エデン談義
部活を終えたあと、まっすぐとマウラのいるマンションへ向かう。部活サボったでしょと、なじってくるミワは裸足で堂々と通学してきた。このことも含めて今日はしっかりと話さなければならない。
マウラ、ミワ、僕は、涼しい部屋のソファに座った。もちろんみんな風呂にも入り、全員が学校の制服を着る。これは、要は正装という意味を込めて僕がわざわざ着替えさせた。ミワは真ん中に座り、しっかりと姿勢を正しているが、いつもの左側に座るマウラはふてぶてしく足を組んでいるが、かまわず本題に入る。
えー、まぁ今回はこんなかしこまってしまっているのはだな、だいじな話だからだ。
そんな前置きいいから早く話せよ。
ミワは、この掛け合いに笑うどころか、真剣な表情を強めていた。
じゃあ、本題だが、足の裏の園の管理人、金沢 真理は、僕たちの関係を知りたがっている。
なんだぁ?足の裏の園って、あと金沢って隣のクラスの?
そうだ。アカウント見てみろよ。
マウラに自分のスマホからそのアカウントを見せてやると、マウラはそのフォロワー数に目を丸くしてしまっていた。そして、迂闊にもマウラにスクロールされてしまい、あの更衣室で撮った一万いいねされている自分の裸を映した動画を見せてしまった。ふとマウラの顔を見てみると、妙にニヤニヤして下唇を舐めていた。何かまた危険な欲求を彼女に与えてしまったかもしれない。
だが、さておき、話足りないことはいっぱいある。まず、カメラを学校中に仕掛けられていること。そのせいで、学校で起きたすべての出来事は、金沢に筒抜けであること。しかし、マウラが上履きを盗んでから今に至るまでの奇天烈な出来事の理解が追いつかず、自分たちのことを知りたがっていること。そこまで話した。
ミワが全裸で歩いたことや僕とのセックスも見られてしまっていたことを知った時、体をのけぞって、グーにして引っ込めた自分の指をかんで、混乱した気持ちを抑えようとしていた。ただマウラが上履きをハサミで切ったことを話すと、怪訝な顔をマウラに向けたので、マウラはいやぁと話をはぐらかした。いわく、人の行動は読めないものだぁと金沢に意識を向けようとした。マウラ自身はというと、ハサミの件以外については、ただなんの恥ずかしげもなく、興味深そうに聞いているだけだった。
それにしても、言及はしなかったが、僕がマウラのロッカーを覗いたり、その後オナニーしたことも、見られていたんだと思うと、やはりその行為は歪んでいると思わざるを得なかった。首都地域に張り巡らされた監視カメラと同じようなものだ。人のプライバシーなど覗くべきではない。自分のことは一旦棚に上げて、これを正そう決心した。
そこでだな、この状況、どう打開できると思う?
うーん。一つ一つカメラ見つけて回収するとかかなぁ。
ミワ、そんなまどろっこしいことできるわけないでしょ。
ここに呼べばいいんじゃねぇの?
たしかにマウラの言うことはもっともなのだが、金沢の欲求は、どうも性癖とは異なるような気がする。マウラには、足フェチ、臭いフェチ、インセストフィリア、オートアサシノフィリア、露出狂などなど、掘れば掘るほど色々出てくる。ミワだって、露出狂に目覚めさせられたし、レズピアン、ケモナーでもある。だったら、金沢にも何かあるはずだ。
マウラ、あの何を考えているか分からない子に対して、まざまざとこの部屋の風景を見せるというのか?
まぁ、たしかに段階としてはまだ早いなぁ。
そこでだね。彼女からどんなフェチを持っているのか、聞き出したいわけなんだ。そうすれば、この空間も自然と受け入れられるはずだ。
へぇ、頑張ってくれよ。
大の男が、女の子にフェチのことなんか聞けるわけないだろ。だからその役には、ミワがぴったりだなと、僕は思うんだけどな。
僕は、ミワに対して意識的に目を合わせると、ミワは真剣な表情で、コクリと頷いた。
よし、じゃあ後はなりゆきだ!
結局お前はいつも受け手だなぁ。
マウラの、金沢のような言い草に僕は少し困惑を覚えたが、思い返してみればいつもマウラの事件につき合わされてるようなものだと気づいた時、今回の件については自分も何かしらのアクションを起こさねばと気張った。




