第五章 あらすじを書こう!〜あらすじははじまりに過ぎない〜
▶あらすじを書く前の準備体操
ゴールと予算が決まったら次はあらあらのシナリオだ。先ずは千字ぐらいのあらすじを……といいたいところだが、まだ早い。先ずはポストイットを用意してくれ。できれば細長くない奴がいい。
そこに書きたいことを一枚に一つ書いていて、思いつく順番に並べよう。ここに書くのはどんなイベントを起こすかで、詳細は書いても書かなくてもいい。
例えば「コカトリスを倒す」とか「ムカつく上司の不正を暴く」とか。「初デート」とか「3回目のデートでやっと手を繋ぐ!」とか、そんな感じでいい。詳しい中身は後回しでOK。使える使えないじゃない。思い付くだけ書き散らすのだ!
ここでは、時系列を考慮しない。盛り込みたいことを書いていく——という作業。これ、案外愉しい。兎に角、思い付く限りのやらせたいことを書こう。
これをプロットアイデアといい、複数の人で行うことをアイデアミーティングと言ったりもする。広告業界なんかでも、実際のコンセプトを考える前にやってること。
複数でやるときに肝腎なのは「否定しないこと」なんだ。意見を否定すると、大体萎縮する。萎縮したらいいアイデアは出なくなるからね。否定は現金……じゃなくて厳禁。
アイデア出しが終わったら、スタートとゴールは先にどんな話か、同じポストイットに掻い摘んで書いておこう。それを左にスタート、右にゴールとして置くといい。
そうしたら、二つの間に思いついた書きたいことを時系列を考えながら並べてみる。
時系列に入らないものは、手札として置いておく。スタートの次は、こうだよね、そうしたらこうしたらワクワクするよね。その次はこうして――大まかな物語の枠組みが見えてきただろうか。
そうしたら、それらをそのまま取っておいて(あとでまた使うので、ノートなどに順番にして貼って置くといい)、手札以外の並べたメインフレームだけであらすじを書く。
例えば、最終的に8〜10万字程度の作品を想定しているなら、あらすじは千文字程度にまとめよう。
これはアナログな私のやり方で、絶対ではないが、試してみてはほしい。デジタルデバイスで小説を書くときに、キャラクターシートや世界観シートは、デジタルデバイスで管理した方がいい。
だが、プロットの元になるアイデア出しだけは、アナログが圧倒的に楽だ。これをAIに代替させてもいい。壁打ちはとてもいい脳の体操になる。だが、それを書き出してポストイットでやってほしい。
AIはこの取捨選択が物凄く下手だからだ。
▶このあらすじは読者のためじゃない
ここで書くあらすじは、あくまで暫定のもの。シナリオとプロットを作るためのものでしかない。
なんでこのあらすじが必要なのか。
それは次に行うプロットメイキングの土台になるからだ。あらすじというよりは、物語の主軸となるメインストーリーといった方がいいかも知れない。
・目的——主人公は何を目指すのか
・動機——何故それを目指すのか
・葛藤——何が邪魔をするのか
・佳境——最大の山場は何か
・結末——最後にどうなるのか
この五つを意識して書くのがベスト。ここは分けて書いてもいい。
▶ログラインとタグライン
あらすじができたら、ログラインとタグラインを書いておく。
何じゃそりゃ?という声が聞こえてきそうだが、ログラインとタグラインはこんな感じ。。
ログライン:作品を作るための中心線
「誰が/何を求め/何に阻まれる話か」
タグライン:作品を読んでもらうための約束
「この作品を読むと、どんな物語体験があるか」
ログラインは内容を2〜3行ぐらいで要約したもので、企画のコアプロット。タグラインは簡潔に1行で表現したものなので内容より感情寄りになる。
ここまでできたら、ようやくプロットを組む段階への準備が整う。次は大プロットへと進もう。




