新しい神話
照りつける日差しと、セミの鳴き声はうっとおしく僅かな僕の体力をジワジワと削っていった。地球という大きな存在ですら、我々の気遣いなどできる余裕もないのだ。自転車で並んでギーコギーコと体をかがんで一歩一歩漕ぎ、森の道へ吸い込まれていった。
なぁミワ。
ん?
マウラがたまに言うんだけど、あのソファーはエデンの園で自分たちはアダムとイヴだって。
ふーん。
でもさ、ミワまで現れたら、イヴとリリスが同時に居座るんだけど。
ふんふん。
どっちがリリスでどっちがイヴなのかな。
なーんかよくわかんない話。
でもマウラは今日禁忌を犯したんだよな。
お父さんってこと?
そういうことだな。
まぁマウラさんはそういう子だしいいんじゃないかな?それにさ、それがいけないことだって気づくのも自分次第だよ!変な教えなんか真に受けないほうがいいの!
剣道女子が言えたことかな?
君も言うようになったね?
そろそろ森を抜け、厳しい日差しの中を、お互いペースを合わせながら、せっせと漕いだ。相変わらずの不協和音の中、昇降口まで着き、そのまま2人の生足がペタペタと音を立てた。
なんかこの足晒すの恥ずかしいね。
別に今更だろ?
だってマウラちゃんが・・・。
まぁそうだな。
それにここ裸で歩いたんだよねー。
あんまり変なこと覚えるなよ。
ミワは一瞬の夏の思い出に浸りながら、部活用の女子更衣室へと入っていった。




