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第九話 ハンターカード

 「まぁまぁ急ぐなって! まずは忘れないうちにこれだ!」


 そう言ってフレイヤは胸ポケットから何かを指で摘んで取り出しフィルに向かって投げる。

 フィルは自分に向かってきた物体を指で掴み取る。

 

 「ーーっ!? これは!?」

 「それはセフィ姉からだ」


 フィルがフレイヤから受け取った物はハンターカードだった。

 そこにはフィルの名前と『ランクA』と記されている。

 ランクAと言えばギルドで登録されるハンターの中で一番上のランクだ。

 生半可な実力でなれるランクではなく、Cランクで一人前と言われるハンターの中でほんの一握りしかなれないランクである。

 しかし、サイレントフォースに所属していたフィルにしてみればもちろんなれないランクではない。

 ただ、登録していればの話だが。

 今までは逃亡の身で居場所を特定されない為にハンター登録もせずいた。

 それがなぜか自分の名前で登録され、ランクAのカードとなって自分に渡されたのだからフィルが驚くのも無理ない。


 「なぜセフィリアさんが……?」

 「さぁな? あの人の考えてる事は俺にもわかんねぇよ。ただ、そこには退職金が入っている。おまえは正式にサイレントフォースを辞めた扱いになった訳。だから俺らが追う事もないし堂々と使えばいいの」


 フレイヤはそう言ってフィルに顔を近づける。

 ギルドが発行するハンターカードには通帳機能もあり、世界のどこのギルドでもお金を下ろす事が出来る。

 他にも通帳機能のある機関はあるが、ギルドは全世界に分布しており、どの権力からも一応は中立という形を取っており使い勝手の良さと安心面からハンター登録している者はみなギルドカードを利用している。


 「……でも、使えば居場所がバレるでしょ?」

 「フィルもよく頭が回るようになったな! まぁ確かに居場所はわかるけど、別におまえを捕らえてどうこうとは思ってないはずだぜ? それなら俺が今捕らえている」

 「……確かに」


 ギルドは中立と言っても、犯罪者関係の面やその他重要な案件については全世界政府から要望があれば重要性を精査して情報提供を行う。

 フィルはそれを危惧していたが、フレイヤの言う通り、捕らえてどうこうするなら今この場でフレイヤに捕まえられているはずであり、そう考えると下手に刺激するよりは素直に受け取った方が良いと判断しハンターカードを受け取った。

 それにお金の面でも退職金が入っているという事は当面の資金になるし、最悪お金を引き出した後でカードを破棄しても良いだろうと判断した。


 「……受け取ってくれるみたいだな。まぁランクAってのはセフィ姉の心遣いだろうし警戒なく使えよ! よし! 次はお嬢ちゃんに聞きたい事がある」

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