夏休みのスリルゲーム
朝目覚めると、ミワの姿がどこにもなかった。しかし、服やバッグがそのまま置きっぱなしになっている。スマホですら、置いてある。玄関にもミワのサンダルがあった。そのまま駐輪場へ行くとミワの自転車がなかったので、僕は急いで学校へ向かった。きっと今ごろ、学校の外の茂みに隠れてるか、もし鍵が開いていれば、学校内にいるはず。それにしてもこの学校の鍵の管理はよく分からない。奏のような子がいるから、正面玄関は遅くまで空いてるが、朝は閉まっていることが多い。渡り廊下口は、剣道の女子更衣室を使うミワがずっと持ち続けていたはずだ。
学校へ向かい駐輪場には、ミワの自転車が置いてあるのが分かったので、一旦学校の周りを歩いてみる。奥の茂みやら、倉庫内やら学校を一周探していると、壁伝いに大きな足跡が残されていた。たぶんこれはミワではないだろう。一通り探してみても、ミワの気配も感じられなかったので、校舎内にいるのではないかと思い立ち、正面玄関から入った。白い砂交じりの足跡が学校の奥まで伸びていた。今のミワが興奮しながらどこかに隠れているのを想像すると、気持ちが高ぶってくる。僕はこの迷い込んだ野ウサギを捕らえるべく、足音を立てずに学校内を捜索した。
一階から、一つ一つ恐る恐るドアを開けミワが壁側に隠れていないか見たが1階にはいなかった。2階へ来てみると、ミワの教室が開いており、ガタガタと音が鳴っているのが聞こえたので、覗いてみると、ミワが自分の机の角にこすりつけていた。ミワはヌッと現れた人影に、腰が止まり、動かなかった。
ミワ、我慢できなくなったか。
そのみっともない姿で固まったままコクリと頷いた。とりあえず、扉を閉め、ミワの肩を抱き、白い跡を残したまま廊下側の壁に座らせた。ミワの体は熱く震えていた。
わ、わたし、やり遂げた・・・
こういうことはやめておけって言ったのに。
私もマウラちゃんと同じことしちゃった。
その言葉が気になり、マウラの机を見てみると、白い跡がすでに乾いていたのが見えた。あの獣がいつここに迷い込んだのかは知らないが、この野ウサギも捕らえたので、すなおに彼女を引き連れて教室を出た。その時出会い頭に、奏と真正面で向き合ってしまった。奏は、ニヤニヤを隠しきれないまま、何も言わず裸足で渡り廊下へ出て行ってしまった。ミワは前回に比べて、体を硬直させることもなく、足を動かすことができた。ペタペタと全裸の女を抱えながらこれ以上誰にも見つからないことを祈りながら走った。女子更衣室前にたどり着くと、抱えていた裸体を隠し入れた。後ろからキャアと悲鳴がしたので、僕は振り返ることもなく、そそくさと部室へと向かった。
部活中は何事もなかったかのように、道場をすり足やら踏み込みやら、道場を自分の足裏の皮脂で汚しまくった。部活が終わり、駐輪場へ向かうと、ミワが裸足に道着姿で自転車に乗って待っていた。早く行こうよ!というので、僕も急いで自転車にのり、並走して学校を後にした。




