いたずらごころ
とりあえず、金沢とミワと僕の三人が放課後で落ち合うことになった。ミワと僕が2人揃って部活を休むのは気が引けるが、どうせみんな分かっていることだから気にしないことにした。僕も、人並み以上には青春しているのかなぁと勝手に照れてしまった。最近になって裸のお化けが現れるっていう噂も立ち、知っている人からすれば、ワクワクしてしまう。
さて、後期からはカリキュラムも変わり、2組合同で受ける授業があった。移動教室なので、ペタペタとひんやりと気持ちのいい床の感覚を一歩一歩味わった。教室の張り紙には座席表が貼ってあったので、人だかりの中、自分の名前を探していると、一番後ろの席で、さらにその隣がマウラだった。しかも窓際で、この列のブロックには他に誰も座らないため、完全に死角になってしまっていた。これはたまたまなのか、当てつけなのか、運命なのかは分からない。ただ、この獣には何をされるか分かったものではなく、少々不安ではあった。
壁際に僕が座ると、おぉ君かと、マウラが裸足でやってきた。周りの生徒は、野人コンビだと囃し立てたが、マウラは無言だった。親密になった人同士でないと、会話できないタイプなのだ。そのあまりの反応の悪さに、連中はそのまま自分の席へ去った。ミワも裸足だが、照れてるようにニコニコと話す様子を見て、やっぱり普通のコミュニケーションはできる子なんだと改めて実感した。金沢はというと、ミワの斜め後ろの席にいてじっとその足を見つめていた。
思えば、噂で通っているのは、僕とミワが付き合っているということだけだったが、マウラと僕の関係を知っている人はミワ、金沢以外誰もいなかった。それだけでもマウラに、ほかの人に対してはない、さらに強い感情を抱くのには十分だった。足の裏で紡がれているのは、金沢、奏、ミワ、マウラ。さらに糸で紡がれているのは、ミワとマウラ。でも、それだけじゃない、心と心が溶け合って一心同体になったような感情をマウラには覚えてしまうのだ。
マウラの足の指で僕の足の甲を強くつねられて、ハッと我に返ると、マウラをずっと見つめていることに気が付いた。教師もすでに来ており、まもなく授業があることが分かったので、急いで準備に取り掛かる。その時もマウラは、ただ表情を変えず前を向いており、あくまで自分の真面目なイメージを崩すことは考えていないらしい。授業中、机の下でマウラは僕に大きくて汚れた足の裏を向けてくるので、気が散った。指をグーっと握ってしわを寄せたり、指を思い切り広げて、過去に舐め回した指の間に手の指を擦ったりして、僕を焦らした。この巨大な足の裏の、クッキリと現れる指紋に沿って、舌を舐めずり綺麗にしてやりたいという欲求を何とか堪えた。そして、チラチラとマウラの足の裏に目線を向けると、もう片足の裏で、僕の足の甲を撫でてきた。ザラザラしていたが、急なスキンシップに僕は勃ってしまった。
ムクムクと伸び切った時、涼し気な感覚に気づくと、ポケットから伸びてしまっていたので、ヒヤッと鳥肌が立つ。そういえば、授業前に急いでトイレに駆け込んだものだから、チャックを閉めるのを忘れていたかもしれない。ほかのクラスメイトにはバレていないことを祈るが、マウラは目ざとく僕が下着も履かずに、チャックも明けっ放しだったことを見つけたのだ。まもなく、足の甲をいじっていた僕の足をまっすぐ僕の太もものうえにおいてきて、そのまま指で挟み込み、しごきはじめた。僕は、その急さにビクッと跳ね上がってしまったが、なんとか音を立てずにいられた。周りからは、僕が真剣にノートを取っていて、マウラは貧乏ゆすりをしているようにしか見えないだろう。この体の柔らかさと器用さには感心したが、なるべく気持ちよくなっていることを悟られないように、下を向いた。ただ、大きな足がヌルヌルと動いているのがちらつき、さらに興奮を強めた。マウラも慣れてきたのか、次第に指の動きを速めてきて、夢中になり始めた時、クチュクチュと音がなった。
一瞬だけ、こっちを振り返る人もいたが、僕はただ筆を動かしていたので、気のせいかと前を向いた。マウラも焦ったのか、ゆっくり気味に、焦らした。それでも気持ちのいいことは変わりなく、なるべく息を荒らげないように深呼吸をした。ただ、どんどんとボルテージを高めていき、最後には、机の下で大きな弧を描いてリズムよく吹き出してしまった。マウラはしっかりとその様子を見て、満足げな笑顔を見せていた。僕は余韻に浸るまもなくさっとしまい、音を立てないようにゆっくりとチャックを閉めた。この瞬間ですら金沢は記録に収めているのだろうかと気になった。マウラに至っては、僕が吹き出したものを、足の裏でもてあそんでいる。その足で校舎を歩くんだから、やっぱりこの子は獣だ。もちろんちゃんと事後処理は済ませて、何事もなかったかのように振る舞った。




