クール・セックス
あ、そうだ。そのメッセージアプリに、追跡機能あるらしいんだけどさ、マウラの居所掴みたいからお互いオンにしないか?
それは構わないよ。
マウラは最近変態性が増してきている。だからいつ拉致されてもおかしくはないからな。ま、俺の居所も知られるが、こいつはそんなの興味持たないだろう。それにしても、こう熱を帯びた状態で天井をボォっと眺めてると、異世界へ消えないかなぁなんて考えてしまう。これも一種の意識変容なのかなぁ、とボンヤリとただ天井を眺めてるだけで将来のこととか、人間関係のこととか、今抱え込んでしまっているさまざまな問題が、どうでもいいことのように思えてくる。マウラはなぜか上履きを履いて、怠惰にオセロして、しばらくすると、寝転がって喘ぎ声を上げる。自習というものをしないのかな。マウラって獣女だけど、勉強やスポーツはよくできる。こういうお気楽人間の方が長生きなのかなぁ。
つまらないことを考えながら、すでに午後を回っていた。下に転がってるやつはぐうぐうと寝ていた。僕も眠くなってきて、しばらく夢を見ない深い睡眠に落ちた。気がつくともう5時ちょうどで、夕日が指すとともに、どこかで聴いたことのあるような懐かしいようなメロディが遠くから流れてきた。メロディの最後のこだまも消えた頃にはちゃんと目が覚めて、冷や汗とともに熱も引いてきたように思えた。梅雨も明けたのかなぁ。
マウラもムクリと起き出すと、冷蔵庫から1本コーヒーを開けて飲み干し、僕にも1本持ってきた。これ、寝起きにいいよ。僕もコーヒーを開け一気に飲み干すと、全身が爽やかに目覚め始めた。僕は、ひょいと立ち、大きく背伸びした。
おお、治ったの?
君のおかげだよ。
熱が引いた時にやる運動はかなり気持ちいいよ?やる。
しゃーないなー。
マウラが例の箱を空け、銀紙をはがし、僕に装着させた。妙に纏わりつく感覚が嫌だったが、これで背徳も感じずに、マウラとやれる。マウラはゴロンと、ソファに転がり、僕の上履きを嗅ぎ始めると、エンジンが入った。そんなマウラに僕は密着し、その懐かしい柔らかさとともに腰を振り、キスをしたり首筋に鼻を当てたりと、マウラを堪能しドクドクと初めて射精をした。最後はカエルの鳴き声とともに、暗くなりつつある部屋の中で、その長い時間をそのまま過ごした。




