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蒼空のレガリア  作者:
1章 蒼空の継承者編
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23/31

第二十二話 七つのレガリア

 マルクトが消えた後も。


 ⸻


 誰も動けなかった。


 ⸻


 戦いは終わった。


 ⸻


 だが。


 ⸻


 何も解決していない。


 ⸻


 むしろ。


 ⸻


 謎は増えるばかりだった。


 ⸻


「順調って何だよ……」


 ⸻


 フィンが呟く。


 ⸻


 その疑問は全員同じだった。


 ⸻


 蒼空のレガリア。


 ⸻


 星記のレガリア。


 ⸻


 そして。


 ⸻


 マルクトの目的。


 ⸻


 全てが繋がっている。


 ⸻


 しかし。


 ⸻


 まだ答えが見えない。


 ⸻


 その時。


 ⸻


 ヴァイスが振り返る。


 ⸻


「説明する」


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 全員が固まった。


 ⸻


 アークも固まった。


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 リリアまで固まった。


 ⸻


「え?」


 ⸻


 リリアが聞き返す。


 ⸻


「説明するの?」


 ⸻


「する」


 ⸻


「熱でもある?」


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「失礼だな」


 ⸻


 初めて少しだけ空気が和らいだ。


 ⸻


 だが。


 ⸻


 ヴァイスの表情は真剣だった。


 ⸻


「これ以上隠しても意味がない」


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 そう言って歩き出す。


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 アークたちも続く。


 ⸻


 戦いで壊れた広場。


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 その一角。


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 比較的静かな場所。


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 そこで。


 ⸻


 ヴァイスは口を開いた。


 ⸻


「レガリアは七つある」


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 その言葉に。


 ⸻


 セレスが持つ本。


 ⸻


 アークの剣。


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 二人の視線が向く。


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「蒼空」


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「星記」


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「永刻」


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「命脈」


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「深淵」


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「天耀」


 ⸻


 そして。


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「創世」


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 七つ。


 ⸻


 それが世界を支える力。


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 アルカディアの根幹だった。


 ⸻


 セレスが聞く。


 ⸻


「全部集めるとどうなるんですか」


 ⸻


 ヴァイスは少しだけ黙った。


 ⸻


 答えたくないように。


 ⸻


 しかし。


 ⸻


 やがて口を開く。


 ⸻


「創世のレガリアが目覚める」


 ⸻


 アイリスの肩が震える。


 ⸻


 アークは気付く。


 ⸻


 だが今は何も言わない。


 ⸻


 ヴァイスは続けた。


 ⸻


「それがマルクトの目的だ」


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「ネフィリム復活のためか」


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 グレンが言う。


 ⸻


 ヴァイスは頷く。


 ⸻


「正確には封印解除だ」


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「封印?」


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「千年前」


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 ヴァイスの視線が空へ向く。


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「ネフィリムは完全には滅んでいない」


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 静かな声だった。


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 だが。


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 その内容は重い。


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「創世のレガリアが封印している」


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 その瞬間。


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 アイリスが目を閉じる。


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 苦しそうに。


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 まるで知っている話を聞くように。


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 セレスが気付く。


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「アイリス……?」


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 アイリスは何も言わない。


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 その代わり。


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 ヴァイスがアークを見る。


 ⸻


「お前も気付いているだろう」


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「何を」


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「夢だ」


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 アークの表情が変わる。


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「最近増えているはずだ」


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 図星だった。


 ⸻


 夢。


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 記憶。


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 幻。


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 日に日に鮮明になっている。


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 ヴァイスは静かに言う。


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「それは始まりだ」


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「アルトの記憶が目覚めている」


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 再びその名前。


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 アルト。


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 千年前の英雄。


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 アークは拳を握る。


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 そして。


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 はっきりと言った。


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「俺はアルトじゃない」


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 沈黙。


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 数秒。


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 ヴァイスは小さく笑った。


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 本当に少しだけ。


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「知っている」


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 意外な答えだった。


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「俺もノクトじゃない」


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 その言葉に。


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 アークは初めてヴァイスを理解した気がした。


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 似ている。


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 この男も。


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 自分と同じだ。


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 過去を背負っている。


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 だが。


 ⸻


 過去そのものではない。


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 その時。


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 アルドが歩いてくる。


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 長い沈黙の後。


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 賢者は決意したように言った。


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「見せなければならないな」


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 全員が振り向く。


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「何をですか」


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 セレスが聞く。


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 アルドは答える。


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「真実だ」


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 そして。


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「セレスティア最深部へ来なさい」


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 その言葉に。


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 ヴァイスの目が細くなる。


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 どうやら知っているらしい。


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 アルドは続ける。


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「そこには千年前から守られてきた記録がある」


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「黎明の五英雄」


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「天裂の災厄」


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「そして」


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 視線がアイリスへ向く。


 ⸻


「創世のレガリアについての記録も」


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 その瞬間。


 ⸻


 アイリスの顔から血の気が引いた。


 ⸻


 隠し続けてきた真実。


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 それが。


 ⸻


 ついに明かされようとしていた。

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