第二話 再会
いつもの朝6時、綺麗に整頓されている部屋にカーテンの隙間から朝日が差し込む。
昨日の出来事をもう忘れている櫻は、
今日は土曜だがいつも通り運動着に着替えながらリビングへ移動する。
有線イヤホンをポケットに入れ、長い廊下から玄関に向かっていく。
——ドアを開けると一気に風が流れてくる。
櫻の家は少し変わった位置にある。玄関を出ると正面にまっすぐ上り坂があり、その道路沿いに民家が建てられているような感じだ。
その上り坂を上がるとT字路があり左へ曲がると大通りに出る。
大通りを右に曲がってしばらく歩くと駅がある。左に曲がって少し歩くと川がある。
櫻は大通り沿いを走っていつもの公園に着いた。
そこには昨日と同じ景色が広がっていた。
いや、少し違った。
そこには桜吹雪に埋もれない、
白いワンピースを着た紅葉がいた。
「…また迷ったのか?」
声を掛けたらうれしそうな顔で振り返ってきた。
「あ、櫻くん!待ってたよ!...って迷ってないです!」
「昨日はちゃんと帰れたのか?」
「うちの学校、駅からすぐなので遅刻しないで間に合いました!」
「そう。よかったよ。」
「櫻くんは大丈夫だった?学校とか遅刻してない?」
「別に大したことは無いよ。授業には間に合ったし。」
「ってことは遅刻してしまったんですか!?
本当にごめんなさい!!私のせいで...」
「いいから。自分で決めたことだし、気にしないで。」
「そう...ですか?分かりました。ありがとうございます。」
「...紅葉さんは今日はなんでここに?」
「名前覚えててくれたんですね...嬉しいです!」
紅葉の顔が少し赤くなった
「お礼をしたいと思って!これ受け取ってください!!」
「別にお礼なんていいのに」
「こっちが申し訳ないんです!」
体が当たりそうな距離まで近づいてきた
「わかったよ。受け取るから。近づきすぎ」
「あ、ごめんなさい。つい...。」
紙袋を受け取って中を見たら高そうなお菓子がたくさん入ってた
「こんなにもらっていいの?高そうだし。」
「いいんです!お礼ですから」
「わかった。貰っておくよ」
「そうしていただけるとありがたいです。」
お金持ちなのか。そう思ったが、聞けなかった
「...今日は一人で帰れるよね?」
「問題ないです!」
「途中までなら帰り道だからついて行くよ?」
「...ってことはやっぱり昨日嘘つきましたね?」
頭いいな。
「ごめん。嘘ついた。」
咄嗟に頭を下げた。
「そんな!謝らないでください。私があんな所に
いたのが悪いんですから!!」
「許してもらえるの?」
「当然ですとも。」
時々見せる偉そうな態度で紅葉は答えた
「じゃあ途中まで帰ろうか。」
「はい!」
…その後、ほぼ無言で二人で歩いた。
別れ道、櫻は特に感情を出さず
「気をつけて。」
とだけ言って別れた。
紅葉は少し寂しそうだったが、そのまま帰路に着いた。
その後2人は半年以上会う事はなかった。




