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ネズミのドリム  作者: 西玉
ネズミのドリムと魔法使い
6/24

6 ドリムの旅立ち

 ハツカネズミが遊び疲れて眠ってしまうと、ドリムはまた一人になりました。

 ドリムが自分の顔をなでてみると、とても前歯が長いことに気が付きました。

 武器に使えそうなほど長い前歯に手をかけ、ドリムは自分の前歯を折ろうとしました。

「おっと、危ないところだった。ドリムはそうやって、毎回死ぬのだね。間に合ってよかった」

 ドリムの小さな手を、お月様のような魔法使いが摘まんでいました。

「どうして、『間に合ってよかった』のです?」

「ドリムが死ぬのを止めることができたからさ」

「どうして、ぼくが死ぬのを止める必要があったのですか?」

 お月様のような魔法使いは答えませんでした。何度も同じ話をしているので、飽きてしまったのかもしれません。

「ドリムや、お前には生きる理由が必要なのだね」

 とても優しく、お月様のような魔法使いは尋ねました。でも、ドリムは言いました。

「いいえ、生きる理由は必要ありません。生きる必要がありませんから」

「でも、生きる理由があれば、死なないのだろう?」

 魔法使いは丸い顔をますます丸くしてドリムに近づけました。ドリムは少し考えました。

「そうですね……もしやらなければいけない用事があれば、それが終わるまで死ぬことはないでしょうね」

「うむ。やはり、ドリムには生きる理由が必要なのだね。ではドリムや、お前にとても大切な用事を任せる。いいね、この用事が済むまでドリムや、決して死んだりしてはいけないよ」

「そうですか。そんな大事な用なら、ぼくが死んだりしてはいけませんね。任せてください」

 ドリムは初めて、必要とされているのだと感じました。

 お月様のような魔法使いは、ドリムに小さな荷物と地図を持たせ、魔法使いの家から外に出しました。

 ネズミのドリムの旅が始まったのです。


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