夏休みのスリルゲーム 前夜
ドアを六回ノックを鳴らす音が聞こえた。鍵を開けてやると、ミワが熱風とともに自分から入ってきた。
あ、ムッくん、服着てるね。
まぁね。
その後リビングに待つマウラに対しても同じセリフを言った。それほどこの空間では、服を着るというのは珍しいことなのだ。それにクーラーの涼しさに、汗をかいたミワもさわやかな風を味わっていた。それくらい外気はすさまじいということだ。それに、マウラのどこかリラックスした顔を見て、自身の嗅覚がもう問題は解決したんだな、と結論を出していた。そのため、ミワはいつもどおりのテンションでいられた。
宿題をやる時のマウラは凄まじかった。字は汚いものの、もの凄い勢いで課題を終わらせ30分もたたないうちに一冊を終わらせてしまう。こんなの簡単じゃんというが、かなり難解な読解を求めれるものもある。もしかしたらマウラの受験の才能はすさまじいものかもしれない。一気に首都地域の難関大学に受かるのかもしれない。マウラの場合は理系なのかな。しかし、とりあえず社会でどうやって生きていく気なのか、想像もつかない。ま、ギター少女もいるわけだし、マウラのような人が受験勉強に囚われてしまう姿を見るのは、こっちとしても悲しい気分になるな。
マウラ、これ答え見せてくれよ。
あ?自分でやれって言ったの君じゃないか!一発やって全部見せるなんて甘いことは私もしないからな。ハハハ。
マウラのひとつひとつの言葉に腹を立てるも、マウラの課題処理能力に感心し、僕もちゃんと手を動かした。
バウバウ、ここ分からないんだけど・・・。
バウバウ?私のことか?あーそれなら、こう解けばいいんだよ。
やばい!えらいね!バウバウ!
ミワに頭を撫でられるマウラは満更でもない様子だった。セックスでは受けに回るが、こういう人間力ではやはりミワが勝るのだ。それにしてもミワは昨日マウラが口に出したバウバウというのが気に入っているらしく、ずっとその呼び名でマウラに話しかけている。あのコスチュームは変態的ではあったが、どこか板についており、また付けてほしいという願望に目覚めた。
そういえば、あの耳のカチューシャどうした?あーそうだ。あれは私も気に入ってて、ちゃんと隠しているよ。廊下の奥でガサガサと戸棚からカチューシャとしっぽを取った。そして、マウラは裸になるやいなや、そのカチューシャを頭につけ、しっぽも生やした。フワフワ耳のバウバウである。ほれほれーこれが見たかったんだろ?と、僕とミワの椅子のあいだで尻を振って、しっぽが顔に当たり、うっとうしいかったので尻を叩いてやった。すると、バウバウに椅子越しに抱きつかれ首を噛まれた。
うわ!
やはりどれだけ調教されてもこの獣女はすぐ忘れてしまうようだ。それはそれで、マウラの日常がまた戻ってきてくれて嬉しかった。その後、マウラは、しっぽを突き立てながら椅子に座り、腰を動かしながら、課題を進めた。アナル責めしながら宿題を進めるとは器用な女だ。
外も暗くなり始めたので、近くのファミレス行こうという話になり、今度の真裏は朝着ていた服とズボンを履き、しっぽと耳を生やしたまま裸足で出た。ミワは今日はサンダルだった。サンダルから突き出る指先は整って、爪が透明でかわいらしい。僕もサンダル履きで、男らしいゴツい足を見せた。
マウラは、裸のサキュバスからどういう進化を遂げたんだ?
そりゃ獣娘だよ!
フフ!
ミワは、マウラと僕の掛け合いに思わず微笑んだ。そして、かわいいと言いながらバウバウに抱きついた。その姿に、マウラは照れてカチューシャの耳をいじっていた。僕も、マウラが何のためらいもなく、まるで当たり前かのように裸足でファミレスまで行くんだと思うと、かなり興奮を感じた。実際のところファミレスでは何事もなく適当な食事を済ませて、家に戻ると、もう時計もてっぺんにさしかかっている頃なので、明日も早いことだし、眠ることにした。ただ、今回のマウラが堂々と裸足で、ファミレスを歩くさまに、なにか突き動かされるものがミワの中に芽生えた。




