ショートコント ノブ&ルー③ ショッピング(★イラスト有)
「今週も頑張ったのう。どうじゃ、気晴らしに街へ繰り出さんか?」
「街というと、この前見て回った八幡駅周辺か?」
「そこでもよいが、今日は別のところじゃ。何やら『ショッピングモール』という場所があるのであろう?」
「まあ、行ってもよいぞ。」
「よし、それでは善は急げじゃ! ほれ、この前の若い信長、頼むぞ。」
「ああ。よほど気に入ったのだな。」
若返った姿になった信長は、満足そうに腕を広げる。
「おおおお! なんだか気分まで若返ったようじゃ! ……いや、『じゃ』はいかん。この姿には似合わぬ。わしは信長だ! わはははは!」
「そのキャラで行くのか? 少々うざいぞ。」
「うざい言うな! 急に若者言葉を喋れと言われても分からんのじゃ!」
「分かった分かった。好きに喋れ。」
信長は思い出したように振り返る。
「そうじゃ、ルーちゃん。分身術で自分の姿をもう一人出せたりせんのか?」
「出来るか出来ないかと聞かれれば、出来るぞ。」
「ならば、ルーちゃんも分身体を用意せい。」
「なぜだ? どうせ一緒に見て回るのだ。その必要はあるまい。」
「気分の問題じゃ。気・ぶ・ん!」
「……まあよい。」
ルシフェルが指を鳴らすと、瓜二つの分身体が現れた。
「おおおお! 美人じゃ! ほんに美人じゃ! こりゃ気分もアゲアゲじゃ!」
「最近、よく分からない言葉を覚えたな。その『アゲアゲ』とは何なのだ?」
「細かいことは気にするな! それでは出発じゃ!」
転移陣が輝き、二人はイヨモール草津へと移動した。
「ほほう。なかなか洒落た店が並んでおるのう。どうじゃ、ルーちゃん。欲しい服やアクセサリーはないのか?」
「……我に服やアクセサリーなど不要だ。そのような物を欲しいと思ったこともない。」
「それはもったいない。ルーちゃんほどの美人が着飾らぬとは。世の男どもが放っておかんぞ?」
「よい。我を好きになる物好きなどおらん。」
「んー……ならば、あの店へ行ってみよう。」
そう言って信長は、ルーちゃんの手を取るようにアクセサリーショップへ向かった。
「おお、これなどどうじゃ? ルーちゃんにぴったりではないか。」
信長は上品なデザインのイヤリングを手に取り、ルーちゃんの耳元へそっと当てる。
「ほれ、見てみい。ルーちゃんの美しさが、ますます引き立っておる。」
「そ、そうか? 我にこのような物が似合うのか?」
「もちろんじゃ。ほれ、付けてみるがよい。」
店員に手伝ってもらい、イヤリングを付けたルーちゃんを見た信長は大きくうなずいた。
「ほれ見い。やっぱりよう似合っとる。」
ルーちゃんは鏡を見つめ、小さく微笑む。
「……うむ。確かに悪くない。そなたがそう言うなら、買ってみようかな。」
「いや、それは違う。」
「ん?」
「これは、わしからルーちゃんへのプレゼントじゃ。」
「え……?」
ルーちゃんは目を丸くした。
「プ、プレゼント? 我に?本当に?」
「ああ。」
信長は優しく笑う。
「ルーちゃんには、幸せになってほしいのじゃ。」
ルーちゃんの頬がほんのり赤く染まる。
俯いたまま、小さな声でつぶやいた。
「……ありがとう。」
少し間を置いて、もう一度。
「大切にする。」
「ああ。それだけで、わしは十分うれしいぞ。」
信長はイヤリングを購入し、ルーちゃんへ贈った。
◇
帰り道。
「今日は……我のために、すまなかったな。」
「そこは『ありがとう』でよいぞ?」
「あ……ありがとう。」
「うむ。」
信長は満足そうに笑う。
「また行こうな。久々によい一日じゃった。」
「ああ。また行こう。」
ルーちゃんも穏やかな笑みを浮かべる。
「今度は我が、そなたに何か贈ろう。」
「おお、それも楽しみじゃな。」
「ああ。楽しみにしておれ。」
夕日に染まる空の下、二人は並んで歩いていく。
そんな穏やかな休日は、ゆっくりと暮れていくのであった。
お読みいただきありがとうございますm(_ _)m
皆様に大切なお願いがございます。
読んでみて少しでもいいと思っていただけましたら、、ブックマークと評価を★★★★★にしていただけるととっっっっても嬉しいです。(*´ω`*)
執筆を続ける励みとなりますので是非ともお願いいたします。m(_ _)m




