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実践!創作設定論  作者: 月桑庵曲斎
実践編〜執筆までは遠き道のり〜
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第十二章 情報を見よう〜視覚化という整理〜

 地図を作ろう!というといきなり海岸線を描いて大陸から書き始める人が居るが、それはいま必要だろうか?を一度考えてほしい。


▶シナリオに沿って地図を描く


 まずは紙の中心にスタートとなる場所を書こう。そしてシナリオで次に出てくる場所を書く。次、次、次……。


 多分、建物の構造図になった筈だ。もしくは村の地図かもしれない。街の一部のこともあるだろう。それが今、君のシナリオに必要な地図だ。


 そういうものを書くと、本文を書くときに何方が南向きか?なども気になるはず。そういう決めてない必要な情報を書き留めておく。後で決めるためにね!


 タイムラインは大まかに一本の流れを作ることが大事だったけど、地図は実はいろんな種類がいる。


 タイムラインが「いつ」を整えるなら、地図は「どこ」を整えるツールだ。


 しかも、いつによっても地図は変わる。書き込まれる情報が変化する。紀元前330年と、1400年代の地図では記載される情報が全く異なるからだ。場合によっては川の流れも変わるし、海岸線も変わる。


 こうした地図を作る上で便利なのはレイヤー構造だ。ベースの地図の上に透明なシートを乗せて情報を記載すると簡単に差し替えられる。


 ただ、これはなかなかソフトを入手して使いこなすのが難しいので、まずは手書きで描いたものを写メってチャットGPTに仕上げてもらうのがいい。仕上げるときに気をつけるのは「先ずはベースになるものを作る」こと。


 シナリオに沿ってすべての情報を記載しすぎると見づらくなるので、記載するレイヤーは、分けるようにしよう。


 例えば、ベースの地図には地形と主要な街だけを書く。その上に国家や部族の勢力圏を書くレイヤー、さらに主人公や軍勢の移動経路を書くレイヤーを重ねる。こうして分けておけば、戦争の前後で国境が変わっても、移動経路だけを確認したい時でも、必要な情報だけを見られる。

 一枚の地図に全部を書き込むと、情報量が増えた時点で読めなくなる。地図は美術作品ではない。自分が確認したい情報を、最短で見つけるための資料なのだ。


▶地図を作るタイミングは「必要になった時」だ!


 私の場合、地形がオリジナルではないため、少し手法が異なる。『オルガ―狂奔の女帝―』は国境が違いはするが現実の世界地図であるからだ。


 どちらかというと、女帝成立条件を発見するためにシナリオより先に必要になった。紀元前330年時点での欧州各地の部族配置を把握しなけらば、「ゲルマン民族の大移動がない世界とは?」という命題に答えが出せなかった。ここから世界観が生まれたほど早い段階でこの部族配置図を作っている。


 これは「民族ドミノの歴史を把握するために、必要な情報を整理したいため」である。


 地図は場所の情報を整理するために作る。


 そして地図を作ることで、場所と場所の距離が明確になり、隣接関係、人物や軍勢が何日で移動できるのかが見えてくる。


 その結果、年表で整えた時間軸にも、もう一度修正が入る。


▶タイムラインを地図に落とし込む


 ここで求められている地図は普通の地図ではない。主人公の動きなどは時系列なども含めて表示すると分かりやすくなる。


 特に敵対勢力との相対的な動きを把握する上ではこうした移動記録は重要な情報整理になる。


 また、移動距離については軍隊だと通常行軍で四時間ほどになる。強行軍でも6時間が限度だ。前に設営の片付け、後に設営があり、食事の支度などもある。睡眠と食事が軍隊の基本で、これを考えない軍は疲弊して戦えなくなるので、余程のことがない限り、頭に入れておかないといけない。


 個人でも四時間以上はあまり移動しない。健脚な人でも六時間が限度だろう。そう考えると飛脚は異常なスピードで移動していたことが分かるが、それは「専門家」であったということも考慮に入れる必要がある。


 ちなみに、私は距離を「○日」で地の文に書くようにしているが、これも一日四時間の移動として計算している。

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