朝日とともに
目覚めると、クーラーの効いた涼しい部屋で汗と性液の臭いの中に芳香剤の香りがするソファーの上でごろりと転がっていた。僕は起き上がり、足を伸ばして寝ているマウラの足をのけた。部屋はかなり片付いており、無駄な段ボールも一切なかった。あのバウバウの小道具はどうしたのだろうか?意外にも可愛く思えたから、残しておいてほしかったが、さすがに捨てられてしまっただろうか。親というのは、温もりだけではなく、方向を間違えない指針でもある。マウラはやりすぎてしまったのだ。それを父親はともかく母親はきちんと正した。そのおかげで、こうして快適な空間で、服を着るマウラを久しぶりに見ることになったのだから。お盆は過ぎてないから、一夏超えたなどと軽々しく口にできるものではないが、目覚めたマウラ次第だ。
僕はバッグにしまっていた上履きを元のソファの脇に置いた後に、勝手に冷蔵庫の缶コーヒーをいただくとマウラも目覚めたのが見えたので、もう一本持って行く。
おはよう!
あぁ、起きてたのか。
ほら。
マウラは礼も言わずに受けとった缶コーヒーをプシュッと空け一気に飲み干した。すると、何かが弾けたように昨日の出来事を、饒舌に愚痴りだした。
まずさぁ、クーラーとかつけてると頭痛くなってくんのに、なんでこうみんなクーラーつけたがるのかね?どう思う?
いや、僕はクーラーがあったほうがいいと思うが。
あとさぁ、部屋も若干汚いほうが味があるのにさぁ、なんか妙に綺麗にされて、自分の部屋じゃない感じがするんだよなぁ。奥の部屋も捜索されて、コンドーム見つかって、また叩かれた。
これはお父さんか?
そ!でもね。君とやったってことにしといたわ。まぁ事実だしね。
それはそれでいいけど、面倒だな。
あと、服着ろとか風呂入れとか宿題はとか進路はとか、いちいち面倒なことを聞いてきてさ。こっちは、ずっと床の拭き掃除してんのに。
叩かれたのはどうだったんだ。
まぁあのときはこたえたよ。やっぱ全裸であの格好、母親に見られるとさ、自分の中の母親像がまた変わっちゃったのかなってね。
前と同じ事言ってるな。お父さんはどうなんだよ。
まぁパパは好きだからいいの。ずっと抱きついていたかったんだよね。あのゴリゴリした足の裏大好きだし。
そうか、パパは特別なんだな。
まーあと、なんかスッキリしたわ。君が来てくれてね、言葉にできない気持ち悪さってのが、背中とか、さすってくれて、一気に吐きでたようなそんな感じだな。
思えば、マウラに涙の跡が残っている。近頃の疲れもたまってたわけだし、いろいろと重荷が取れたんだなぁとマウラの気持ちを推し量る。
今日はさすがに宿題やるのか?
そうだな。アダッちも呼んでよ。
そういえば今日も部活は休みで、明日は朝の時間帯に行うらしい。ちょうどいいな。僕はミワにこのマンションで待ってると伝えた。




