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落ちこぼれ魔法士は【樹木魔法】で世界を救う!?  作者: はりまぐろ
第二章 第七位階魔法【精霊魔法】〜王都チェリーリア襲撃事件〜
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ーーー


「それでは俺は影に潜るぜ」


檻に囲われてしまったヤエ公爵邸に突入する前に、サイプレスには影に潜ってもらうことにした。


「【精霊魔法】闇の精霊シャドー召喚、さらに【精霊魔法】潜影」


すると、サイプレスの体に闇の精霊シャドーが一体化して、サイプレスの存在感が急激に薄れていった。

闇に溶けていくように存在感を消したサイプレスは、そのまま僕の足元に落ちている影に吸い込まれていった。


「うわぁ、すごい魔法ですね!」

『そう言ってもらえると嬉しいぜ』

「えっ!?念話?」


僕とサイプレスは結魂していない。

なぜならキエノが凄まじい圧を発していたため、僕もサイプレスもお互いにそのことについて触れられなかったからだ。

そしてキエノはどこがで結魂式を挙げることにこだわりがあるらしく、この場で適当に済ませてしまうことを良しとしない。

しかしこの頭に響く声は間違いなくサイプレスによる念話だとしか思えない。


『サイプレスさん、これは念話なのですか?』

『そうだ。影に潜った相手とは、念話することができるようになる。俺は屋敷に入り次第、影を経由して王族の近くに移動することにするぜ』

『承知しました。よろしくお願いします』


「それではスリーズ、行こうか」

「はい」


檻で封鎖されたヤエ公爵邸には一箇所だけ、僕達を誘い込もうとするように入り口となる部分があった。

明らかに罠であるとわかる檻の中に踏み込むのはとても恐ろしいのだが、中に閉じ込められているヨシノや王族や父アスペラのことを思うと、救出に向かうしかない。


「ごめんくださーい」


すると、晩餐会場となっていた広間には頭に角を生やしたアーコレードがおり、蝙蝠羽の魔族モニリニアの姿もある。

ヨシノは檻に閉じ込められているが怪我は見当たらず、他のみんなも無事のようだ。


「来たな、クソガキぃ!俺と決闘しろ!」

「受けてたとう、アーコレード」

「ひひひ、決闘を承諾したなぁ!決闘の冥霊デュエル、決闘場を開け!」


決闘の冥霊デュエルという存在は精霊を禍々しくしたような見た目をしており、邪悪な光を放つと晩餐会場はいつしか暗黒の決闘場に変化していた。

床は石張の固い材質で覆われており、明らかに絨毯が敷き詰められたヤエ公爵邸のものとは異なっている。

決闘の冥霊デュエルは周囲の環境すらも変化させてしまうらしく、そのチカラの強さが窺える。


「決闘のルールは簡単、俺がお前をぶち殺せば終了で、勝者はヨシノを得ることが出来るのダァ!」

「アーコレード様、口調が乱れておりますよ。ほら、そこは作戦通りに」

「あぁん?おお、そうだった。こちらはこのモニリニアも決闘に参加するから、お前も協力者を1人追加していいぞ」


アーコレードの白目の部分が徐々に黒く染まりつつある。

敵の心配などしてやる必要は全くないのだが、見ていて少し心配になる。

しかし決闘にはルールがあるようだ。

人数がお互いに揃わないといけないとでも言うのだろうか。

なかなか律儀な冥霊である。


「なら、こちらはスリーズを協力者に指定するよ。スリーズ、行ける?」

「絶対出来る、絶対出来ます!」

「いいだろう、スリーズ。お前も決闘への参加を認めてやろう」


スリーズのやる気は十分なので、良しとしよう。

しかしスリーズは丸腰なので、審判に異議申し立てをしておいた方がいい。


「スリーズに武器をくれ。そうじゃないと対等な条件にならないぞ」

「ぬ、好きにするといい。丸腰の女を殺したとあっては俺の伝説の汚点となりかねないからな」


敵はスリーズが武器を手にするのを待ってくれるようだ。

しかしアーコレード、お前はすでに近年稀に見る反逆者として伝説になりつつあるぞ。


「スリーズ、お前の剣はここにある。老骨に鞭打って決闘に参加しようとも思ったが、やれるんだね?」

「はい、必ず勝利をお約束します。それと、これを預かっておいてください」


そう言ってスリーズは、僕がプレゼントした神経回路の模倣コピーを、ヤエに手渡した。


「これは!そうかい、頑張りな」

「はい!」


スリーズは愛用のミスリル剣を手に取って戻ってきた。

それはヤエが引退するまで使っていたミスリル剣で、現在はスリーズが愛用している物だ。

細身だが刃こぼれ一つなく、刀身は銀色に輝いている。


「お待たせしました。私はいつでも大丈夫です」

「それなら今度こそ決闘開始だ!部外者は観客席につけ!」


アーコレードがそう宣言した瞬間、晩餐会場にいた決闘に参加しない物は強制的に決闘場を取り囲むように配置された座席に移動し、鎖が巻き付いて身動きが取れないようになった。

