↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
52/67

第23話① 初トレと初登校 前半

 会議後。


 3人はトレーニングルームに来ていた。トレーニングルームに入ると、受付にAIロボットのナビ子さんが配置されていた。ロボットといっても言われなければ、人間にしか見えない完璧な姿。髪は後ろでまとめ上げられ、CAかと見まがうばかりの姿である。


「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。勇者のお三方ですね?私はトレーニングルームの管理を任されております、ナビ子と申します。よろしくお願いいたします。」


「よろしくお願いします。」とタケル。


「それではトレーニングルームのご利用方法をご説明いたします。トレーニングルームの利用方法としては、1自主トレモード、2仮想戦モード、3模擬戦モードがございます。」


「1自主トレモードは、トレーニングジムと同様、器具を利用しながら主に攻撃力やHPをあげることを目指します。」


「2仮想戦モードは、今まで遭遇した敵や仮想の敵を作り上げ、その対戦を通じて全てのパラメーター及び実戦の勘や経験を積むことを目指します。」


「3模擬戦モードは勇者様同士やその他の方々との模擬戦を行うことが出来るモードです。」


「HPシステムの説明はすでにお済みでしょうか?敵がHP0となると睡眠の呪いがかかり、再起不能になることはご存じですね?自分がHP0になると、そこで自分を守っていたバリアが壊れ、それ以降、生身の体で敵の攻撃を受けることになります。」


「ん?今情報量多いこと言わんかったか?」


「模擬戦モードはこの機能を利用し、HPが10%を切ると強制的に戦闘終了となります。トレーニングルームを出れば、HPは元通りですので、ご安心ください。」


「トレーニングルームは全部で6つ、それぞれとなりにトイレとバスルームが用意してありますので、ご利用ください。飲み物などご休憩はトレーニングルームを出ればすぐに団らん室兼ラウンジですので、そちらでご休憩ください。」 


「では、タケル様、本日はどのモードでのご利用をご希望ですか?」


「じゃ、じゃあ仮想戦モー」「タケルー、ちょうどええやんけ、模擬戦モード行ってみようや」


「ええーー?仮想戦モード面白そうなのになあ。まあいいや、約束だしね。でも一回だけだよ?」


「分かった分かった。俺も仮想戦モードには興味あるさかい、模擬戦終わったら一緒に仮想戦やってみようや。」


「まーた男2人でくっついちゃって。レディほったらかしで何なの?全く!」


「はて?レディなんて、どっかにおったかいなあ?」


「ムキイイイイイイ」


「ガルウウウウウウ」


「もう、すぐにケンカするんだから!さあ、早くやろう!」


 トレーニングルーム1。模擬戦モード。サッカー場タイプ。タケル対雷太。


「うわあ。広いね。なんかサッカー場くらいあるよ?どうなってんの?」


「今はサッカー場タイプに設定されています。他にも体育館タイプ、市街地タイプ、草原タイプ、砂漠タイプ、沼地タイプ、ジャングルタイプ等など、お好きなタイプに設定可能ですよ。」


「まあ、今はこれでええやろ。で、ここで本気で戦っても、お互い全くケガせえへんのやな?」


「そのとおりです。ただしHPが10%以下になると、強制的に模擬戦終了となります。」


「よっしゃ。ほな思いっきりやれるで。タケル、手え抜いたらあかんで?」


「雷太相手に手を抜いたりしないよ。久しぶりに本気で行かせてもらうよ?」


「お?タケルもやる気やな。ほなナビ子はん、開始の合図頼むわ。」


「分かりました。それでは、はじめ!」


 いきなりタケルの姿が消える。と思ったら、雷太の後ろに現れ、背後を突き刺そうとしたところで雷太が防ぐ。


 カキーン。そのまま横にないでタケルをなぎ払う。雷太が雷走を使う。突然タケルの目の前に雷太。石突きでタケルの顎を狙う。が、間一髪タケルがバック転をしてかわす。タケルも風走を使い縦横無尽の素早い走りを見せる。


 やはり早さと移動の巧みさではタケルの方が上手。雷太はタケルの自由ですばやい動きについて行けない。


 その時、雷太が雷纏を発動。全身を雷で覆い、攻撃した側へのカウンター攻撃を与える。タケルはこれを見て草薙を発動。前方一〇メートル四方を焼き払ってしまう。これが雷太にヒット。


