賑やかな帰り道
僕たち4人は、宵闇の中で色々な思い出話を語った。それぞれが自分の知らない事実が明らかになると、動揺したり、目を輝かせたり、さまざまな反応を見せた。特に今日、足コキの話をしたら、ミワは顔を赤らめるが、金沢は知っていることだと、不敵な笑みを見せた。その様子に、マウラも驚いて顔を赤くした。それにしても、あとにも先にも、授業中に足コキでイッたのは僕だけだろうなぁとつぶやくと、金沢はふとなんら表情を変えず淡々とこう言った。
あの学校、来年で閉校だから、私たちの代で最後だよ。
金沢以外、一同はその衝撃的な一言に、動揺を隠しきれなかった。
あの一帯が全部軍事基地になって、学校もその庁舎になるの。たぶんマウラさんのマンションも例外じゃない。
金沢がウソを言うのは想像もつかないから、おそらく本当のことなのだろう。委員長権限で知ったのだろうが、時の権力者の何気ない決定が、僕たちの思い出をすべてまっさらにしてしまうのだと思うと、虚しさに包まれた。しかし、結局のところ、役者が物語を動かすように、この一瞬一瞬を心に刻んでおけば、たとえここが更地になろうとも、写真でも写らない汗臭さは、何度でも蘇らせることができる。そう思えば、これから起こる出来事にも、動揺せずにいられると思えた。
いつのまにか、マンションの目の前だった。だが、本番はこれからだった。どこまで金沢を溶かすことができるのか、僕も内心不安であった。