決闘の冥霊デュエルのチカラは、決闘を遂行するために必要なことを全て網羅しているらしい。


「いくぜ、【冥霊魔法】地獄騎士の冥霊ドガ召喚。地獄騎士の軍勢よ、俺の盾となれ!」


アーコレードがさらなる【冥霊魔法】を発動すると、地の底から這い上がるようにして多数の地獄騎士達が現れた。

地獄騎士の身体は浅黒く変色しており、目は正気を失って澱んでいる。

明らかに生者ではない地獄騎士達は皆同じような剣と盾と鎧を身につけており、アーコレードの身を守るように武器を構えている。

さらに、一体だけ他の地獄騎士よりも体格の大きい騎士がおり、明らかに他の騎士より強そうだ。

アーコレードはこの地獄騎士達に守られながら、魔法で攻撃しようと言うのだろう。

これは遠距離魔法を使う魔法士の典型的な布陣で、盾役となる騎士達が敵の攻撃を食い止めている隙に魔法を撃ち込んで相手を倒すことを目的としている。


「こちらも【精霊魔法】樹木の精霊ドライアド召喚、花の精霊エフェメラル召喚」


僕はジャケットのポケットからケヤキの種をいくつか取り出すと、魔力を込めてドライアドの依代を作り出した。

さらに、ユリネはエフェメラルと共に大輪の百合の花を咲かせ、癒しの祝福を振りまいてもらおう。


「ふふふぅ、私も【冥霊魔法】手品の冥霊トリック召喚」


モニリニアも能力不明の冥霊を召喚している。

敵は第七位階魔法士のようだが、スリーズには荷が重いだろうか。


「ゼルコバ殿、あの魔族は私にお任せください」

「スリーズ、無茶しないでね」

「絶対出来ます!」


スリーズのやる気が溢れ過ぎていて逆に心配なんだけど、任せると決めたら僕はアーコレードを倒すことに集中しよう。

アーコレードは地獄騎士を多数召喚して僕とドライアドの接近を警戒しているようだ。

これを神の枯枝に蓄えた魔力を使った大出力の魔法を振るって薙ぎ払うことも出来るが、地獄騎士が無限に湧いてくるようだとこちらの魔力が尽きてしまう。

ここは接近戦に挑戦するしかないが、僕は剣は素人だ。

誰か僕に戦い方を教えてくれる人がいれば良かったのだが、今更嘆いても手遅れだ。


『主、私は騎士モードに変身することもできます。もしよければ戦い方をお教えしましょうか?』

『えっ?ドライアドが騎士モードに!?ぜひともお願いしたい!』

『承知しました。それでは騎士モード』


するとドライアドの形状が変化して、木製の鎧を纏った騎士モードになった。

その手には生きた樹木で作られた剣と盾があり、勇ましい立ち姿は鎧を身につけたスリーズのように凛々しく見える。


『主はどのような戦い方を目指しておられるでしょうか?』

『それが自分でも定まっていないんだけど、とりあえず神の枯枝を利き手の右手で持って、左手は空いている方がいいかなと思って』


左手は樹木の種などを取り出す時のために空けておきたいが、そうすると右手に持つのは剣か盾のどちらかになる。

