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第24話② 初任務・ゴブリン討伐 後半(★イラスト有)


通信が切り替わる。思金子が静かに告げた。


「それでは戦闘装備へ移行してください。」


 三人は同時に頷く。腕時計型情報端末へ左手を添えた。


「モードチェンジ!」


 三人の声が重なる。


 ピッ。


 キュィィィィィン……


 青白い光が三人の身体を包み込む。光の粒子が全身を駆け巡り、一瞬でバトルスーツが形成される。耳にはイヤホン型通信機。右目にはモノアイ型パッド。胸にはそれぞれのエンブレムが輝いた。


 依絵が嬉しそうに声を上げる。


『変身確認!』『通信良好!』


 菊理も続ける。


『モノアイ正常。』『各装備、問題ありません。』


 雷太は両腕を見回しながら笑う。


「何回見てもかっこええなぁ!」


 姫乃も水色のバトルスーツを見下ろした。


「軽いし……。動きやすいわよね。」


 タケルは静かに剣へ手を添える。


「行こう。」


 思金子からの指示。


「今回の敵は野良ゴブリン3匹。戦力的には余裕ですが、オークなどが突然出現すると、苦戦を強いられる場面もあると思います。油断せず、連携確認を行いながら、確実に倒してくださいい。」


◇


 ホテル玄関。


 神具送迎車が待機していた。黒いレクサスLMを改造したようなデザイン。猿田さんが運転席から顔を出す。


「ほな初出動やね。乗っておくれやす。」


 三人は静かに乗り込んだ。車は夕暮れの琵琶湖沿いを走る。誰も口を開かなかった。初めての任務。初めての実戦。


 緊張だけが車内を包んでいた。猿田さんがバックミラー越しに微笑む。


「怖いですか?」


 タケルは正直に答えた。


「少し。でもさっき説明を聞いて少し安心しました。」


 姫乃も頷く。


「私も。」


 雷太は窓の外を見たまま笑う。


「俺はちょっとワクワクしとる。でも無茶はせえへん。思さんと約束したしな。」


 猿田さんは嬉しそうに頷いた。


「それで十分です。」


◇


 十分後。


 送迎車は林の手前で静かに止まった。


「ここから先は徒歩です。」


 三人は車を降りる。腕時計型情報端末が振動した。


 ピッ。


 モノアイへ地図が投影される。赤い点が三つ。ゆっくり動いていた。


『こちら勇者本部。』


 依絵の声が耳元へ届く。


『通信良好です。目標まで四百五十メートル。一般人の避難は完了しています。』


 思金子の落ち着いた声が続く。


『今回の目的は。討伐そのものではありません。三人で連携し全員無事に帰還すること。それが最優先です。』


「了解。」


 三人が同時に答えた。


◇


 雷太が槍を握る。


「今回は、ちゃんと指示聞くで。」


 姫乃が少し笑う。


「偉いじゃない。」


「当たり前や、もう怒られたないからな。」


 タケルも笑った。


「それじゃ行こう。」


 三人はゆっくり林へ足を踏み入れる。夕日が木々の間から差し込んでいた。風が葉を揺らす。静かだ。静かすぎる。その時だった。


 ガサッ。


 右前方の茂みが大きく揺れた。三人が同時に武器を構える。モノアイの赤い点が一つ。急速に接近する。依絵の声が少しだけ大きくなる。


『来ます!』


 次の瞬間。緑色の小さな影が茂みから飛び出した。初めての実戦。初めての敵。


 三人の勇者としての戦いが、ついに幕を開けた。


挿絵(By みてみん)

次回はお昼12時更新です。


お読みいただきありがとうございますm(_ _)m


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