メッセージ
後期の始業式の朝。僕は、下着を着ぬままに、ワイシャツとスラックスを履き、ベルトを締める。ちゃんとヒゲも剃ったし、宿題もバッチリだ。どたどたと、階段を降り、適当に朝食を摂った後に、玄関でローファーに生の足を突っ込み家を出る。
足の群れなどとっくに慣れたが、やはり満員の電車は嫌だ。人は、日中にはしっかりと動かなければならないという先入観が、こういった光景を生む。人を産み育て、寿命を全うしなければならないというプロパガンダが人の心の根の深いところまで染み付いている。この誤りをいずれ正していかなければならないときが来るのだ。電車の荒いブレーキで、人に揉まれ流され、ドアにびっしり詰め込まれた肉塊から、ドロリと汗を吹き出しながら一人の青年は押し出される。思い切り外気を吸い込み、はぁぁぁと大きく吐いた。ひんやりと僕の肺に新しい空気が取り込まれた。
ふと人の流れの中に、スカートから伸びた生の裸足が歩いてゆくのが見えた。僕はこれが気のせいではなかったことを確かめたかったので、行列の後ろに回り、階段をしたから覗くと、人混みのなかにたしかに裸足で歩く僕が通う高校の制服を着た女子高生がいたのだ。人の流れに乗り、なるべく見失わないように駐輪場までたどり着くと、すでにその子が学校の方面まで走り去ってくのが見えた。僕も急いで後を追う。なかなか信号待ちが多く、あの子に追いつけないのがもどかしかった。なるべく速度を上げて、学校まで走った。
駐輪場までたどり着くと、裸足の女子がこちらに向かって歩いてきた。
あ、ムッくんおはよう。
ん?ミワちゃん。裸足で来たの?
うん!さすがにドキドキするねー。
なんとミワは家から学校まで、しかもあの人混みの満員電車を、このかわいらしい足を晒しながら来たというのだ。親はこんな姿を見たら何を思うのだろう。マウラと同じような罰を受けることは間違いない。とりあえず、僕はミワとともに昇降口から部室へ行く。僕も相変わらず裸足だ。
裸足のまま来ると履き替えなくて楽だね。
こういう楽は覚えないほうがいいぞ?
うーん、そうだねぇ。
今日もいつものごとく、朝の練習を終え、足跡を残しながら廊下を歩いていると、通知音がなった。誰からだと思い、さっと覗いたが、なんと足の裏の園からのDMだった。
放課後に屋上で会いましょう。
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