「ぐああああ、って痛くない?」。HPシステムのため痛みがない。雷太はすぐさまカウンターに雷纏のまま雷走。タケルを吹っ飛ばす。


「うわああああ、ってホントに痛くないんだね。」風走で距離を取りつつ、立ち止まらなくなったタケル。雷走で突撃できない雷太。お互い遠距離攻撃に出る。


「雷撃!」「なんたら拳!」終始動き回ったぶん、タケルの回避が多く、ぎりぎりでタケルの勝利となった。


「はあ。また負けたかあ。タケルにはかなわんなあ。」


「いや、ぎりぎりだったよ。雷攻撃早すぎて避けられないや。」


「よう言うわ。風の動きであんなに目まぐるしい動き、よう出来るわ。」


「まあ、秘密の特訓してきたからね。あ、すっごいパラメーター上がってる。」


タケル


HP300 RP2000 攻撃300 防御250 速度350 器用350


雷太


HP400 RP1500 攻撃300 防御300 速度300 器用250


「ほんまチートやな。上がりすぎなんちゃう?」


「いいえ、やはり実戦に勝る訓練はありません。お二人とも今の模擬戦で確実に強くなってらっしゃいますよ。」


「うん。いい試合だったわね。じゃあ、タケル、次は私とかな?」


「え?」「え?」


「あ、いや、今の模擬戦めちゃくちゃ疲れたから、今連戦すると、たぶん、その、」


「私はいいわよ?準備万端よ?さあ、早くやろ?」


「ちょ、雷太、助けてよおおおおおおおおお」


「南無南無」


 そのあと、姫乃にこてんぱんにやられたタケルだった。


◇


 翌朝。


 瑠璃温泉 ホテルびわ荘団欒室。


 朝食を終えた三人は、いつものようにソファへ腰掛けていた。


 窓の外には穏やかな琵琶湖。


 ジョギングを終えた雷太は朝風呂まで済ませ、上機嫌だった。


「やっぱ朝風呂は最高やな!」


「一日に三回も温泉入る人、普通いないわよ。」


 姫乃が苦笑する。


「朝走って。朝風呂入って。朝ご飯三杯食べて。午前中だけで一日分動いてるじゃない。」


「健康やろ?」


「健康すぎるのよ。」


 タケルは笑いながらお茶を飲んだ。


「でも確かにここの温泉、気持ちいいよね。」


 その時。


 三人の腕時計型情報端末が同時に震えた。


 ピッ。


**『団欒室 八時 集合』**


「もう集まってるけどね。」


 タケルが苦笑する。大型モニターが自動で起動した。画面には勇者本部。


 月夜実、思金子、鴨依絵、菊理加奈、猿田彦助が映し出される。


「皆さんおはようございます。」


「おはようございます!」


 三人も元気よく挨拶した。


 依絵が画面の端から勢いよく手を振る。


「今日も元気そうですねー!」


「雷ちゃんなんて朝だけで二回温泉入ってますよ!」


「ちょっ!なんで知っとるん!」


 依絵は得意そうに腕時計を指差した。


「健康データです!全部見えてます!」


 雷太は青ざめる。


「うそやろ……。」


 姫乃が吹き出した。


「ちゃんと監視されてるのね。」


「健康管理です。」


 思金子が静かに訂正する。


「監視ではありません。健康管理です。」


「同じやん!」


 雷太のツッコミで団欒室が笑いに包まれた。


◇


 思金子が資料を開く。


「それでは本日の予定を説明します。」


 モニターが切り替わる。


**本日の予定**


 一、転校手続き


 二、登下校確認


 三、初任務


「姫さん。雷ちゃん。本日付で膳所城高校へ転校していただきます。」


 タケルが首を傾げた。


「僕は?」


「タケさんは在籍中です。」


「ですよね。」


 雷太が苦笑する。


「俺らだけか。」


 姫乃も静かに頷いた。昨日まで通っていた学校。クラスメイト。先生。部活動。何気ない毎日。それが終わるのだと思うと、二人は少しだけ寂しくなった。


 月夜実が優しく続ける。


「表向きは国の特別教育プログラムへの参加、という扱いになります。学校側への手続きは全て終了しています。」


 姫乃は小さく息を吐いた。


「……まあでも、またタケルと同じ学校に通うのも悪くないわね。」


 雷太はニヤリと笑う。


「おいおい。顔がニヤついてるで?ほんまは嬉しいくせに。」


 姫乃も負けじと笑い返す。


「そう言う雷ちゃんもニヤついてるわよ?」


「雷ちゃん言うな!」


「あらあ。コードネームらしいから仕方ないのよ。」


「分かった?」


「雷ちゃん。」


「ほんま腹立つわあー!」


 依絵は画面の向こうで笑い転げていた。


「雷ちゃん。定着しそうですねぇ。」


「依絵さんまで!」


◇


 午前八時半。


 三人は神具送迎車で膳所城高校へ到着した。校長室で必要書類へ署名を済ませる。


「生徒会長のタケル君の仲間ということですね。三人とも、一年よろしくね。」


 校長が笑う。


「はい。引き続きよろしくお願いします。」


「よろしくお願いします。」


 姫乃と雷太も頭を下げた。


◇


 チャイムが鳴る。


 二年一組。


 担任が教壇へ立った。


「今日は転校生を紹介する。」


 教室がざわつく。


「入ってきてください。」


 ガラッ。


 姫乃が教室へ入る。そして、一番最初にタケルを見つけた。


(やった!同じクラス!)


 後ろ手にしてみんなに見えないように小さくガッツポーズ。しかし表情は変わらない。清楚で凛とした笑顔を浮かべ、一礼する。


「初めまして。市島姫乃です。趣味は百人一首です。皆さんよろしくお願いします。」


 教室がどよめいた。


「かわいい……。」「美人じゃん。」「すげぇ。」


 質問攻めが始まる。姫乃は終始にこやかに受け答えを続ける。その様子を見ながら。タケルだけが静かに頭を抱えていた。


(猫かぶってるよおおおおお……。)


次回夜19時更新です。


お読みいただきありがとうございますm(_ _)m


皆様に大切なお願いがございます。


読んでみて少しでもいいと思っていただけましたら、、ブックマークと評価を★★★★★にしていただけるととっっっっても嬉しいです。(*´ω`*)


執筆を続ける励みとなりますので是非ともお願いいたします。m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。