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第一話 二人の生活

 「さて、お金を稼ぐか」

 「はい! 隊長!!」


 セラがさっきの無駄遣いしなければもう少しマシだったのにと思うフィルであったが、今さら言っても仕方ないと思い気持ちを切り替えている。

 そんなフィルとは裏腹にセラは歩きながらフィルに向き直り右手を額に当て、敬礼のポーズを取りながら返事する。

 昔は隊長と呼ばれる事もあったフィルだが、明らかに昔に呼ばれていたニュアンスと違うからかわれているような感じに怒りを覚えそうになるも、セラは至って真面目な顔をしている。

 そんなセラの姿に内心でフィルがため息をついて怒りを忘れたのは言うまでもない。


 二人は街を出ると、セラの提案に寄り気のまま風が流れる方向、南へ向かい歩いていた。

 二人は追われる身。

 行くあてもなくただただ自由気まま、それこそ野良猫のような生活をしている。

 ノースホルム王国は人口こそ少ないが街は多い。

 農作物や畜産物の流通の為には広大な面積を誇る国柄、主要都市を繋ぐ道のりは長い。

 その為、主要都市の間には小さな町がいくつも点在していて、人が道を半日も歩けば何らかの街に着く。

 そして、その街は主に商人相手に生活をしている為、店はある程度揃っている。

 追われているフィルとセラにとってノースホルム国は都合の良い条件が揃っていた為、街を渡り歩いて生活していた。


 そんな二人だが、避けてはいけない問題がある。

 それが『お金』だ。

 この世界の通貨は紙幣となっており、紙幣の単位は『シルド』となっている。

 その価値は、およそ一般的な宿屋に素泊まりで3000~5000シルド、食事一食あたり500~1000シルドといった感じである。

 すでに、フィルとセラの二人の持ち金は合わせて10000シルド少しとなっており、このままでは生活が出来なくなる。


 「じゃあ今日は魔物を狩って素材の採取と討伐部位の確保! そして街に行って素材と討伐部位をギルドで換金だな!」



 この世界は至るところに魔物が出現する。

 魔物は魔法がこの世から一時姿を消した時に同じく姿を消した。

 しかし、奇しくも能力者が誕生するようになった辺りから魔物は出現するようになり原理は分からないが魔物は世界中に増殖する。

 事態を重く受け止めた世界政府は対策を考えある組織を設立する。

 それが『ギルド』と呼ばれる物だ。

 ギルドは世界政府からも国からも独立し、対魔物に特化した機関として世界中の街に存在する。

 人々はギルドに申請し登録するとハンターとなる事ができ、ハンターはランクが分類され、A~Eランクまであり、最初はEランクから始まり魔物の討伐数が一定を超えると上位ランクに上がる事ができ、上位ランクになる程、報酬ボーナスが付くなど特典がある。

 だが、ハンター登録をしなくても報酬を得る事は出来る。

 しかし、その報酬は二割減となる為、一般的にはハンター登録する者が多いが犯罪を犯し逃げている者や他の理由により、公に申請できない者、その他申請前に魔物を討伐した者の為にハンター登録なしでも報酬を払う事が出来るようになっている。

 なぜ、犯罪人でも報酬を支払うかというとお金に困った犯罪人が一般人を巻き込み事件が増発するのを防ぐ狙いがある。

 そして、その力を少しでも世間の役に立つように回すという考えだ。


 そしてギルドの主な役割は人々が魔物に狩ってきた際に、その各魔物の討伐部位と呼ばれる物を精査し本物か確かめた上で世界政府が各国から徴収した税収により報酬を払う。

 一般的には魔物を対象に報酬を支払うが、薬草など素材として世間で役立つ物を買い取ったり、人々からの依頼を張り出し仕事の斡旋も行っている。

 その為、魔物相手ではなく依頼や薬草などの採取をして稼ぐものも多い。

 なので、犯罪人の犯罪抑止に一定の効果を上げているのだが、ハンター登録無き者は世界政府に伝えられる為、マークされ後日捕まることが多い。

 もっとも、通信設備が発達していないこの世界では情報を伝えるのに時間がかかるのだが。

 その点を利用し、フィル達は一度に魔物を多く狩り大金を稼いですぐに移動し、しばらく姿を現さない為足取りが捕まれていない。


 「その前に魔物のお肉でバーベキューですね!」


 セラは無邪気に言うと『ふっふっふっ』と不敵な笑みを浮かべる。

 魔物の肉は一般的な家畜に比べ美味とされており、その食材は一般家畜の肉より高値で取引されている。

 なので、セラは狩りで得た魔物の美味しい肉を食べる事を考えているのだった。

 まあ美味しい肉といっても種類にもよるのだが。

 当然食べられない魔物も存在している。

 しかし、山で狩る魔物は獣系が多く食べれれる点からセラは期待に胸を躍らせていた。

 そして、フィルはそんな目的の違った事に目を向けているセラの様子に額に手を当て、頭を左右に振るのであった。


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