攻撃を優先するか防御を優先するか、悩ましいところだ。


『それではこう言うのはいかがでしょうか?』


そう言うとドライアドは剣を一旦消し、盾の形状を変化させて直径30cmほどの円形に整えた。

それは拳で握り込むタイプの小型盾で、バックラーと呼ばれる物だ。

左手は無手のまま、ドライアドは地獄騎士達に向かって歩いていく。

地獄騎士は隊列を組み、ドライアドを警戒してじりじりと距離を詰めている。

ドライアドは膝を軽く曲げ、右拳は顎、左肩は顎を守る位置に置き、フットワーク軽く、踵を少し上げている。

バックラーを装備したボクシング選手のようだ。


あと一歩で地獄騎士の剣が届くところまで接近したドライアドは、敵の懐に潜り込むと地獄騎士の顔面をバックラーで殴りつけた。


ゴシャ!


という音がして地獄騎士の顔面が陥没する。

さらに、飛び込んで来たドライアドを仕留めるために地獄騎士が剣を振り上げたところに潜り込み、今度は左手の手刀で敵の胴体を貫いた。

さらに二体ほどの敵を倒したところでドライアドは軽やかにジャンプして、僕の隣に着地した。


『ふぅ、どうでしょうか?』


どうでしょうかと言われても、今の動きを僕にやれと言うのだろうか。

いやまて僕、苦手から逃げていては成長の機会を逃してしまうぞ。

できないから諦めるのではなく、できるように工夫するんだ。

失敗してもいい、僕には魔法障壁がある。

これを体の表面に展開しておけば、仮に剣で攻撃されたとしても痛くない。

エフェメラルによる癒しの祝福もあるから、万が一にも剣で死ぬことはない。

勇気を持って挑戦するんだ。


『それでは私が敵を一体だけ隔離しますので、主は練習してみてください』

『わかった、お願いするよ!』


かつて実戦の最中に訓練を始める人間がいただろうか。

それが僕だ。

胸には剣聖の証が虚しく輝いている。

アーコレードは僕らの実力を測っているのか、先ほどから攻撃してこない。

まさか僕の魔力切れを期待しているのではあるまい。


ドライアドは素早く動き、バックラーで二、三体の地獄騎士をまとめて殴り飛ばすと、一体だけわざと見逃して僕の方に誘導してくれた。

この一体が僕に与えられた試練だということだ。

僕は神の枯枝を右手に握り込み、バックラーをイメージして魔法で盾を作り出した。

要は常時発動している魔法障壁みたいなものなので、すでに習得している魔法を応用しただけだ。


思えば僕は生身の状態で戦ったのは、ジッペリアナ老人が召喚したライカンスロープと、アジュガローマ防衛戦で戦ったオークジェネラル以来となる。

今思えば、ジッペリアナ老人が盗もうとした魔導書は、使用者に強制的に第七位階魔法を使わせるような効果があったのではないだろうか。

ジッペリアナ老人は第六位階がどうとか言っていたが、魔導書から魔物が出てくる様は第七位階魔法の召喚を思わせる物だったし、明らかにジッペリアナ老人の力量を超える魔法だったように思う。

