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第六話 来訪者

 「さて、そろそろ行くぞ!」

 「はい、隊長ぉ……でも痛いでありますぅ……」


 そう言ってセラは両頬を両手でさすりながらフィルの側に佇む。

 その姿は大人に怒られた子供のようである。それこそ、山奥の魔物が出るところにあるような光景ではない。

 魔物にしてもさっきのフィルの狩りにより危険を感じて遠くへ行ってしまっている為、この光景を目にする生物はいないのだが。


 「それは仕方ない! 行くぞ!」

 「そんなぁ〜!」


 フィルはセラを発言を気にも留めず歩きだし、それを追ってセラも歩き出す。

 少し冷たいフィルのようだが、討伐証明や肉、その他の荷物を全部持って歩いているところをみるとセラを気遣っているのが分かる。

 セラもそれを分かっているので、文句も言わず歩きだす。セラ自身が悪いところもあるのだが……。


 「!?」


 フィルは気配を感じ、立ち止まる。

 サイレントフォースに所属していたフィルは戦闘の中で磨かれた感覚で危険を察知する。

 明らかに魔物と違う気配をフィルは感じたのだった。


 「イタッ! フィル君急に立ち止まったら危ないじゃないですかぁ〜!!」


 フィルを追って歩き出したセラは急に立ち止まったフィルに対応出来ずにフィルの背中で鼻を打ち痛がりながらフィルに抗議する。

 フィルはそんなセラに構わずに周囲を警戒する。なぜならフィルが感じている気配は自分より強者の気配だったからだ。

 それこそなぜ今まで気配を感じなかったのか、それとも気配を殺せる程の手練れなのか。フィルは気配を探るのに集中する。


 「よっ! フィル久しぶりだな!」


 しかし、フィルの警戒をよそにその網にかかる事なく、突如なんの前触れも音もなくフィルとセラの前に人影が現れた。

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