↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/67

第11話① それぞれの秘密 前半

 膳所城高校。


 月曜日、一時間目終了。 休み時間。


 大和タケルは周囲を見回してから、そっと教室を抜け出した。


「よし。」


 向かった先は、誰もいない屋上。重たい扉を閉める。確認。


「誰もいない。」


 右手を前へ出した。


「火。」ボッ。


 小さな炎が掌に灯る。


「おぉ。」


 思わず笑みがこぼれる。


「やっぱり夢じゃない。」


 今度は左手。


「風。」ふわっ。


 優しい風が吹き抜ける。


「これ便利だなぁ。」


 炎を右手。風を左手。


「同時に……。」ボフッ!


 炎が消えた。


「ありゃ。」


 もう一回。


「火。」「風。」ボフッ。


「また消えた。」


 頭を掻く。


「難しいなぁ。」


 その時。


 ガチャ。


 屋上の扉が開いた。


「!」


 タケルは慌てて炎を消す。入ってきたのは先生だった。


「おーい。大和。何やってる。」


 タケルは一瞬で笑顔になる。


「風に当たりたくて。」


「若いねぇ。」


「授業始まるぞ。」


「はーい。」


 先生が去る。


 タケルは胸を撫で下ろした。


「危なかったぁ。バレないようにするの難しくない?」


◇


 一方。


 彦根。市島家。


 姫乃は自室で机へコップを並べていた。


 一つ。二つ。三つ。


「それじゃ。今日も練習。」


 右手を前へ出す。


「水。」ぽちゃん。


 小さな水玉が現れる。


「今日は。細長く。」にゅー。


「できた!」


 今度は。


「丸。」ぷるん。


「かわいい。」


 さらに。


「ハート。」水がゆっくりハート型になる。


「きゃー!できた!どんどんうまくなってる。」


 一人で拍手。


 その時。


 コンコン。


「姫乃。お母さんよ。」


「はーい!」


 慌てて水玉を消そうとする。


「消えて!」


 消えない。


「え?消えて!」


 慌てる。


 ガチャ。


 母が入ってきた。


「何してる……。」


 姫乃、両手を広げて立っている。


「……体操。」


 母は首を傾げる。


「変わった体操ね。」


「健康にいいかなって。」


「そう。」


 母は笑って部屋を出ていった。ドアが閉まる。姫乃は床へ座り込む。


「危なかったぁ……。」


 その瞬間。


 ポチャン。


 頭の上へ残っていた水玉が落ちてきた。


「きゃっ!」びしょ濡れ。


「もう!」


 部屋中へ叫び声が響いた。


◇


 同じ頃。


 草津。


 武見雷太は河川敷で腕立て伏せをしていた。


「九十八!九十九!百!」


 立ち上がる。


「よっしゃ!」


 右手を前へ突き出す。


「雷!」パチッ。


 小さな火花。


「お?昨日より強なった?」


 嬉しそうに笑う。


「もう一回。」パチッ。パチパチッ。


「よっしゃ!」


 そこへ犬の散歩中のおじさん。


「何してるん?」


 雷太は慌てて手を隠した。


「静電気です。」


「元気やなぁ。」


「はい!」


 おじさんが去る。


 雷太は大きく息を吐いた。


「危ない危ない。これ、隠しきれんやろ?困ったなあ。」


 空を見上げる。


「武甕槌のおっちゃん。早よ勝負したいわ。」


 右手で小さな雷を弾きながら、雷太は再び走り出した。


次回お昼の12時更新です。


お読みいただきありがとうございますm(_ _)m


皆様に大切なお願いがございます。


読んでみて少しでもいいと思っていただけましたら、、ブックマークと評価を★★★★★にしていただけるととっっっっても嬉しいです。(*´ω`*)


執筆を続ける励みとなりますので是非ともお願いいたします。m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。