気になるので今度実家に帰った時に確認してみよう。


「ぐぉー!」


余計なことを考えていたら、地獄騎士が僕に向かって剣を振り上げているところだった。

僕は先ほどのドライアドの戦い方を真似て膝を軽く曲げ、右拳は顎、左肩は顎を守る位置に置き、いつでも動き出せるように体勢を整えた。

相手の剣をよく見る。


遅い。


僕は違和感を感じつつも体を半身にしつつ、バックラーを剣の腹に当てて攻撃を逸らす。


ポキリ


「えっ?」


なんと、軽く攻撃を逸らすつもりで当てたバックラーは、そのまま地獄騎士が振り下ろした剣を折ってしまったのであった。

呆然とした地獄騎士の体勢は崩れたままだ。

隙だらけなので僕も攻撃してみることにする。

僕は左手を鋭利なスコップのように【強化】し、ガラ空きの胴体目掛けて突き刺した。

肉を突き破る嫌な感触があり、そのまま僕の左腕は地獄騎士を貫通して反対側から飛び出した。


「(ひぇぇ、グロっ……)」

『ゼルコバ様、素晴らしい動きです。このドライアド、感動いたしました!』

『あ、ドライアド。なんだかよくわからないんだけど勝手に体が動くんだ』

『無意識のうちに技を習得したのですね。ゼルコバ様は武の才能がおありのようだ』

『よくわかんないんだけど、僕も戦えそうだからそっちに行っていいかな?』

『もちろんですとも』


僕は一体の地獄騎士を倒したことで自信を得て、さらにドライアドが戦っている前線へと移動を開始した。

進むたびに地獄騎士が立ち塞がるが、奴らは必ず攻撃する前に一回剣を振り上げるクセがあるので、そのタイミングさえ知っていればどうということはない。

さらに、相手の攻撃が遅く感じられたのは、ヤエとのお手玉取りゲームの成果であったようである。

僕は一定以上のスピードを感知すると自動的に脳が警戒モードに入り、消耗し過ぎない程度に無意識に体感時間を遅くできるようだ。

その証拠に、今まで目で追えなかったドライアドの動きが、戦闘中はよく見える。


そうとなれば話は早い。

右手に作り出したバックラーで殴ってもいい。

左手を鋭利なスコップにして突き刺してもいい。

なんなら【鑑定】を使用し続けることにより自らの体内を探り、さらに動きが洗練されるように神経を【強化】してもいい。


とにかく、すでに僕はこの時、地獄騎士が何体攻めて来たとしても、跳ね返せるだけの力量を身につけていたのであった。


「なっ!全然魔力切れしねぇじゃねぇか!どうなってるんだ、モニリニア?」

「ワタクシに聞かれても困りますねぇ。しかし今ちょっと取り込み中なのでぇ、話は後にしてくださいぃ」


アーコレードは少し焦っているようにも見えるが、ようやく剣を抜いて魔法を撃ち始めた。

しかしその魔法はあくびが出るほどゆっくり飛んでくるので、僕とドライアドは難なく避ける。


アーコレードの放った魔法の着弾地点では、雷撃と爆撃が同時に発生して、周囲の地獄騎士を複数体まとめて葬り去った。

何発撃っても当たらないぞ、そんなもの。


「なっ!俺の爆雷球をかわしただと!?ならこれでどうだ、爆雷球滅多撃ち!」


アーコレードは狙いも特に定めずに、とにかく数でゴリ押ししてきた。

一発一発は避けるのに苦労しないのだが、着弾地点で発生する雷撃と爆撃が厄介だ。

なんとか誘爆させる方法はないものか。


僕が火球を放って相殺するか。


火球を放つ魔法は、僕ははっきり言ってあまり得意ではない。

初歩的な魔法なので習得はしているが、なんとなくしっくりこないというか、使っていてあまり楽しくない。

使っていて楽しいのは、【樹木魔法】や魔力ロープを操る魔法、魔力チェーンソーで枝を切断する魔法、手をスコップにして穴を掘る魔法などだ。


「(そうか、わかったぞ。僕は林業関係の魔法が得意なんだ!)」


ロープは伐採や枝打ちなどでよく使う。

枝を吊りおろしてもいいし、伐採する時の引き綱にしてもいい。

荷物をトラックで運搬する際には荷締めもできるし、テントだって張ることができる。

さらに、滑車を使えば倍力システムと言って、動滑車を使用して小さな力で重い荷物を持ち上げることもできる。


