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第76話 影の支援者

私は対テプサ、ルグド部隊の拠点に入った。


「ルーテリアさん、あなたの性癖以外で何か異常はありますか?」


「ございません、教祖様」


「師匠はまず謝るべきことがあるんじゃないですか?」


「謝るべきことですか? あ、ルーテリアさんの悪い噂を流して、一般市民からの評価を下げたことですか? 確かにそれはしましたけど、ルーテリアさんの世間からの評価はそれほど高くないので効果はありませんでしたよ?」


「え? そんなことしてたんですか? って、そうじゃなくて、予定より一週間も遅刻したことですよ」


「ああ、そのことですか。ルーテリアさんと会話する……間違えました。粘着クリーナーと顔を合わせるのが億劫だったので、魔王城を出発するのが遅れました。ルーテリアさん、一応、形だけは謝っておきますね」


「いえ、教祖様、はぁ、はぁ、ありがと……じゃなくて、お気になさらないでください」


「今のは謝罪に入りませんよ」


「でも、喜んでいただきましたよ? まあ、そこまで言うなら仕方ないですね。どうやって謝罪するのかイラリアが実演して教えてください。実演はルーテリアさんを使っていいですよ」


「代わりに謝らせようとしてませんか?」


「ルーテリアさん、状況はどんな感じですか?」


「攻撃により、敵の兵力を減らしているはずなのですが、どこからともなく敵が沸き、一向に減る気配がありません」


「その原因については調査しましたか?」


「してません。攻めて攻めまくれば、いつか終わるだろうと思ったので」


「すみません。期待する相手を間違えました」


「師匠にしては、遠回りな悪口ですね」


「直接的すぎるとルーテリアさんが興奮してまともな受け答えが不可能になります。そのぐらいの配慮はできて当然ですよ」


「それ、配慮に該当するんですか?」


「まずは、テプサとルグドの裏にいる黒幕を暴きましょう」




「師匠? 疲れた顔してどうしたんですか?」


「ルーテリアさんとの会話の後、調査したら、誰が黒幕か分かりまして……」


「その相手が大物だったんですか?」


「まあ、はい」


「それで疲れた顔を……」


「それは違います。私が疲れている理由はこの黒幕を暴くこと自体があまりにも簡単だったのに、ルーテリアさんはこんなに長期間戦闘しておいて、まったく気が付かないのかと呆れ過ぎて疲れました」


「それは大変ですね。で、黒幕は誰だったんですか?」


「北の魔王です」


「……北の魔王って帝国と争っているんじゃなかったでしたっけ?」


「最強名高い魔王は帝国だけでは飽き足らず、この地も我が物としようとしているようですね。テプサ、ルグドを支援して、自らの影響力をこの地に及ばせるつもりでしょう」


「それってかなりマズいんじゃ……」


「ええ、最悪です。ケメルさんのような魔王(笑)であれば、何の問題もありませんが、北の魔王は東西南北にいる魔王の中で、最も強いと言われています。もし、北の魔王がこの地を征服した場合、パダラは東は星教会、西は北の魔王に挟まれ、絶体絶命になります。何としてでも、ここで食い止めねば」


「ようやく真面目モードですか?」


「私はいつでもマジです」


「どうやって、北の魔王の侵入を防ぐんですか?」


「まずは北の魔王領との国境線をケメルさん主導で、守備させます。獣人族にはグリッロさんを当ててるので、制圧は時間の問題です。ルーテリアさんには引き続き、テプサとルグドを潰してもらいます。北の魔王の支援が無くなれば、ルーテリアさんでも潰せるでしょう」


「師匠はどうするんですか?」


「パダラに帰還します」


「何でですか? そんなんだと、ここを守れませんよ?」


「私がするべきは統治システムの構築です。パダラのようにどんぶり勘定の統治では魔王領と言う広大な領地を統治できません。それに24時間休みなく魔族を使役するには完璧な生産管理体制の構築が必須です。なので、内政を頑張ります。それに北の魔王との戦いは私がパダラに帰還した時から始まっています」


「幹部候補生以上の過酷な労働をさせようとしてませんか? で、師匠がパダラに帰還した時ってケメルさんを討伐しに行こうとしてた時ですよね?」


「覚えてませんか? 星教会信徒の集いの代表カーショさんと密談したことを」


「あれって、北の魔王との戦いを話し合っていたんですか?」


「はい。私は先見の明がありますからね」


「自分で言って恥ずかしくないんですか?」


「イラリアの惨めさと比較すれば、こんなことは恥にも該当しません」


「私が惨めという前提やめてもらえませんか?」


「検討します」


「いや、今すぐやめてくださいよ」


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