第八章 人を掘ろう 〜キャラクターの内面はエピソードで作る〜
前章では主人公の名前が決まった。
では、主人公ってどんな奴なんだろうか。温厚で、優しくて、理知的で、人を魅了する人物と、メモっておく。
これを私に提出したら、その場で突っ返されて、一言「やり直し」って言われる。
何が足りないのか。
▶キャラクターシートは履歴書
よく出回っているキャラクターシート。私がオススメしてるNolaにもついている。一所懸命に書いちゃうのだが、出来上がって愕然とする。キャラのこと何もわからない。
何故かというと、キャラクターの理解とは、外見の情報や抽象的な性格の把握では出来ないからだ。
でも、無駄ではない。これは、この先のために必要だったりする。
こういう時はチャットGPTの出番。
たたき台を勝手に作らせる。フォーマットだけ指定して、チャットGPTに生成させ、その上で不自然な点を潰す。経歴なんかはどうせ後で整合性がつかなくなって治すハメになるので、そんなに細かく作らなくていい。単なる情報はチャットGPTが適当に入れるだろうから。
キャラクターシートを見ても正直キャラクターを掴めないと思う。だってシートは履歴書だもの。
身長とか、体重とか、設定資料としては大事だけど、それは物語に重要か?というと、無くても文章は書ける。データとしてはあっていいけど、深堀りしたいのはそこじゃない。
▶キャラクターにも人生がある
キャラクターシートで何故キャラクターを掴めないのか。
そこに足りないのは経験とエピソード。つまり、それまで生きてきた逸話がないからだ。
冒険活劇だと割と少年だったり、中世だと15〜16歳で成人となる。このぐらいの年齢まで「何も経験してない訳がない」のだ。
つまりキャラクターが経験してきたことを15年分考えないといけない。これは何も日記を作ろうとか言うのではなく、どんなことをどんな風に感じたか――というエピソードをメモれば良い。
勿論、作中のエピソードを膨らませる会話や名言などでも良い。そうしたものは思いついたら書いておきたいが、案外こうしたエピソードは新キャラの方が思いついたりする。
こうしたエピソードは両方のシートに記入しておくと良い。二人の関係性が明確になる。
異名やあだ名なども案外面白い。なんでそんな呼び方をされたのか?は面白いエピソードになる。
これはチャットGPTで壁打ちしてるのが一番アイデアが浮かんでくるはずだ。
ある程度できたらチャットGPTに整理させ、キャラクターシートを完成させよう。
▶人は自分を演出している
でも、経験やエピソードだけではまだ足りない。人は誰しも自分を演出しているからだ。
服装を選ぶ。
髪型を整える。
好きな色を選ぶ。
口癖がある。
そうしたものは全て「私はこういう人間だ」という無意識の表現だったりする。
キャラクターも同じだ。
こういう時に役に立つのがキャラクターイラスト。
チャットGPTに画像生成させてもいい。さっき作ったキャラクターシートをチャットGPTに喰わせてみよう。思い通りのものが出てこないこともあるが、80点で我慢しよう。
キャラクターイラストには様々な情報が(間違っているかもしれないけれど)詰まっている。
特に表情や姿勢、服装、小物などはキャラクターを深掘りするヒントになる。
中世ものだと案外勝手に紋章だとか描いてくることもある。こうしたものは設定を作るいいきっかけになるので保持しておくといい。
キャラクターの外見は「アイコン」だ。
服装は変えられるし、髪型も変わる。だが、読者がその人物だと認識する特徴は残しておきたい。
こうして壁打ちを繰り返していくと、履歴書だったキャラクターが、少しずつ人生を持った人間へと変わっていくのである。
主人公以外にもレギュラーメンバーはキャラクターシートを用意しておこう。そうしたら意外とエピソードが膨らみ始める。