そういえば、滑車はまだ試していなかった。


そう気がついた僕はさっそく魔法で滑車を生み出し、【念動】で移動させて空中に配置した。

そして魔力ロープを滑車に通し、地獄騎士の体に巻きつけて一気に引き上げる。

地獄騎士は哀れにもアーコレードが放った爆雷球に直撃し、星となって散って行った。

手応えを感じた僕はさらに滑車とロープで地獄騎士を吊り上げ、爆雷球を相殺していく。


「できた!新魔法、マリオネットだ!」

『おめでとうございます、主』


滑車は何個でも配置でき、魔力ロープは一度使った後も再利用できるので魔力消費はほとんどない。

使い勝手の良い魔法が、僕の手札にまた一つ加わった。


地獄騎士をマリオネットで吊り上げて凌いでいるうちに、いつしかアーコレードを守る地獄騎士は残り一体となっている。

1番大きくて強そうな奴だ。


『我が名は地獄騎士の冥霊ドガ、さあこい勇者よ』

「僕はゼルコバ、いざ参る」


出し惜しみする必要はない。

散って行った地獄騎士達が教えてくれたことを全て詰め込むだけだ。

脳魔法で神経回路を【強化】、さらに脳から全身に伸びる神経の末端までを追っていくと、さらに【強化】は精度を高める。

体感時間は引き延ばされ、もはやドライアドの動きさえも緩やかに感じられる。


これまで僕は【強化】を使う時、体の外側を纏うようにして使っていた。

しかしそれでは体表面が固くなるばかりで、肝心のパワーがいまいち上昇しない。

僕はこれの精度を高め、筋肉の繊維一本一本に対して【強化】することができるようになっていた。

全身満遍なく【強化】行き渡らせ、特に腕と腰に重点を置いて魔法を込める。

右手には神の枯枝が握られており、バックラーに変形させた魔法障壁も傷ひとつない。


僕は圧倒的に緩やかな世界を疾走し、地獄騎士の冥霊ドガをバックラーで殴り飛ばした。


ドゴォン!


巨木が伐倒された時のような轟音を放ち、地獄騎士の冥霊ドガは胴体に風穴を開けて吹き飛んでいた。

ドガの体は禍々しい暗黒の泡沫となり、徐々に崩れていく。


『見事なり』

「へへ、キミたちと戦えて勉強になったよ。ありがとう」

『これは奇妙なり、さらば……』


ドガは正々堂々とした良い奴だった。

冥霊だって、話せばお互いに理解できる道もあるのではないか。


「うわぁぁぁ!なぜだ、なぜそんなに強い!強すぎる!お前の固有魔法は洗脳ではなかったのかぁ!?なぜ魔力が尽きないんだぁ!」


またアーコレードが訳の分からないことを言っている。

僕の固有魔法が洗脳だってのは、一体どこから湧いてきた情報なんだ。


「アーコレード、お前の負けだ。観念しろ」

「まだ俺は、いや、俺たちは負けていない。モニリニアがスリーズを討ち倒し、俺はモニリニアと協力して貴様を殺す!モニリニア、そっちはどうなっている!?」


そう言えばスリーズは上手くやっているのか。

僕も気になって顔を向けると、メカメカしい機械仕掛けのレッドドラゴンとスリーズが今まさに戦っているようだった。

モニリニアはレッドドラゴンを応援しつつ水晶でスリーズを狙うが、スリーズの舞うような剣に弾かれる。

モニリニアとメカ・レッドドラゴンの2人がかりで、スリーズ1人と互角のようだ。

この短期間でスリーズは驚くべき成長を遂げたようだ。


僕も応援に行った方がいいか。

そう考え始めた時、メカ・レッドドラゴンは大技のブレスをスリーズに放った。

ブレスは広範囲を焼き滅ぼす魔法攻撃で、レッドドラゴンの必殺技とも言える。

並の魔法士ではその威力を受け止めることができず、一瞬で蒸発することだろう。


そのブレスを、なんとスリーズは手にしたミスリル剣で真っ二つに断ち斬った。


魔法を斬った。

そうとしか思えない究極の剣術が、僕の目の前で繰り出されたのであった。


ブックマークと評価をいただきありがとうございます。

執筆の励みになり、大変嬉しく思います。

今後も応援いただければ幸いです。

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