↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

97/108

浮気発覚!?

 転移先を聞いていなかったが、どうやら俺の家に設定してくれていたようだった。


 しかし、エリノアさんには俺の家を教えていなかったはず……じゃあ、シャムさんが教えておいてくれたのか?


 俺はとりあえず、リビングへと向かう。

 しかし、今の時間はもう七時、リリーにはどう言い訳したものか……。


「ただいま……え?」


 リビングには勿論リリーがいて、汚物を見るような目で下の方を見ながら、仁王立ち。


 しかし、おかしいのはそこではない。

 リリーが見る方にはシャムさんが正座していた。


 ……あの馬鹿はどうしてここを転移先に選んだんだ?


「お帰りなさい、ハヤトさん。正座」


「あ、はい」


 もう完全に尻に敷かれてるね。もう体が普通に言う事聞いちゃうもん。


「さて、女性と二人で夜中に浮気、しかも私が居るとわかっている家に浮気相手を呼ぶ……お二人ともこれってどう思いますか?」


 あ、なるほど。

 リリーは俺が浮気していたと思ってるのか。


「それは誤解だ。俺達は人に見られると不味いことをしていただけで、やましいことは何もしていない」


 あれ?これって少しおかしいかも……?

 しかもシャムさんが口パクでバカ、と言っている。


「分かりました。この方に好きという気持ちはなく、体だけの関係ということですね」


 あぁぁ!!?そう解釈したか!


「違う!違うのよ、リリーシャさん!もうこうなったら全部話しちゃうけど、私達は他の人間に渡ると危険な魔法書をスカーリア学園から盗み出してたの。だからこの人とは何の関係もない!ただの仕事仲間なのよ!」


 確かに言っちゃうのが一番早いよな。

 リリーは多分バラさないでくれると思うし。


「……で、でも、お二人は前にも空き教室で会ってました!」


 み、見てたのか!?


「それは今回の作戦を達成する為に打ち合わせしてたんだ!」


 た、頼む!これで納得してくれ……!


「そう、だったんですか。ごめんなさい、ええと……」


 お、おお!納得してくれたか!


「シャムよ。よろしくね」


「えっと、シャムさん、今回はごめんなさい!自分勝手で申し訳ありませんけど、お帰り頂いて大丈夫です。本当にごめんなさい……」


 リリーはおどおどしながらシャムさんに謝罪する。

 誤解が解けて良かった。


「分かったわ。こっちこそごめんなさいね、こそこそ行動しちゃって。でもハヤトも魔王軍の一員だから仕方なかったのよ。だから許してあげてね」


 え、何シャムさん。何か急に優しいんだけど。


「アンタはちゃんと話すのよ!?自分の婚約者心配させたんだから!」


「は、はい!」


 前言撤回、俺には厳しいです。


 そう言ったが最後、シャムさんは俺達を気遣ってか、さっさと退散していく。


「……あー、ごめんな。心配させるような真似して。今回のはシャムさんが言った通り、必要な仕事だったんだ。だからどうか大目に見て欲しい……あ、何か上から目線だ!そうじゃなくてだな……」


 今度は俺がおどおどしているとリリーが急に笑い出す。

 そしてひとしきり笑うと、


「もう大丈夫です。ハヤトさんはスカーリアに来ると浮気するのかと思っていましたけど、そうでもないみたいで安心しました」


 割と信頼されてねぇ……。


「でも、ハヤトさんはもう少し女の子の気持ちを理解するべきです」


「と、言われますと?」


「例えばです。私が少し暗そうな顔をしていたら、何か聞いてみるとか」


 そう言えば思い当たる節がありますね。

 あれ、わざとですか。リリーさん、あざとっ!


「例えば何もなくても、何かするとか」


 そりゃ、お前の願望だろ。


「……気づいたら行動します」


「そうしてください」


「…………」


「…………」


 今日は一体何をすればいいんだろう?

 仕事が終わって、糸が切れたように緊張感がなくなった。ちょっと喪失感だ。


「……とりあえず風呂入ってくるわ。外でて汗かいたし」


「じゃあ私は朝ご飯作ってますね」


 こいつに飯を作らすのは不味い!


「いや、大丈夫だ!風呂から上がったらすぐに俺が作るから!リリーは休んでてくれよ」


「……分かりましたよ。私はじっとしてます!」


 自分が料理下手なのを知ってか知らずか、リリーはプクッと頬を膨らませて言う。


 すまんリリー。

 料理だけはさせたくないんだ。俺が生死を彷徨うことになるから。



 俺が風呂から上がると、なんと食卓には料理が並んでいた。


 何処かで嫌な予感はしていたんだけど、まさか的中するとは……。


「驚きましたか?私だって、本気を出せばこれぐらい出来るんです!」


 初見なら誰だってすごいと思うよ。

 だって、見た目も香りもいいんだから。


 しかし、残念なことに、どんな魔法が働いているのか、味だけがダメなのだ。


「……じゃ、じゃあ、食べようか」


 俺は覚悟を決めて、スープを口に運ぶ。


「……え、美味い」


 あれ?別に後から強烈な味が来る訳でもない……。


「本当ですか!?良かったぁ……お料理、カーミラさんから教わったんです。初めに作った時、皆さん倒れちゃったから」


 リリーは最初から自分が料理下手だと気づいていたんだ。

 味覚がバカだから、分かってないものだと思っていた。


「うん、ホントに美味しい。腕上げたな、リリー」


「本当に、良かったです。私、花嫁修行なんて何にもしないで飛び出してきたから、何だかずっと申し訳なくて」


 へー、リリーも気にしてくれてたんだ。

 別に俺がやればいいから気にしなくてもいいのに。


「……まぁ、嬉しいよ。ありがとう」


「そ、そうですか……」


 俺は朝ご飯を食べ終えると、何をしようか考える。


「そうだ。久しぶりに二人で遊びに行かないか?」


「いいですね!久しぶりのデート!」


 た、確かにデートですけど……。


「じゃあ、行くか」


 こうして今日はデートの日となり、何とかリリーには機嫌を直してもらえたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。