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第25話② 初陣 後半

 雷太が三歩前へ出る。


 槍を横に構え、二体のゴブリンの前へ立ちはだかった。


「ここから先は通さん!」


 二体のゴブリンが同時に棍棒を振り下ろそうとするが、雷太が槍で薙ぎ払うのを見て近づくのを諦める。


 ギャギャ!


 雷太は一歩も引かない。


「うおおおっ!」


 威圧してゴブリン2体をその場に釘付けにした。その隙にタケルが姫乃の射線を邪魔しないよう姫乃の斜め前へ回る。剣を構え、姫乃へ近付くゴブリンを警戒する。姫乃は薙刀を納め、両手を前へ差し出した。水色の光が集まる。透明な水が弓の形を作り上げていく。


「水弓!」


 実戦では初めて使う。少しだけ手が震えた。


『姫さん。』


 依絵の優しい声が聞こえる。


『落ち着いてください。呼吸を整えて。敵は雷太さんが止めています。』


 菊理も静かに続ける。


『風、安定。射線、良好です。』


 姫乃は一度深呼吸した。


「ありがとう。」


 震えが止まる。ゆっくりと水の弦を引いた。一本の水矢が静かに姿を現す。タケルは前を向いたまま小さく言う。


「姫。焦らなくていい。僕たちが守る。」


 雷太も笑った。


「せや!安心して撃て!」


 姫乃は二人の背中を見つめる。


「……うん。任せたわよ。」


 その瞬間。


 一体のゴブリンが雷太の横をすり抜けようとした。


「しまっ……!」


 雷太が体勢を崩す。ゴブリンは一直線に姫乃へ向かう。


「任せろ!」


 タケルが素早く間へ飛び込んだ。


 ガキィン!


 剣で棍棒を受け止める。タケルは一歩も退かない。


「今だ!」


 タケルの声が林へ響いた。姫乃は迷わなかった。水の矢が一直線に飛ぶ。


 シュッ!


 ゴブリンの胸へ命中。依絵が歓声を上げる。


『命中!HPゼロ!』


 ゴブリンはその場で動きを止めた。ゆっくりと地面へ倒れる。黒い粒子が身体から浮かび上がり、空へ吸い込まれていった。


『送還確認!』


 菊理が静かに報告する。


『対象二体目、戦闘不能を確認。』


 三人は思わず顔を見合わせた。


「やった……。」


 姫乃が小さく呟く。


「私、ちゃんと撃てた。」


 タケルが笑う。


「ああ。初撃で命中。すごいよ。」


 雷太も親指を立てた。


「ナイスや!」


 姫乃は少し照れくさそうに笑った。


◇


 その時。


 残る1体が再び突撃を始める。


『敵1体。接近!』


 依絵が叫ぶ。


 タケルの声が短く響いた。


『1番!』


 三人は同時に頷く。


「了解!」


 今度は迷わない。三人は同じ目標へ向かって走り出した。


 初めての実戦。初めての連携。


 そして初めて「仲間と戦う」という感覚を胸に抱きながら、三人は3体目のゴブリンへと飛び込んでいった。


次回はお昼12時更新です。


お読みいただきありがとうございますm(_ _)m


皆様に大切なお願いがございます。


読んでみて少しでもいいと思っていただけましたら、、ブックマークと評価を★★★★★にしていただけるととっっっっても嬉しいです。(*´ω`*)


執筆を続ける励みとなりますので是非ともお願いいたします。m(_ _)m

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