↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
40/67

第17話② 知略戦開幕 後半

 一方その頃。


 安土城魔王学園校長室。


 諜報部長が一礼し、新たな報告書を信長へ差し出した。


「校長。」


「県内の神聖結界について、ご報告いたします。」


「申せ。」


「現在確認された神聖結界は三十七か所。うち三か所の解除になんとか成功しました。」


 信長は静かに頷く。


「成果は?」


「特にありません。」


「……。」


「重要施設。重要人物。いずれも確認できませんでした。さらに解除した翌日には、新たな結界が複数確認されています。」


 ルシフェルが小さく笑う。


《増えておるな。》


「そのようです。」


 諜報部長は滋賀県地図を広げた。住宅街。神社。学校。公園。山中。結界は無秩序に増え続けているようにしか見えない。信長は腕を組んだ。


「勝家。」


「はっ。」


「どう見る?」


 勝家は地図を見つめる。しばらく考えた後、静かに答えた。


「判断できませぬ。守りたい場所を守っているのか。あるいは全て囮か。全く見当が付きませぬ。」


 信長は満足そうに頷いた。


「その答えで良い。分からぬものを分かったふりする方が危険じゃ。」


 信長は報告書を閉じた。


「結界への干渉はしばらく中止じゃ。」


 勝家が顔を上げる。


「しばらく……ですか。」


「うむ。」


「今は優先順位が低い。意味も分からぬ結界を追っても敵の思う壺じゃ。まずは情報を集めよ。」


「承知いたしました。」


◇


 諜報部長が次の資料を差し出す。


「続いて、勇者候補についてです。」


 信長は資料を受け取る。


 そこには数十名の名前と写真が並んでいた。


「現在、勇者候補と推定される人物は五十七名。」


 勝家が思わず眉をひそめる。


「五十七?」


「はい。全員ほぼ同等の霊力反応を確認しております。」


 ルシフェルが吹き出した。


《そんな訳があるまい。》


 信長も小さく笑う。


「当然じゃ。勇者が五十七人もおる訳がない。」


 資料を机へ置く。


「撹乱じゃ。敵にも良い軍師がおるようじゃな。」


 勝家が頷く。


「本物を隠すため、偽物を増やしたのですな?」


「恐らくの。こちらが勇者を探すことまで最初から読んでおる。」


 ルシフェルが楽しそうに笑う。


《面白い。まだ姿も見せぬ相手に、ここまで備えるとは。》


 信長も静かに笑った。


「戦とは。相手が動いてから始まるものではない。動く前にどれだけ備えたかで決まる。」


◇


 信長は静かに立ち上がる。


「諜報部。」


「はっ。」


「勇者候補は監視だけ続けよ。追うな。刺激する必要はない。本物はいずれ自ら動く。その時を待つ。」


「承知いたしました。」


 諜報部長は深く一礼し、校長室を後にした。


◇


 窓の外では補習中のゴブリンたちの元気な声が聞こえてくる。


「ににんがし!」「にさんがろく!」「先生ぇ!」「また忘れました!」


 ベリアルが苦笑する。


「慌てなくて大丈夫です。九九は逃げませんから。」


 信長はその声を聞きながら微笑んだ。


「敵も育て。こちらも育てる。急いて天下は取れぬ。」


 ルシフェルは窓の外を眺めた。


《知略戦とは。存外、気の長いものよな。》


「それで良い。待てる者が。最後に勝つ。」


 天下人と姿なき軍師。互いに顔も知らぬまま知略の一手一手だけが、静かに盤上へ並べられていった。


次回はお昼の12時更新です。


お読みいただきありがとうございますm(_ _)m


皆様に大切なお願いがございます。


読んでみて少しでもいいと思っていただけましたら、、ブックマークと評価を★★★★★にしていただけるととっっっっても嬉しいです。(*´ω`*)


執筆を続ける励みとなりますので是非ともお願いいたします。m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。