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4 魔法使いの苦労
ネズミのドリムは目を覚ましました。
目を覚ましたといっても、眠っていたのではありません。
ドリムは死んだはずでした。
――また、生き返らされたのかな。
考えるまでもありません。
ドリムは生きていました。
今回は、少し様子が違いました。
ドリムが起きた場所は、小さな箱の中でも、小さくて立派な部屋の中でもありません。
ドリムのまわりには、花があふれていました。
まるでお花畑のように、ドリムの周りに花が敷き詰められていました。
「気に入ったかね?」
大きな、丸い月のような、丸い顔がドリムを見下ろしていました。
ドリムは上機嫌で答えました。
「はい。とてもきれいですね」
「そうだろう。よかったな」
大きな丸い月のような、丸い顔が遠くにいきました。
お花畑はとても気持ちよく、ドリムは花に囲まれてくつろぎました。
気が済むまで花に囲まれ、ドリムは死にました。




