してお互いかと少しで相手を捉えるところで止めた。
「フレイヤさんこそそのスピード反則ですよ」
フィルはフィルで自分の方が優勢な状態から五分の状態にもって来られた状況に苦笑するしかなかった。
本来であれば、自分の方が有利であり相手に降伏を勧める状態になるはずが五分。
改めて自分の所属していたサイレントフォースの副リーダーであるフレイヤの恐さを知ったのだった。
「まぁ、可愛い弟子の成長も見られたし話するか! そもそも俺の用はそれだしな!」
さっきまでの真剣な表情から一転、無邪気な表情になるフレイヤ。
本来なら自分が戦闘が終わりだと言っても相手がどう反応するか分からない状況で警戒を解くのは悪手だ。
しかし、フレイヤは警戒を解いた。
それは無警戒と言うより何が起きても自分なら対応できると言う自信の表れだろう。
そんなフレイヤの様子を見たフィルは警戒しながらも能力を解いた。
「話って何ですか?」




