↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/192

第77話 私たちは常に進化しています。Ver1.0からVer1.1に

あの後、急いでパダラに戻り、教団幹部を招集して、会議を開いた。


「あの、私ここにいる意味ありますか?」


「イラリアは馬鹿なんですか? 私の一番弟子が幹部に入らなかったら、誰が幹部に入るんですか?」


「いや、でも、統治とかよく分かりませんし」


「分からないことは勉強してください、自分で。タフィさん、草案は完成しましたか?」


私はアイデアをタフィさんに伝えて、その具体化をするようにお願いをしていた。

おそらく、この会議に参加している事務方が頑張ってくれたのだろう。


「はい。まず、教祖様を頂点として、役職を整備しました」


私は手元の紙を見る。


「私が教皇というわけですね」


「はい。その下に、私が務める事務方のまとめ役である事務総長を置き、その下に審議官を2名置きます。設置する部局は調査部、会計部、外交部、広報部、総務部、分析部、人事部、技術開発部、会話部、参謀本部を設置します」


「すみません。私は教団組織についてを聞いてるんですよね? 軍事組織の話を聞いているわけじゃないんですよね?」


「イラリア、重要な話の途中に余計な横槍を入れるのをやめてもらえませんか? ぶっ飛ばしますよ?」


「私が悪いんですか?」


タフィさんが気にせず話を進める。


「では各部局について説明します。調査部は各地の教団運営、教団関係者やその周囲に不正がないかを調査します」


「師匠の敵みたいな存在ですね」


「私は不正なんてしませんよ? 私の為すことはすべて正義なので、不正にはあたりません」


「既にざるの予感がするんですけど」


「会計部、予算の管理、運用です」


「お金の流れを記録したら、師匠マズくないですか?」


「帳簿の改変何てナメクジに塩を掛けるように出来ますよ?」


「それ、簡単って意味ですか? って、既に二つも機能不全を起こしそうな組織があるんですが」


話がひと段落しそうなとこでタフィさんが話を進める。


「外交部は外国や、他宗派との交渉に携わってもらいます」


「まあ、これは普通ですね」


「いちいち、感想入れますか? イラリアの感想何て全く役に立たない気がするのですが?」


「いや、全く役に立たないは言い過ぎだと思います」


「広報部は教団関連の情報について広報をします」


「これってプロパガンダ部隊ですよね、師匠?」


「イラリアの言うプロパガンダと言うのがよく分かりませんが、フライパン教団の株を上げ、星教会などの敵対勢力の株を下げるのが仕事ですよ」


「ネガキャンをする気満々じゃないですか!」


「総務部は各部局間の調整を行います」


「まあ、これは特に……」


「分析部、経済指数や総資産の推定、対象の経済状況などを分析します」


「お金を前面に出して、ここをツッコませて終わらせようとしてますよね? その手には引っ掛かりませんよ! タフィさん、今読み上げなかった、この小さく書いてある部分は何ですか?」


「……」


タフィさんは笑顔で黙っている。


「対外情報収集って書いてあるんですけど」


「イラリアは、はっきり言わないと分からないんですか? 監査部は防諜、分析部は諜報ということですよ」


「すみません。私たちは教団組織について話し合ってるんですよね?」


「議題を忘れたんですか?」


「覚えているから聞いてるんです!」


「いいですか? 星教会は卑劣極まりない組織です。どのような手で侵入するのか分からないので、対策は万全にしないといけません」


「おそらくですけど、師匠にだけは卑劣って言われたくないと思います」


「人事部、教団関係者の採用や教育を担当します」


「まあ、これも別に……」


「技術開発部、防衛装備の開発等を行います」


「師匠、とうとう武器生産にまで手を出したんですか?」


「ドワーフを完全に制圧できたことが大きいです」


「手に入れてはいけない人物が手に入れてしまった、そんな感じがしますね」


「何言ってるんですか? 私が目指すのは世界平和ですよ?」


「各地の紛争の種が何言ってるんですか?」


「パクスフライパーナです」


「どういう意味ですか?」


「会話部、会話をします」


「タフィさん、これが一番謎なんですけど。会話に部局の設置必要ですか?」


「タフィさん、これではワクワク感がありません。ワクワク相談室にしましょう。ワクワクルームの確保はできてますか?」


「はい。教団本部の地下30階に設置できています」


「教団本部は迷宮か何かですか? って、ワクワクルーム? 教団組織に尋問部隊を作るって正気ですか?」


「仲良くなるには必要なことです。今は忍耐の時ですよ」


「何言ってるんですか? それより、ちょくちょく出てくるワクワクルームって、どういう由来何ですか?」


「ワクワクルームの由来ですか? もしかして、ワクワク会話するから、ワクワクルームだと勘違いしてませんか?」


「え? 違うんですか?」


「そんな、つまらない名前なら付けません。もっと高尚な由来があるんです。学校って知ってますか?」


「バカにしてるんですか?」


「すみません、イラリアの出身地の教育水準が低そうだったので念のため確認しておきました」


「キレますよ?」


「学校が親切心で子供たちが自由に遊べる部屋を用意するとします。だいたいそういう部屋ってワクワクルームみたいな名前がつきますよね? でも、多くの場合、そう言う部屋を作っても子供は寄り付きません」


「何でですか?」


「わざわざ、そんな場所を用意しなくても別の場所で遊べばいいからです。最終的にワクワクルームは無人の寂しい部屋となります。そうなると部屋の運用方法は変化します。人がいないのをいいことに先生が子供をそこに連れて行き、説教をするようになります。つまり、ワクワクルームは説教部屋になるんです。これがフライパン教のワクワクルームの由来です」


「時間返してもらっていいですか?」


「参謀本部、作戦の立案、聖戦士の管理を行います」


「何で何事もなかったかのように戻れるんですか、タフィさん? あとそれ、完全に軍事方面ですよね?」


「星教会対策です」


「師匠、星教会は免罪符でも何でもないですよ?」


「何でイラリアが免罪符の販売について知ってるんですか?」


「また、あくどい商売をしようとしてますね?」


「赦しをお金で買えるんですよ? 素晴らしいと思いませんか?」


「効果あるんですか?」


「ドMの信者に必要ですか?」


「それ、詐欺と同じですよ?」


「でも今なら私のサインもついてくるので、あと期間限定で殴打会への参加チケットもついてきます」


「だから、握手会の要領で殴るのやめてもらえませんか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。