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第十一話 謎

 「いったいなんだったんでしょうね? お話したかっただけだったんでしょうか? それなら何もフィル君と戦わなくて良かったのに。……あっ、もしかしてフィル君が運動不足でお腹プニプニになってないか見に来たとか!?」


 フィルがセフィリアの伝言とフレイヤの現れた意味、そしてセラにしていた質問の意味を考えているとセラはその空気を破るように言葉を発しながら屈んでフィルのお腹を指でつつく。

 フィルは突然の空気の変化についていけず、そのまま立ち竦んでいた。


 「んー……フィル君はお腹も鍛えられているし大丈夫です! まだおじさんじゃないですよ! それに食べ過ぎでもないみたいです!」

 「誰がおじさんじゃないだ! それに食べ過ぎはセラだろ!!」

 「い、いたい! 暴力反対!」


 フィルは屈んでいたセラの頭を両手の拳でグリグリとしながら、自分はなんでいつもセラに説教しているんだろうと考える。

 さらに、さっきまでのシリアスな空気が一転している事に内心ため息をつく。


 (なんでセラはこんなに呑気なんだ? 二人で旅をしている間、いつもセラはこのような調子だったけど、思えば最初に見た時のイメージとは少し違うな。セフィリアさんの言葉とフレイヤさんの言葉、セラには何かあるのか?)


 フレイヤとの再会でセラを最初に見た時の感じと今のセラの感じでは、あまりにイメージが違い過ぎる事に違和感を覚えたフィルはいろいろと考えてみるものの情報も少なく確信に迫る考えは思い浮かばなかった。

 そして、しばらく考えても答えにたどり着けそうになかったので考える事をやめ、手を止めセラの頭を解放した。


 「いててて……フィル君! レディには優しくしないと嫌われますよ! それに私は食べ過ぎじゃありません!」

 「レディならもっとお淑やかにしろ! それにあれを食べ過ぎと言わなければなんだ!? セラこそお腹ぽっちゃりになってるんじゃないのか!?」

 「むきー! 言わせておけば! フィル君女性に嫌われますよ!?」

 「セラこそ食べ過ぎで太ったら嫌われるぞ!」

 「ゔぅ〜……太ったらとか食べ過ぎとか酷いです! フィル君なんて知らない!」

 「あぁそうか! じゃあ夜ごはんのお肉はセラなしだな」

 「フィル君すいませんでした!」


 セラはそう言ってさっきまでの態度を百八十度変えて頭を下げながらフィルに謝る。

 セラとのやりとりでフィルは不確かな事を考えるのが馬鹿馬鹿しくなったのと同時に、今までと同じような平穏な日々は長く続かないかもしれないと感じ複雑な心境になった。

 セフィリアの言葉、サイレントフォースの動き、そしてセラの謎……フィルにはそれらが繋がる答えが思い浮かばなかったが、きっと何か大きな事になる予感がしていた。

 

 「ったく……行くぞ!」

 「はい! 隊長!」

 

 フィルは内心、複雑な心境だったがセラを不安にさせてはいけないと平然を装いいつも通り接した。

 そして、これからの事を考えると自分ももっと強くならないといけないと考えるのであった。

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