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実践!創作設定論  作者: 月桑庵曲斎
執筆編〜いきなり本文は危険です!〜
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第十三章 設計図から下書きまで〜ストーリーは此処が肝〜

 ここまでは設定の作り方や情報の整理を見てきた。再度言っておくが、実践編は順番などない。あくまで説明するために順番に書いただけであって、必要になったところからやればいい。そこが準備編との違いである。


 また、ここからは「執筆編」となるが、特にこの章で話題とする「小プロット」では実践編の各設定と行き来することになるだろう。


▶小プロットは本文の設計図


 小プロットというのは、多くの人が思い描いているプロットのこと。つまり、書く内容を箇条書きにしておくものだが、私の場合、此処に「台詞」を加えておく。


 これは後で下書きにするときにシーンを思い浮かべやすくなるのと、本文に入ったときに膨らませる区切りとなってくれるからだ。


 また、キャラクターの動きや感情もダイレクトに書く。こうしたものは本文で書き直すので、小説ではなく台本というか脚本的に書くのが望ましい。


 こうしてプロットだけで一話あたりの目標文字数の四分の一にしておく。これは台詞やキャラクターの行動や感情を除いて、「いつ」「どこで」「なにをする」をその文字数にしておくといい。


 これは、台詞やキャラクターの行動や感情を含めて設定文字数の半分を下書きの文字数にしているからだ。


 下書きは本文の半分以下が望ましい。


▶一話には一つの変化を置く


 さて、小プロットのボリュームを理解してもらったことで、一つだけ重要なことがある。それは一話に入れられる大きな変化は一つだけに絞る……ということだ。


 これは何故かというと、一話の文字数にもよるが、基本的に一話の主題は変わらない方がいいからだ。


 複数の主題が入り込むと話は、ややこしくなり、読者は読む物差しを見失ってしまう。大体、五千文字で一つくらいで丁度いいだろうか。


▶設定はエピソードの中で使う


 設定は説明するために使うのではない。勿論、説明が必要なら説明する。但し、台詞で簡潔に説明してから、地の文で要所を補強するとか、先に登場させてからキャラクターが解説しているように見せることが大事だ。


 原則は登場人物が何かを選ぶ、失う、手に入れる、あるいは失敗するために使う。


 例えば「青龍教会」という設定があるからといって、その歴史を一段落で語る必要はない。ラパステーが祈る、指示をする、誰かを庇うといった行動の中に、教会の立場や権威が滲めばいい。但し、教会という普遍的な言葉を使うと一神教と考える人も居るので、台詞には気を使う。此処で「神よ」と言わせず、「神々よ」と言わせておくことは大事になる。


 小プロットには、その回で使う設定だけを書いておこう。使わない設定は、どれほど作り込んでいても持ち込まない。逆に、使い捨ての小道具なんかは盛り込もう。それこそてんこ盛りに(笑)


 そうした小道具は、案外後で伏線になったりするので、盛り込んだ設定は、別に書き出しておくといい。まぁ、シナリオが最後まで出来ていると、後に出てくる小道具を前にチラ見せしておくなどということができるので、小道具も中プロットに入れておくと良かったりする。


 だから、小プロットは、本文を書く前に物語を一度書いておく作業になる。ここまでは一回最後までやっておこう。


 それと、ここでキャラクターが動かなければ、本文でも動かない。その時は、動かすためのトリガーが要る。このトリガーにはプル(ヒキ)とプッシュ(押し)があって、プルが誘導、プッシュが強制なので、できるだけプルで誘導するのがいい。プッシュが強いと「強引な展開」と読者は捉える。なのでプッシュはここぞ!という時まで取っておこう。


 逆に、ここでキャラクターが動き出したなら、下書きはもうできているとも言える。あとはどういうシーンかを書き加えればいいだけだ。

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