第八話 エクリプス
ヴァイスが去った後もしばらく店内は静まり返っていた。
誰もが先ほどの出来事を理解できずにいる。
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最初に口を開いたのはフィンだった。
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「誰だよあいつ……」
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それは全員の気持ちだった。
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アークは店の入口を見つめる。
もうヴァイスの姿はない。
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だが。
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最後の言葉だけが頭から離れなかった。
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『その夢』
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『まだ見ているのか』
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なぜ知っている。
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誰にも話したことがないはずなのに。
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「アーク」
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グレンの声で我に返る。
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「顔色が悪い」
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「……そうか?」
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「そうだ」
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誤魔化せなかった。
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頭の中が混乱している。
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夢のこと。
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紋章のこと。
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ヴァイスのこと。
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繋がりそうで繋がらない。
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その時。
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セレスが倒した魔物の死体を調べていた。
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完全に研究者の顔になっている。
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「やっぱり……」
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何かに気付いたらしい。
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「知ってるのか?」
アークが聞く。
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セレスは頷く。
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「この紋章」
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魔物の胸を指差す。
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黒い円。
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その周囲を囲む七本の線。
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不気味な意匠だった。
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「古代遺跡で見たことがあります」
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「どこで?」
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「文献だけですが」
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セレスは鞄から手帳を取り出した。
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大量のメモ。
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びっしり書き込まれている。
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「確か……」
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ページをめくる。
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そして。
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目的の場所を見つけた。
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「これです」
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そこに描かれていたのは同じ紋章だった。
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その下には文字。
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古代文字。
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アークは自然と読み上げる。
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「終焉を告げる者」
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セレスの顔色が変わった。
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「読めるんですね……」
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「読めた」
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自分でも不思議だった。
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考える前に意味が分かる。
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昔からそうだった。
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セレスはページを見つめる。
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「終焉を告げる者……」
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「何なんだそれ」
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フィンが聞く。
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セレスは答える。
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「分かりません」
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「おい」
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「本当に分からないんです!」
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少しむくれている。
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だが。
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続く言葉は重かった。
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「ただ、この紋章はどの文献にも共通して出てきます」
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「何と一緒に?」
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セレスは息を飲む。
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そして静かに言った。
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「ネフィリムです」
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空気が変わった。
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その名前。
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アークも聞いた。
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夢の中で。
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さっきの幻覚の中で。
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確かに。
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『ネフィリム』
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そう呼ばれていた。
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「何なんだよそれ」
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フィンの声も少し弱くなる。
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セレスは首を横に振った。
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「伝説です」
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「伝説?」
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「はい」
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そして。
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「世界を滅ぼしかけた災厄」
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誰も喋らなくなった。
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笑い話ではない。
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セレスも真剣だった。
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「もちろん神話です」
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「でも」
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「古代文明の崩壊と関係している可能性があります」
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グレンが腕を組む。
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「嫌な話だな」
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その通りだった。
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嫌な予感しかしない。
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その時だった。
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アイリスが立ち上がる。
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「ごめん」
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「ん?」
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「少し外に出てくる」
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そう言って店を出て行った。
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アークは少し迷う。
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そして立ち上がった。
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「追いかける」
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グレンは止めなかった。
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ただ一言だけ。
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「目を離すな」
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アークは頷く。
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外へ出る。
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夕暮れだった。
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リベルタの街が赤く染まっている。
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そして。
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アイリスは時計塔の見える広場に立っていた。
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風が銀髪を揺らしている。
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アークは近付く。
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「大丈夫か?」
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アイリスは振り向かない。
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しばらく沈黙。
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やがて。
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小さく呟いた。
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「怖いの」
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初めて聞く声だった。
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弱々しくて。
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今にも消えそうで。
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アークは何も言えなかった。
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アイリスは空を見上げる。
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「何かが近付いてる」
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「何かって?」
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答えは返ってこない。
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代わりに。
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アイリスはぽつりと言った。
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「もし私が」
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言葉が止まる。
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何かを飲み込んだように。
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そして。
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無理やり笑った。
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「ううん」
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「何でもない」
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アークは納得できなかった。
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だが。
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それ以上は聞かなかった。
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今はまだ。
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アイリス自身も話せないのだと分かったから。
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その頃。
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リベルタ地下。
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誰も知らない遺跡の奥。
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ヴァイスは静かに歩いていた。
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そして。
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巨大な石扉の前で立ち止まる。
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扉には古代文字が刻まれていた。
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彼は迷いなく読み上げる。
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「蒼空の継承者が現れし時」
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「第一のレガリアは目覚める」
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石扉が震える。
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ゆっくりと開いていく。
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ヴァイスの金色の瞳が細められた。
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「始まるな」
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レガリアを巡る本当の戦いが。




